「日本死ね」で話題になった待機児童問題も、最近では保育士の待遇改善へステージが移っているのでしょうか。
少子化を問題視するのに保育は足りないというおかしな話は、早く解決してほしいものです。
そんな重要問題から見ると、かすんでしまうのでしょうか。いやいや専業主婦世帯は依然としてかなり存在します。
今回はつい見過ごされがちな、専業主婦が突然ダウンしたときのリスクについて述べたいと思います!
目次
専業主婦の入院が、なぜ家計にダメージを与えるのか
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専業主婦には賃金収入はありません。ならばなぜ家計にダメージを与えるのか。それは、支出が増えるからです。
食費
お弁当は外食に、朝夕食はお惣菜に頼ることが増えるでしょう。家庭によりますが、普段の支出から少なくとも1万円はプラスになるでしょう。
保育料
それまでは自宅で専業主婦が面倒を見ていた子どもも、幼稚園入園前なら保育所で保育を、入園後なら延長保育をお願いすることになります。
幼稚園の延長保育
園によって差がありますが、月数千円~2万円程度。
保育所
認可保育所なら所得に応じて月2万円~5万円程度(高所得者ならさらに上がることも)ですが、自治体によって差があります。無認可保育所ならさらに負担は増すことになります。
サラリーマンの入院だとお給料こそ絶たれるものの、お給料の3分の2程度の傷病手当金が雇用保険から支払われます。
一方で専業主婦はそもそも現金収入がないため、そういった手当は当然なく、この支出増は家計を直撃することになりますよ!
特に保育料は月数万円単位になりますから、バカにできません。貯金がないなら、専業主婦にこそ医療保険が必要なのかもしれませんね。
「緊急一時保育」が用意されている自治体もあるが
ですが、保育料がバカにならない…と愕然としている余裕はありませんよ。
むしろ、それで済めばラッキーだと言えるかもしれません。
だって、待機児童問題が世間を騒がせている昨今です。突然保育が必要になったからといって、そう安々と預かってくれるものでもないでしょう。
実際「緊急一時保育」というような名前で、保育者の緊急入院のような事態に対応する施策を採っている自治体もあります。
しかし、制度が存在することと、実際に預かってもらえることとは違う。この制度が利用できれば、保育料は共働き世帯が認可保育所に預けるのと同額で済むのですが…。
私が入院した時には、役所の方の「緊急一時保育の制度は手続きに時間がかかりますが…」との言葉に、わが夫は子どもを抱えて愕然としたと言っていました。
時間がかかる理由は、ひとつひとつの保育所に、受け入れの可否を順番に尋ねていくからだとか。
保育が無ければ夫は働くことができません。しかし実際は保育料を用意しているだけでは、備えとしては心もとないのです。
「一時保育」をつなぐという方法
結局夫が利用したのが、「緊急一時保育」ではない「一時保育」でした。
そもそもこの制度は、保育者の通院や法事、はたまた単なるリフレッシュのために1か月前など事前に予約をすることで保育を利用できるというものです。
1日契約で、保育料は地域や園によりますが1日3,000~8,000円程度です。
1日契約のため、原則毎日預かっていただく「緊急一時保育」と比べて、保育所側の受け入れハードルが低いのでしょう。
突然のお願いでも「〇曜と〇曜だけなら預かれますよ」というようなお返事がいただけることもあり得るのです。
夫は、この「一時保育」を複数の保育所にお願いし、それでも預け先が見つからないときには、お仕事を休んだりおじいちゃんおばあちゃんに休んでもらったり(定年延長でまだ働いている!)して乗り切ったとのことでした。
よくがんばってくれました…。
結局は、人とのつながり
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何事においても複数の選択肢を確保しておくというのが重要です。
この問題をそう考えてみると、忘れてはならないのは大切なわが子の成長にかかわることだということでしょう。
背に腹は代えられない事態でも、子どもの気もちを後回しにするわけにはいきません。
預かってくれる保育所がそこしかなくても、子どもが本気で「行きたくない!」と言うところを利用するわけにはいきません。
となると、専業主婦の入院のような無視できない緊急事態のために、事前にできることが見えてきます。
それは、たくさんの保育所の園庭開放に積極的に足を運ぶこと。事前にわが子に、多くの保育所の施設や先生に慣らしておくことは相当なリスクヘッジになります。
また結局は人とのつながりですから、突然保育を依頼される保育所にしたって、知らない子(と保護者)よりは面識のある子の方が受け入れやすいと思うのです…。(執筆者:徳田 仁美)