先日近所にある本屋さんへ行ったら、「不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち」(著:五百田達成)という本が、山積みにされておりました。
個性的な表紙に興味を持ったので、購入して読んでみると、この本は世の中の人を出生順によって、次のような4つのタイプに分け、それぞれの性格などの違いについて解説しております。
・ 末子(きょうだいのいちばん下)
・ 中間子(3人以上のきょうだいの長子と末子以外)
・ 一人っ子(きょうだいがいない)
出生順によって性格が変わってくることは、人との付き合いなどを通じて、なんとなく理解しておりましたが、それがわかりやすく整理されており、とても参考になる一冊だと思いました。
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目次
4つのタイプによって性格だけでなく、金銭感覚も違ってくる
この本を紹介するための記事を書いてみたくなったのは、次のような4つのタイプ別の「金銭感覚」を、解説している部分があったからです。
長子
人のためにお金を使いたい
末子
人のお金を使いたい
中間子
お金にシビア
一人っ子
お金に無頓着
これだけ金銭感覚が違ってくると、例えば資産運用についても、そのタイプに合ったものがあるのではないかと思い、次のようなアイデアを考えてみました。
面倒見が良い長子に合っているのは「クラウドファンディング」
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長子は上記のように「人のためにお金を使いたい」と考えているため、例えば食事などに行くと、特に男性の長子は、気前良くおごってしまう傾向があるようです。
このような長子に合っている資産運用としては、「クラウドファンディング」があると思います。
クラウドファンディングとは
不特定多数の人が、インターネットを経由して、特定の目的を持った事業法人や個人に対し、資金提供をする仕組みを示しております。
このクラウドファンディングのうち、資金提供の見返りに配当などを受け取る「投資型」は、日本ではあまり普及しておりません。
しかし資金提供の見返りを受け取らない「寄付型」や、資金提供の見返りにサービスや商品などを受け取る「購入型」は、かなり普及してきました。
理由
長子は、親からの期待などにより、子供の頃から弟妹の面倒をよく見ており、その面倒見の良さが大人になってからも、継続しています。
特定の目的を持った事業法人や個人に対し、資金提供をするという行為は、人のためにお金を使うことであり、何かしらの金融商品を購入するよりも、満足感を得られるのでないかと思います。
決断が苦手な末子に合っているのは「ロボットアドバイザー」
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4つのタイプによって、「決断」に対する考え方も違ってくるようで、それについて「不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち」には、次のように解説されております。
・ 末子は、人に決断してもらう
・ 中間子は、決断を先延ばしにする
・ 一人っ子は、よく考えずに決断する
これを見るとわかるように末子は、人に決断してもらった方が良いと考える傾向があるようです。
このような末子に合っている資産運用としては、「ロボットアドバイザー」があると思います。
「ロボットアドバイザー」とは
ロボットアドバイザーが出す簡単な質問に回答すると、運用の目的やリスク許容度などから、最適な金融商品や資産配分などを提案してくれるので、これらを自分で決める必要はありません。
また自動的に金融商品の買付や売買などを行う、「投資一任型」のロボットアドバイザーであれば、これらのタイミングも自分で決める必要はないのです。
理由
末子は家庭内での重要な決断は、親や長子などが行い、末子はその決断に従う場合が多かったので、自分で決めることに慣れていないからです。
もちろんどのロボットアドバイザーを使うかは、自分で決める必要がありますが、それさえ決めれば後は任せられるので、投資の初心者でも取り組みやすいと思います。
お金にシビアな中間子に合っているのは「株式投資」
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それぞれのタイプに該当する「著名人」について、「不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち」には、次のような例が紹介されております。
・ 末子は、イチロー・本田圭佑
・ 中間子は、孫正義・柳井正
・ 一人っ子は、村上春樹・坂本龍一
これを見ると中間子には、ソフトバンクの社長である孫正義さんや、ユニクロの社長である柳井正さんという、有名な2人の経営者が登場しております。
中間子に合っている資産運用としては、「株式投資」があると思います。
理由
お金にシビアな中間子は、チャートなどの分析を真剣に行ったうえで、どの銘柄にするかを決めるので、他のタイプより儲けられる可能性があるからです。
お金に関してシビアで、また堅実な感覚を持っており、それが経営者として成功する要因の、ひとつになっているのかもしれません。
お金に無頓着な一人っ子に合っているのは「iDeCo」
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一人っ子は「お金に無頓着」な面があり、また「あれば使うし、なければ使わない」という、お金に対しておおらかで、こだわりのない面もあるのです。
このような一人っ子に合っている資産運用としては、「iDeCo(個人型の確定拠出年金)」があると思います。
理由
iDeCoの掛金は原則として、預貯金の口座などから毎月、自動的に引き落としされます。
また引き落としされた掛金とその運用益は、一定の障害状態になったり、死亡したりしないかぎり、原則として60歳になるまで引き出せません。
あれば使ってしまう一人っ子はiDeCoを活用すると、お金が貯まりやすいと思ったからです。
性格に合った資産運用は続けやすく、出生順が性格に影響を与える
資産運用を通じて目標とする金額を貯めるには、ある程度の期間が必要になります。
また自分の性格に合った資産運用の方が続けやすく、その性格の形成には出生順が影響を与えているのです。
ですからここまでに記載した、4つのタイプに合った資産運用のアイデアは参考にならなかったとしても、出生順から資産運用を考えるという視点だけは、参考になるのではないかと思います。(執筆者:木村 公司)