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傷病手当金
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健康保険には、病気やケガをした時の生活保障のために傷病手当金という制度があります。
メンタル等の不調により会社を休職し「傷病手当金」を受給している方が多数いらっしゃいます。
今回は、休職中に傷病手当金を受給し、職場に復職した後、再度休職した場合に傷病手当金が受給できるのか解説します。
1. 「傷病手当金」の支給金額と支給期間とは
傷病手当金が支給される期間は、待期(有給休暇や公休日でも構いません。)が完成し傷病手当金が支給開始日(待期日は含みません。)から最長で1年6か月(18か月)です。
支給開始日から暦日で支給開始後1年6か月を超えた場合は、傷病手当金は支給されなくなります。
また、傷病手当金の支給額は、仕事ができない日1日につき「標準報酬日額(※)」の3分の2に相当する額が支給されます。
「標準報酬日額」は、「標準報酬月額」の30分の1に相当する額となっています。
2. 「同じ傷病」で再休職した場合
前述の1年6か月ですが、実際に1年6か月分が支給されるということではなく支給開始日から暦日で支給開始後1年6か月を超えた場合は、傷病手当金は支給されません。
支給開始から1年6か月以内であれば、再度休職しても傷病手当金は支給されます。しかし、支給開始から1年6か月を超えた場合は支給されません。
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3. 「別の傷病」により休職した場合
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「同じ傷病」については、支給開始日から暦日で支給開始後1年6か月以内であれば傷病手当金を受給できます。これは「同じ傷病」の場合であって、「別の傷病」の場合はどうなるのでしょうか。
この場合は、「別の傷病」は「別の傷病」で新たに傷病手当金が支給されます。
しかしながら、2つ以上の複数の傷病により同時期に複数の傷病手当金が発生しても、重複して傷病手当金を受給できませんので注意が必要です。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)