夫には生命保険などの死亡保障保険をかけているけれど、妻には保険をかけていないというご家庭は多いようです。
しかし小さな子どもがいるご家庭の場合、妻が亡くなると、
・ 残業や出張ができなくなり収入が減る
といった可能性が高く、その後の生活に大きな支障が出る場合があります。
また共働き家庭の場合は、妻の収入によって補填されていた生活費が無くなってしまうため、より影響が大きいと考えられます。
万が一の場合にも安心して暮らせるよう、しっかり準備をしておきましょう。

目次
妻にはどの程度の保障が必要?
死亡保障について考える場合は、パートナーのどちらかが亡くなってしまった場合、その後どういう生活になるのかを、具体的にイメージしてみることが大切です。
例えばわが家の場合は、夫が会社員として働き、私はパートタイマーで働いています。
双方の実家は遠方のため、何かあったときに継続的に親の援助を期待するのは難しそうです。
上の子は小学1年生、下の子は2歳なので、まだ大人の見守りが必要な年齢です。
夫は残業や出張も多く、保育園や学童保育が終わったあと、シッターさんを雇う必要があるでしょう。
仮に平日毎日18時から22時まで4時間、時給2,000円でシッターさんを雇ったとすると、月に16万円ほどかかります。
調理をお願いしたり出張時に預けたりすることを考えると、20万円程度は見込んでおいた方が良いかもしれません。
つまり、妻である私が亡くなっても月に20万円程度のお金があれば、夫も子どもも、今の仕事や学校を変えずに、生活を続けることができそうです。
妻が亡くなった場合の公的保障は?
2014年4月から、専業主婦である妻が亡くなった場合も、遺族基礎年金が支給されることになりました。
現在の制度を基準に考えると、2人子どもがいるわが家の場合は、上の子が18歳になるまで月額10万円ほどの支給が見込めます。
とすると、私的保障で補うのは月額10万円程度で良さそうです。
近くに頼れる親族がいる、夫が働き方を柔軟に変えられるといった事情があれば、保障額はもっと少なくて済むでしょう。
また、妻が会社員で厚生年金に加入している場合は、遺族基礎年金に加えて、遺族厚生年金が受け取れる場合があります。
妻に何かあったときどういう生活になるのか、具体的に想像をしてみて、無駄のない保障額を検討する必要があります。
どんな保険が良い?
死亡保障保険には多くの種類があるので、想定した生活に適したものを選びましょう。
子どもがまだ小さく、まとまった金額の保障が必要な場合は、掛け捨ての保険を選ぶのが現実的です。
掛け捨て型の死亡保障保険には、主に定期保険と収入保障の2種類があります。
定期保険
いわゆる掛け捨ての生命保険です。保険金額は満期まで一定です。
終身保険と比べると、保険料が抑えられるというメリットがある一方、貯蓄機能はなく、満期後はその時の年齢に応じて保険料が再設定される点に注意が必要です。
・ 受け取れる保険金額は固定が良い
・ 一定期間だけ保障をつけたい
・ 保険金は死亡後一度に受け取りたい(※)
という方に向くタイプの保険です。
収入保障保険
加入者が死亡後、毎月、あるいは毎年決まった金額を受け取れるという保険です。
受け取り期間は「契約期間の残存期間」となるため、契約してすぐに亡くなった場合の保険金の総額が一番大きく、年を経るごとに保障額が減っていきます。
そのため、子どもが小さいうちは高額な保障が欲しいけれど、大きくなるにつれ保障額は少なくなってもかまわない、という方に向いています。
・ 費用をなるべく安く抑えたい
・ 子どもが小さいうちは高額な保障を備えたい
・ 保険金は死亡後分割して生活費のように受け取りたい(※)
といった方におすすめです。
※商品によっては、定期保険でも分割で受け取れたり、収入保障保険でも一括で受け取れたりするものがあります。

会社員・パート主婦・7歳と2歳の子がいるわが家の選択
前述した通り、わが家は頼れる親族も近くにおらず、夫も働き方を変えるのが難しいため、子どもたちが小さいうちは高額な保障が必要です。
そのため、わが家では収入保障保険に入ることにしました。
筆者は今35歳ですが、収入保障保険であれば、月々1,500円程度の掛金で毎月10万円受け取れるプランに申し込めます。
子どもが小さいうちは収入保障保険を利用し、シッター代が不要になるころには、解約や減額などを検討するつもりです。
小さな子どもがいる家では妻にも死亡保障保険を!
夫に万が一のことがあったときのことを心配する方は多いのですが、案外見落としがちなのが、子どもが小さいときに妻が亡くなってしまったときのリスクです。
「夫が働いているから大丈夫」と思い込むのではなく、万が一の事態をシミュレーションしておいて、必要な保障額をしっかり見極めたいですね。(執筆者:青海 光)