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読者様からのメール
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読者様から保有している投資信託の含み損に関するメールをいただきました。
メール本文では…
という内容でした。
弊社では、投資助言サービスも含めて「売買判断」に関するご質問に対してはお答えしておりませんが、本文を読む限りでは損失額が大きいことや、保有を続けることへの悩みを感じたため、保有している一部分でも損切りを実行してみてもいいのかなと感じました。
という悩みは、多くの方から相談を受けます。
弊社のもとには、株で勝てるようになりましたというメールもいただきますが、儲けたという金額は大きい時でも100万円単位が大半で、1,000万円を超えたというメールは1人だけです。
1000万円は金額の大きさもさることながら、投資を継続する期間も長くなるため、数は減っていくのもありますが、簡単ではないです。
逆に、損が1,000万円超えているという悩みのメールは、意外と多いというのが本音です。
平均して年に数回ありますが、これは本当に悔しいですね。
株を購入するに至った情報源や購入を決めた理由を考えてみる
私から個別に相談、回答することは出来ませんが、同じ悩みを抱えている場合、含み損、塩漬け株を購入するに至った情報源や購入を決めた理由を思い出してみましょう。
それを得た情報源を思い出して、そこからの情報では勝てないとわかったら、前と同じ失敗を繰り返さないことです。
投資信託の損失であれば、今後は自分で株を売買する、運用のチャレンジしてみる。個別株の失敗であれば、なぜその株を買ったのか? 考えることです。
そして、次の投資先は前と違うやり方で銘柄を選び、結果がどう変わるか自分で体験すること。
その体験から自分なりの答えを知ることで、今までと違う結果を得ることができます。
損した時こそ投資運用法を勉強しなおすチャンス
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含み損を抱えていると気分的に暗くなりますが、含み損があるからこそ自分の投資運用法を勉強しなおすチャンスでもあります。
私も株を始めてから数年は含み損という状況が続いていました。
株を始めたのは2000年12月ですが、2001年は9.11テロが起こり、2003年まで株価が低迷を続けました。
今から振り返ると、この厳しい時代に投資を学んだおかげで今の自分があると思っています。
ですから、最近株を始めた方も「今日の結果だけで自分には株の才能がない」と決めつけず、そんな時期もあるのだと気楽に投資と付き合っていきましょう。
「最初の損は最良の損」
運用成績が悪い時に学んだ経験で最もよかったことの一つが「損切」の大切さです。
当時も複数の銘柄を保有していましたが、株価の下落率を比較していくと、銘柄ごとに株価が一気に下がる株と、そうではない株がありました。
さらに相場全体の市況が下落ムードの時でも、逆行していく株もあるのです。
個別株単位で眺めていくと株価が一気に下がる株というのは市況関連株、景気敏感株、業績が悪い株になります。
私はそういった株を損切り、資金枠を確保して次の有望株を買うという選択をしてきました。
有望株についても、一つに集中投資はせず複数の銘柄に分散、また保有タイミングも、企業成長が継続しているか、市況と比べ割安かなどを考慮しながら数回に分けて買い増しをしてきました。
その結果が今の自分だと思います。
「最初の損は最良の損」という投資の格言がありますが、まさにその通りです。
含み損は自分を成長させる、新たな有望株に出会うチャンスでもあります。(執筆者:坂本 彰)