葬儀のときに、贈り主の名前が書かれたお花や果物、缶詰、乾物の入ったカゴなどが置かれているのを見たことがある、という人も多いのではないでしょうか。
これは一般的に「供物(花の場合は供花)」と呼ばれます。
ただ、葬儀についてよくわからない人は、
と疑問に思っていることでしょう。
終活カウンセラーの資格を持つ私が、それについて解説します。
供物を出すのは故人と親しかった人だけど…
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供物は、一般的には「故人と親しかった人」が出すものです。香典の代わりとなるものであり、供物を出せば基本的には供物はいらないとされています。
ただし地方によっては両方出す、というケースもあるので注意が必要です。
この供物は故人に対して贈られるものなので、喪主が出しても不自然ではありません。また、供物が極端に少ないお式などだと体裁が悪いため、喪主が発注して親族の名前で出すこともあります。
比較的若くして亡くなられた方でお子さんが高校生~未成年の場合は、喪主である故人の配偶者がお子さんの名前で供物を注文することもあります。
ちなみに人から贈られる供物は断ることもできます。断られた場合は喪主の意向を尊重するようにします。
また、以前は「花輪」を葬儀式場の前に飾る風習がありましたが、現在はこのような風習はすたれつつあります。フラワーアレンジメントのようなかたちにして出すのが一般的です。
供物の値段について
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では、供物の値段はいくらくらいが相場なのでしょうか。
これについてはピンキリです。また、葬儀会社を通して注文する場合、葬儀会社の提供するプランに従うことも多いと言えます。
ただ値段の相場は1万円~2万円くらいでしょう。供物も供花もこれくらいが一つの相場となります。
もちろん豪華にしようと思えばいくらでもすることができるのですが、多くの場合はこの価格帯におさまります。
供物は、日持ちのする缶詰や調味料、乾物、お菓子などで構成されます。果物なども入れられることがありますが、あまりにも多すぎると消費しきれなくなってしまうのでバランスをとることが必要です。
なおこの供物は葬儀の後にばらされて法事の参加者に配られたり、仏壇のお供え物に使われたり、後で弔問してくださった方のお茶請けとして使われるのが一般的です。
供花は菊や百合が中心ですが、現在はかなり明るい色の花も入れられるようになっています。
故人が特に好きだった花があり、かつ遺族の方がぜひにとおっしゃるのなら、それを使った供花を作れるかどうかを花屋さんに問い合わせるのもよいでしょう。(執筆者:鍋谷 萌子)