FX初心者がFX取引を始める場合、いくらから取引を始められるのでしょうか?
FX取引を始めるにあたり必要になる投資金を準備するのは基本中の基本です。そこで、FX取引をいくらから始められるか計算してみました。
目次
FX初心者がいくらから取引を始められるか計算してみた
FX初心者がいくらから取引を始められるか計算するにあたり、以下の2点を調査してみました。
・ ロスカット基準
この2点を調べることで準備すべき投資金額が分かります。では、一つずつ分析してみましょう。
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FX取引必要証拠金
FX取引に必要な証拠金についてですが、FX取引は利用するFX会社に証拠金を担保として預託し、その証拠金の最大25倍分の外貨を運用することができます。
ですから、FX取引をいくらからできるか調べるためには、FXに必要な証拠金額を調べることが先決です。
FXにおける取引数量ですが、FX会社によっては1通貨単位で取引できるFX会社もあれば1万通貨単位以上を規定とするFX会社もあります。
この記事の前提は「FX初心者がいくらから取引を始められるか」ですので、取引リスクが少ない1通貨単位取引を採用するSBIFXトレードの必要証拠金額を参考に見てみましょう。
為替レートが変動すれば必要証拠金額も変わりますが、現在の必要証拠金額は以下の通りです。
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赤枠で囲んである部分が1通貨あたりに必要な証拠金額です。メジャー通貨の米ドル/円は小数点以下切り上げで5円、ユーロ円も同じく5円で1通貨の取引ができます。
また、マイナー通貨のNZドル円を1通貨取引なら3円で、南アランド円は1円で必要証拠金額を満たすことができます。
もともと通貨レートが高い英ポンドは対円取引なら1通貨7円、同じく英ポンドを対米ドル取引なら1通貨7円で必要証拠金額をまかなうことができます。
結論ですが、必要証拠金額という観点でいくらから取引を始められるかと考えると
……これが答えになります。
1通貨取引ができるSBIFXトレードを公式サイトでチェックする⇒SBIFXトレード
ただし、1円だけをFX口座に入金し、継続してFX取引を行なうのはほぼ不可能。なぜなら、為替レートは常に変動しており、もしFX各社が定めるロスカット基準を割り込むと、強制的に保有している通貨が決済されてしまうからです。
ですから、FX取引をいくらから始められるか考える上で、必要証拠金額以外にロスカット基準を念頭に置いておくことが必須になります。以下、詳しく見てみましょう。
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ロスカット基準
ロスカットとは、FX取引者の保有外貨が一定以上に含み損となった場合、FX会社によって強制的に反対売買(外貨を買建て中なら売り決済、売り建て中なら買い決済)されることです。
また、ロスカット基準はFX会社によって設定が異なりますが、基本的に基準となっているのは「証拠金維持率」です。
証拠金維持率は
この計算式でもとめられます。この証拠金維持率が、たとえば100%を割り込んだとき、または50%、25%を割り込んだら強制的にロスカットと規定されているわけです。
ちなみに、主要FX会社が定めるロスカット基準は以下の通りです。
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各社規定のロスカット基準を割り込むと、つまり証拠金維持率を割り込むとロスカットとなります。
ロスカットになってしまうと
・ 損失が確定する
これらデメリットがあります。損失を一定の範囲内で抑えられるというメリットがあるものの、スムーズに収益を上げる運用ができないことになりますから、やはりロスカットにひっかからないように取引するのが最善なのです。
ロスカットにひっかからないようにするためには
では、各社のロスカット基準をふまえ、ロスカットにひっかからないようにするために何ができるでしょうか?
ある人は、
と思うかもしれません。しかし、それはあまり賢明な判断とは言えないでしょう。
ロスカット基準となっているのは証拠金維持率ですが、ロスカット基準が何%かに関係なく、なるべく高い維持率を保持することがリスクを抑えた取引です。
言い換えると、高い証拠金維持率を維持することで、激しい為替変動にも対処しやすい資金管理をしていることになるのです。
たとえばドル円レートが一日で1,2円変動することがよくありますが、証拠金維持率が高ければロスカット基準にひっかかる確率が低くなります。
一方で、証拠金維持率が低いなら、ちょっとした為替変動でロスカットとなってしまう危険があるのです。そうすると、FX取引のために用意した投資金があっという間になくなってしまいます。
くどいですが、もう一度! なるべく高い証拠金維持率を確保するように。
具体的に何%の証拠金維持率が望ましいのでしょうか?
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高い証拠金維持率。具体的に何%の証拠金維持率が望ましいのでしょうか? 実は、正解はありません。いつも言っているのは、証拠金維持率は高いほど為替変動リスクに対処しやすいということです。
トレーダーによって違いますが、ある人は200%以上、ある人は300%以上、場合によっては1,000%以上の維持率が必要だと言う方もいます。
答えはないのですが、一つの目安として、最低でも300%以上の維持率を確保するのが望ましいかと思っています。
多くのFX会社では100%を割り込んだときにアラート通知(マージンコールともいう)が送信されます。筆者が利用するSBIFXトレードも100%を割り込んだ時点で以下のようなメールがきますよ。
このようなメールが来ること自体、安全な取引をしているとは言い難いです。目安は最低でも300%、FX初心者は1,000%くらいあっても良いかと思います。
ただし、繰り返しになりますが、あくまでも目安です。前提は証拠金維持率が高くなるようFX口座に十分な資金を入れておくことですから、その点を肝に銘じておいてください。
ちなみに、南アフリカランド/円を1通貨取引するのに1円あれば取引を始められると上述しました。
つまり、証拠金維持率を
・ 1,000%ならば約10円
の計算です。
為替レートの変動、または取引通貨が変われば必要になる金額は異なりますが、目安として覚えておきましょう。
FX初心者はいくらから取引を始められるか まとめ
必要証拠金だけで計算すれば、最低1円あればFX取引は始められます。
しかし、ロスカットや為替変動のことを考えると、証拠金維持率をなるべく高く維持することが絶対条件です。証拠金維持率は最低でも300%以上、FX初心者は維持率1000%を目安にしても良いかと思います。
・ 南アフリカランド1通貨取引=10円(証拠金維持率1000%以上とする場合)
ここでは南アフリカランドを1通貨取引するケースだけを考えてみましたが、他の通貨の取引においては、その通貨の取引量や必要証拠金に置き換えて計算してみてください。
それでは、また。(執筆者:堀 聖人)