米国自動車業界の雄、フォード・モーター。日本でも、エクスプローラー等の主力車種に乗っている方は多く見られます。徐々に業績も落ち着きつつあり、株価修正の可能性。
シェアリングやコネクテッドカーへの進出にも積極的で、今後は中長期で株価が上昇する可能性が高いと想定します。
目次
2014年以降フォード株は40%以上の下落。

上昇トレンドの一途をたどる米国の主要インデックスとは裏腹に、フォードモーターの株はここ数年下落を続けています。
販売不振や利益減少を背景に、今年の5月にはCEOが解任される始末。製造ライン一新にかかる設備投資も尾を引いて、なかなか株価上昇の兆しを見せられずにいました。
しかし、その状況もここにきて少しずつ変わりつつあるのです。
直近の業績を確認。決算では売上減少に歯止め。
ここからは7月26日に発表された、第二四半期の決算を振り返ってみましょう。
売上高は398億5300万ドルと前年同期比0.9%の微増。また、第二四半期の純利益は、20億4200万ドルと前年同期比3.7%の増益になりました。
直近発表された決算の動向からも見て取れるように、売り上げ減少に歯止めがかかり、収益も改善されているのです。
引き続き同社が強みを持つ、ピックアップトラックの販売が好調で、業績を牽引。製造ラインの一新でかさんだコストもペイして、販売が収益に直結する状況になってきています。
また、大幅な人員削減の効果も、今後収益環境の改善を後押しする好材料になるでしょう。よって、株価も中長期的な上昇フェーズに突入すると想定されるのです。
2020年までに全世界で販売する新車の9割をコネクテッドカーに。

フォード・モーターは10月3日に行われた経営戦略説明会で、2020年までに全世界で販売する新車の9割をコネクテッドカーにするとの計画を発表しました。
ここもと、シェアリングや自動運転等の新技術への投資も積極的で、今後の成長につながる前向きな投資が増えているとの印象を受けます。
フォードは全世界で4兆円を超える売上を誇る自動車業界の巨人。フォードが自動車産業のパラダイムシフトを牽引する可能性があるのです。
また、国際優良銘柄でありながら利回りは約5%。これほどの優良銘柄がいつまでも、こここまでの割安水準で放置され続けるでしょうか。
個人的には、そろそろ株価の修正が入ると想定します。フォード株にもチャンスがあるのではないでしょうか。(執筆者:徳田 陽太)