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「タイミングよく」はとても難しい
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銀行向けにマイナス金利も導入された預金金利は市場最低水準(一般預金者はかろうじてプラス金利)、日本国債の利回りも市場最低水準という状況において投資で資産を増やそうとすればリスクがあっても株式による運用は避けられない。
株価が底を打ったときにタイミングよく購入できれば良いが通常それは極めて困難。
信用取引口座を持って株式の暴落時にカラ売りを実行することで利益を得ることも可能ではあるが、こちらも同様に売り買いのタイミングを常に的確に把握することはプロの投資家にも容易なことではない。一般の投資家にとっては言わずもがなである。
草莽(そうもう)とは
本来は民間にあって地位を求めず、国家的危機の際に国家への忠誠心に基づく行動に出る人(「草莽之臣」)を指すが、幕末期の日本においては特殊な意味を有した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/11/19 18:10 UTC 版)
日本の株式市場はまだまだ低い水準
日本の株式市場は7月27日の終値で1万6,664.82円。
2月12日に記録した今年の最安値1万4,865.77円よりは幾らか持ち直しているが年初の1万8,818.58円からはまだ13%も低い位置にある。
年初の3,536.59円から2,992.00円へと18%下げている上海の株式市場ほどではないがかなり低い水準で推移している。
世界の株価はどうなのか
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年明けから急降下した世界の株価。日本の市場を見ていると今年はまだ暗黒の低迷状態にあるように見えるが、実際は欧米をはじめとした他の地域はすでに大幅な回復を見せている。
ドイツの指数DAXは-2%のところにあり、まだ年初の水準を下回っているが、英国のFTSE100は年初から7%、アメリカのダウは6%程度上回ってきている。
ではアジアが悪いのかというとそうでもなく、香港のハンセン指数は4%、インドのSENSEX指数も年初の水準より7%程度上回ってきている。
来月オリンピックが開催されるブラジルのボベスパ指数に至っては年初より31%も上昇している。
これらほとんどの市場では2月11日から12日に今年の最安値を記録していてこの辺りを底にして上昇に転じている。要するに日本と中国はもたついているが他の市場はほぼ暴落前の水準を回復したり、今年の最高値を更新する状態になっているのだ。
荒れた相場の世界で損失にまみれる一般の投資家
年初からは相場下落の際に利益を得ることのできる「カラ売り」をおこない、2月11、12日頃にそれをやめて今度は買いに転じることができれば大儲けができる。
だがそんな芸当のできる人は数少ない。いるとすれば巨大な資金を高速で動かすことのできる機関投資家やヘッジファンドか天文学的確率で存在する相場の天才、あるいはまぐれの類である。
通常の能力しか持たない一般の投資家の多くはこうした乱高下の荒れた相場の中で容易に損失にまみれてしまう。
一般の投資家に勝機はないのか…
では、こうした厳しい相場の世界で我々一般の投資家に勝機はまったくないのだろうか? 利益を挙げることは不可能なのだろうか?
「ドルコスト平均法」という投資手法
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そんなことはない。「ドルコスト平均法」という投資手法がある。ドルコスト平均法とは市場の好不調に関わらず定期的に一定額を少しずつ投じてゆくもの。いわゆる積立投資である。
1回1回は少額ではあるが上下する株価についてゆき、頭からしっぽまでをまんべんなく買ってゆく手法だ。
高値も掴むが安値もきちんと拾うことができる。そうして全体的な買値は平均化されるのである。こうして少しずつ積み立てるように投じた資金で世界の様々な市場を買うのだ。
人類の経済は有史以来、短期的には上がり下がりを繰り返しながらも長期で見ると一貫して右肩上がりの成長を続けてきた。ということは長い時間をかけて少しずつ世界の株式市場に投じて行けば資金は増加することになる。人類の経済成長がここで終わらない限り。(執筆者:玉利 将彦)