交通事故で車が修理不能になった時、古い車で修理代がかさんでしまう時、車には乗らないが売れるほどの価値がない時、その車は廃車にすることとなります。
廃車にするとお金がかかると思っている人が多いようですが、最近では無料で廃車を行なってくれる解体業者もあります。それどころか、自賠責保険を戻すことができるのです。
今回は、廃車と自賠責保険との関係について見ていきましょう。
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目次
自賠責保険とは加入が義務付けられている自動車保険
自賠責保険は、正式名称を「自動車損害賠償責任保険」といいます。
任意保険と間違えている人も多いですが、任意保険はあくまでも任意であり、加入しなくても構いません。
自動車や二輪車を運転する際に、法律によって加入が義務付けられている保険、それが自賠責保険です。
自賠責保険に加入をしていないと、車検の際に検査を受けることができません。よって、引き続き運転するためには、自賠責保険に加入しないといけないのです。
自賠責保険は、損害の度合いにより補償額が定められています。
傷害: 最高120万円
後遺障害: 最高4,000万円
死亡:最高 3,000万円
自賠責保険の保険料は、車種や期間により定められています。
・ 軽自動車
2万6,370円(24か月契約)
・ 自家用車
2万7,840円(24か月契約)
・ バイク
排気量125cc以下 9,870円(24か月契約)
排気量125~250cc 1万4,290円(24か月契約)
排気量250cc以上 1万6,340円(24ヶ月契約)
以上は代表的なもので、他にも貨物自動車などの車種があり、契約期間も36か月や60か月を設定している車種があります。
自賠責保険の解約で返戻金がある!
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自動車を廃車にすると、ふつうは
と思っていませんか。
実は最近では、部品取りなどのニーズが高まっているため、無料で引き取ってくれる解体業者もあり、貴重な部品や状態の良いパーツが揃っている車ならば、お金を出して買い取ってくれる業者もあるのです。
それだけでも十分にうれしいですが、廃車の際には自賠責保険が戻ってくることも忘れてはいけません。
解体業者はあまり表立っては言いませんが、実は期間が満了しないうちに車を廃車にすると、未使用分は返戻金として戻ってくるのです。
自賠責保険の解約に必要な書類は?
自賠責保険の解約をするためには、まずは必要書類を集めなければなりません。
必要書類
1. 印鑑
2. 自賠責保険証明書
3. 自動車の廃車を確認できる書類
4. 本人確認書類(免許証、健康保険証など)
5. 振込先の口座番号
6. 保険標章(ステッカー)
これらの書類を用意したら、自賠責保険に記されている保険会社と、やり取りをして解約手続きを行なってください。
郵送や電話、最寄りの営業所で受け付けしています。
自賠責保険を解約すると、どれだけお金が戻ってくるの?
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最も気になるのは、自賠責保険の解約をしてお金がどれだけ戻ってくるかではないでしょうか。
自賠責保険の解約返戻金は、自賠責保険が最低1か月残っていないと受け取れません。
ちなみに、自賠責保険の主な解約返戻金の目安は、例を挙げると以下のようになっています。
普通車(24か月契約、残り6か月)→5640円
軽自動車(24か月契約、残り12か月)→1万770円
軽自動車(24か月契約、残り6か月)→5280円
いかがでしょうか?
返戻金も受け取ろうと考えている解体業者はあまり教えてはくれませんが、自賠責保険は解約返戻金がもらえます。普通の医療保険や生命保険では解約返戻金の意識も高いのですが、自賠責保険に関してはその意識が低いようです。
古い車で買取業者にもっていってもゼロ査定ならば、解約返戻金を受け取った方がお得な場合もありますよ。より正確な自賠責保険の返戻金を知りたいのであれば、保険会社に問い合わせるのが最も確実です。(執筆者:角野 達仁)