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日銀の新しい政策について
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日銀は21日まで開いた金融政策決定会議で、新たに長期金利の目標を導入いたしました。今までは消費者物価指数2年で2%が目標でしたが、実現できないことを踏まえての決定だそうです。
当初は物価を上げて景気をよくするのが狙いでしたが、人々のデフレマインドが改善されないため、今度は金利を動かすそうです。
具体的には
長期国債を買い入れることで、短期金利よりも長期金利のほうが利回りが高くなるようオペレーションを行います。
これを実施すると銀行の収益悪化対策になるため、「金融株の回復とその他のセクターも回復して株高へ」というシナリオが描けます。
異次元緩和という言葉がありますが、日銀は異次元と呼ばれるほど莫大な資金量があり、今度は金利を買い支えようとしているのです。
ETFの買い入れペースを増やし続ける日銀
2010年は年間4,500億円でしたが、段階的に増額され、2016年7月29日の金融政策決定会合では年間6兆円の買い入れ額へ。そのため、日銀が日経平均企業の9割で実質的な大株主になっているという衝撃的なニュースもありました。
結局は株価の買い支え政策ではありますが、今回は長期金利を買い支える戦略のようです。実際、結果はやってみないとわからないと思います。
日本は過去に前例がない社会に突入
1950年~1980年は高成長、高金利時代でした。しかしバブル崩壊後は低成長、低金利時代へと突入。そして次は「マイナス成長、マイナス金利」時代です。
数十年前なら金利操作だけで景気をコントロールできたのですが、日本は世界中を見ても過去に前例がない社会に突入しています。そのため政策も前例がないものを導入していくしかないでしょう。
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最後に、個人投資家へのアドバイス。
個人投資家は、機関投資家にはない強みがあります。
・ 大型株中心のポートフォリオを組む必要がない
・ 売買判断は自由であり制約がない
・ 顧客や上司を意識する必要がない
などです。様々なメリットがあるので、日銀や政策金利をチェックしつつも成長を続けている個別株に注目していきましょう。(執筆者:坂本 彰)