先日、投資顧問業向けのコンプライアンスセミナーに出席してきました。
コンプライアンスセミナーは基本的に金融商品取引法(以下、金商法)の違反事例や法令の順守状況の話が中心なのですが、今回は話の中で、投資顧問業がなぜ金商法違反をするかに至るプロセスの話が面白かったです。
この話は、個人投資家の方も知っておけば役に立つ内容だと感じたため、記事を書きました。
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なぜ違反してしまうのか
投資顧問業がなぜ金商法違反をするのかについての理由ですが、まず最初に企業の収益悪化が起こり、業績を挽回するためにリスクの高い商品を手掛けるようになるそうです。
リスクの高い商品というのは、販売手数料も高くなるため、収益改善には手っ取り早いですが、高リスクであることをきちんと説明しなかったり、販売が優先となり投資先の実態やお金の流れをしっかり検証していないことがあるのです。
さらに、株式や債券などの伝統的資産以外の新金融商品を販売しているケースもあるようです。
そのため、中には投資先の破たんや資金回収ができなくなり、問題が発覚する、大きくなるという事態が出てくるのです。
この流れを聞いていて思ったことは、大きな損失を出した個人投資家が資産を回復させようと、よりリスクの高い投資に走るのと同じだなと感じました。
企業も、高リスク商品のリスクを低く見積もってしまうのです。これは怖いですね。
個人投資家がこういった金融商品に投資しない対策としては、株式、債券等の歴史ある定番商品以外の金融商品に投資しないと決めることが最も効果があると思います。
甘い話に乗らないこと
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金融商品で問題となるものには共通項があるそうで、
2. 元本の安全性や高配当を強調する
という特徴があるそうです。(もちろんすべてではありませんが)
こういった言葉が商品説明で多様されている、強くPRされている金融商品には耳を傾けないこと、無視することが最善策です。
ハイリターンなものはハイリスクであり、例外は存在しません。
それを隠している場合や、リスクをきちんと伝えていないことが考えられます。
かなり昔の話ですが、私が安全資産の利回りは1%とか2%程度ですという話をしたことがあります。そのとき、ある読者様から「5%とか8%の商品もあるじゃないですか」と言われました。
自分の考えが本当に正しいのか、客観的に見る癖をつけておきましょう。(執筆者:坂本 彰)