FX取引の醍醐味でもあるレバレッジですが、国内FX口座を利用すると最大25倍までレバレッジをかけることができます。
しかし、FX初心者にとってレバレッジはもろ刃の剣となり、ハイリターンの代わりにハイリスクを背負って外貨運用することになってしまいます。
ですから理想は身の丈に応じてレバレッジを設定しFX取引を行なうことです。自分のニーズに合わせてレバレッジを設定できれば、相対的にリスクを抑えつつFX投資ができるからです。
ここでは、FX初心者がレバレッジを自分で設定する2つの方法についてご紹介します。
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目次
FX初心者がレバレッジを自分で設定する方法2つ
FX初心者と限らず、FXトレーダーなら誰でも2つの方法でレバレッジ設定を行なうことができ、随時変更が可能です。
1.レバレッジ設定が標準搭載されているFX口座を選ぶ
2.実効レバレッジを自分で調整する
では、この2つの方法について詳しく分析していきましょう。
1.レバレッジ設定が標準搭載されているFX口座を選ぶ
多くのFX口座はレバレッジ設定が原則25倍となっているのですが、幾つかのFX口座ではレバレッジ設定が標準搭載されています。
そのうちの一つが、YJFX!。
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以上のようにYJFXの「外貨ex」のレバレッジ設定画面で、レバレッジ1倍、10倍、25倍のいずれかを選択することができます。
レバレッジ1倍、10倍、25倍では何が違うのでしょうか?
預託する必要証拠金額が変わってきます。
たとえば、ドル円レートが1ドル=100円のときに1万通貨取引するとします。以下のように、レバレッジ倍数によって必要証拠金額が変化するのです。
レバレッジ10倍:10万円
レバレッジ25倍:4万円
そして、選択するレバレッジ倍数によってさらに違ってくるのが、どの時点でロスカットになるかという点です。
同じくYJFX!を一例として見てみますが、YJFX!のロスカット基準は証拠金維持率が50%を下回ったときになります。
つまり、上述した例の必要証拠金額から見ると、
レバレッジ10倍:有効証拠金5万円でロスカット
レバレッジ25倍:有効証拠金2万円でロスカット
以上の通りです。1万通貨取引の場合、レートが±1円動くと為替損益は±1万円になるので、
レバレッジ10倍:レート-5円で強制ロスカット
レバレッジ25倍:レート-2円で強制ロスカット
このような計算になります。
レートが数日の間に50円も動く可能性はほとんどなく、レバレッジ1倍で取引すると余裕ある取引ができることが分かります。
しかし、レバレッジ25倍での取引の場合、たった2円の変動でロスカットに引っかかってしまうわけです。
以上の例を見ると、レバレッジをなるべく低くしてFX取引する重要性をお分かりいただけると思います。
話を元に戻しますが、幾つかのFX口座ではレバレッジ選択が標準搭載となっていますので、レバレッジ選択ができるFX口座を利用するのが一つの手段となります。
ちなみに、YJFX!でもそうですが、レバレッジ変更は随時可能です。ですからFX初心者は最初は相対的にリスクの低いレバレッジ10倍或いは1倍を選択し取引を行ない、FX取引に慣れてから25倍に変更しても遅くはありません。
2.実効レバレッジを自分で調整する
レバレッジの選択ができるFX口座について長々と語ってしまいましたが、実はどのFX口座でも自分でレバレッジを調整できるんです。
ですから、「リスクを抑えて取引するため」という理由だけで、レバレッジ選択が標準搭載されているFX口座を利用する必要はありません。
FX取引をしているときに、現時点で有効証拠金額(FX口座内に入金されている金額)の何倍の外貨を運用しているかを表すのが、実効レバレッジです。
実効レバレッジを低くしてFX取引をするなら、相対的にリスクを抑えて外貨運用していることになります。
実効レバレッジをもとめる計算式は以下の通りです。
運用外貨金額÷FX口座内金額=実効レバレッジ
たとえば、100万円分の米ドルを運用しているとき…
FX口座内金額10万円:実効レバレッジ10倍
FX口座内金額4万円:実効レバレッジ25倍
…以上の実効レバレッジとなります。
あれ、どこかで見たことのある数字が並びましたね? そうなんです、先に挙げたYJFX!のレバレッジ選択と全く同等のものです。
つまり、FX口座によってレバレッジを指定されなくても、FX口座内金額を自分で調整することでレバレッジを低くすることができますし、逆に高くすることもできるというわけです。
実効レバレッジの注意点
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FX口座が指定するレバレッジの値と実効レバレッジは別物であること。これを認識している必要があります。
FX口座が指定するレバレッジは、必ずレバレッジに応じた証拠金額をFX口座内に入金する必要がありますが、実効レバレッジはあくまでもFX口座内の状態を表した数値に過ぎないのです。
この2つの違いを明確にしておかなければなりません。
YJFX!の例で見たように、たとえばレバレッジ10倍で取引しているとき、有効証拠金額が5万円を割ると強制的にロスカットが執行されてしまいます。
別の観点から見ると、万が一の場合でも必要証拠金の半分がきっちり守られることになるのです。もちろん、ロスカットに引っかかってしまうようなトレードは決して褒められたものではありませんが。
しかし、実効レバレッジ10倍で取引しているときは同じようにはいきません。実効レバレッジの値は10倍ですが、FX口座がもとめる必要証拠金はあくまでもレバレッジ25倍の金額です。
言い換えると、100万円分の外貨を運用しているときに10万円がFX口座内に入金されていれば、口座内状況を表す実効レバレッジは10倍です。しかし、実際はレバレッジ25倍で取引していますので、ロスカットが執行されるのは取引証拠金が2万円を割り込んだときになります。
実効レバレッジが高いほど取引リスクを抑えた取引になるのは確かですが、一般のレバレッジと実効レバレッジには違いもあること、肝に銘じておくべきです。
より安全にFX投資をしたいというなら、レバレッジ選択が標準搭載されているFX口座を選択するのが一つの選択肢です。
或いは取引量を少なくすることでも実効レバレッジを抑えた取引となり、リスクも比例して低くなります。
FX初心者なら1通貨単位で、どんなに多くても1,000通貨単位以下で取引をすることをおすすめします。
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FX初心者がレバレッジを自分で設定する方法2つ まとめ
今回はFXのレバレッジ設定について詳しく見てきました。
1.レバレッジ設定が標準搭載されているFX口座を選ぶ
2.実効レバレッジを自分で調整する
この2つの方法でレバレッジ設定が可能ですが、実効レバレッジとリスクを抑えて取引するために1通貨単位取引ができるFX口座を、どんなに多くても1,000通貨単位以下で取引できるFX口座を利用しFX取引することをおすすめします。(執筆者:堀 聖人)