秋といえば、運動の秋、食欲の秋、芸術の秋…とさまざま思い浮かびますが、「読書の秋」というのもポピュラーですよね。
仕事、家事、育児、介護…と何かと気ぜわしい日々を送り、読書する時間を持てるのはむしろぜいたく…という方も自分を含め少なくないかもしれませんが、秋の夜長、たまにはゆっくり本と向き合えるといいな、と思います。
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今回は読書の秋に関係した、本にまつわる株主優待をご紹介します。
下記の株価他データは、10/27(金)終値時点でのYahoo!ファイナンスより引用しております。
目次
1. 貴重な図書カード優待・興銀リース
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「興銀リース(8425)」は、みずほ銀行系の総合リース会社です。設備や不動産などの各種リース、割賦販売、貸付などを手掛けています。
こちらの企業では株主優待を実施しており、100株以上保有の株主に対し、保有期間に応じて図書カードを進呈しています。
優待品としては最近少なくなりつつある図書カードが頂けるので貴重ですね。
さて、世間で2016年より図書カードに代わって導入されたのが「図書カードNEXT」といわれるもので、こちらの優待品も2017年の優待品より「図書カードNEXT」に仕様が変更となっております。
図書カードNEXTは、これまでの図書カードと同じように店頭で利用できます。
従前の図書カードとの違いは大きく2点あり、磁気カードからQRコード読み取り式に変更されたこと、および使用期限が設定されたことです。
現在発行されている図書カードNEXTの期限は2030年12月31日と10年以上先になっておりますが、ためこみがちの方は留意しておいたほうがいいかもしれません。
また、図書カードNEXTのメリットは、各々のカードにID番号とPIN番号が割り振られており、ネット上で残高と使用履歴が確認できることです(ただし再利用できるカードではなく、使い捨てです)。
従前の図書カードではパンチ穴の位置からおおよその残高を確認するだけでしたので、詳細がつかめるようになったことは便利な面もありますが、だいたいの残高が分かればよい、という方からすれば、ネットでわざわざ残高を確認するのがわずらわしいかもしれませんね。
・ 最低購入金額 29万4,500円(100株)
・ PER 9.66 PBR 0.91
・ 権利確定月 3月末
・ 配当 66.00円/年
・ 配当利回り 2.24%
株主優待
オリジナル図書カードを贈呈
【100株以上】
保有期間1年未満 3千円相当
1年以上 4千円相当
2. 大型書店で本巡り・丸善CHI
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「丸善CHIホールディングス(3159)」は、書店の丸善ジュンク堂、学術書の丸善雄松堂、図書館支援のTRCが3本柱の企業です。
丸善、ジュンク堂書店と「honto」との連携によるハイブリッド型総合書店の拡充を図っています。
こちらの企業では株主優待を実施しており、保有株数に応じて、全国の丸善およびジュンク堂書店で利用できる商品券を頂くことができます。
丸善やジュンク堂書店といえば日本有数の大型書店であり、専門書の蔵書も豊富です。
さまざまな本がずらっと並んだ大きなフロアで本巡りをしていると、時間があっという間にたってしまいますね。
・ 最低購入金額 3万4,800円(100株)
・ PER 35.80 PBR 0.91
・ 権利確定月 7月末
・ 配当 0.00円/年
・ 配当利回り 0.00%
株主優待
商品券(全国の丸善・ジュンク堂書店の店舗で利用可)
100株以上 1千円
500株以上 2千円
2,000株以上 3千円
3,000株以上 4千円
4,000株以上 5千円
5,000株以上 6千円
3. 遊べる本屋・ヴィレッジヴァンガード
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「ヴィレッジヴァンガード(2769)」は、書籍、CD、雑貨、食品などの複合小売店を展開する企業です。
ショッピングモールに多く出店しているので、ご存じの方も多いと思います。
オモシロ雑貨を扱うお店の印象が強いですが、「遊べる本屋」というコンセプトどおり、れっきとした本屋でもあります。
店頭に置いてある主だった書籍のジャンルはサブカルものやコミックなどですが、店頭にない本でも注文することが可能で、もちろん図書カードも利用できます。
「ヴィレッジヴァンガード」では株主優待を実施しており、100株以上保有の株主に対し、保有期間に応じて店頭で利用できる割引券を贈呈しています。
以前は割引券でなく金券だったため人気の優待株でしたが、2016年に割引券に変更したことにより株価は下落、現在も横ばい傾向です。今後浮上のきっかけをつかむことはあるのでしょうか。
・ 最低購入金額 11万4,800円(100株)
・ PER ー PBR 1.23
・ 権利確定月 11月末
・ 配当 14.00円/年
・ 配当利回り 1.22%
株主優待
お買い物券(千円券)
お買い上げ2千円(税込)ごとに1枚利用可能
【100株以上】
1年未満 1万円
1年以上 1万1千円
2年以上 1万2千円
4. 電子書店・イーブックイニシアティブジャパン
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「イーブックイニシアティブジャパン(3658)」は、国内有数の電子書籍総合書店「eBook Japan」を運営している企業です。
マンガ作品のラインナップが充実しています。
「eBook Japan」のサイトで扱われるコミックの価格は1巻400円(税抜)程度が多く、実際の店頭で販売されている商品より多少割安に設定されているようです。
マンガ作品のが充実しているということで、試しに私が昔読んでいた80年代の少女まんがを検索してみたところ、高い割合で在庫がヒットしました。
中には、私が知らなかった続編まで検索されたので、早く読みたい衝動にかられましたが(笑)。目的の商品をいち早く探し出せるのは、ネット書店の強みですね。
「イーブックイニシアティブジャパン」では株主優待を実施しており、保有株数と期間に応じて、「eBook Japan」で利用できるeBook図書券を頂くことができます。
100株保有の場合、保有期間1年未満で頂けるのは1,080円分ですが、3年以上保有すると3,240円と優待額が3倍になるので、お得ですね。
・ 最低購入金額 11万1,100円(100株)
・ PER 49.14 PBR 2.05
・ 権利確定月 3月末
・ 配当 0.00円/年
・ 配当利回り 0.00%
株主優待
「eBook Japan」内で販売している電子書籍を購入できるeBook図書券
【100株以上】
1年未満 : 1千80円分
1年以上 : 2千160円分
3年以上 : 3千240円分
【500株以上】
1年未満 : 2千160円分
1年以上 : 3千240円分
3年以上 : 4千320円分
【2,000株以上】
1年未満 : 3千240円分
1年以上 : 4千320円分
3年以上 : 5千400円分
最後に
上記にご紹介した企業以外にも、実際の書籍を優待品として進呈している企業に「カドカワ(9468)」があります。
こちらは出版大手KADOKAWAと動画投稿サイト運営のドワンゴが経営統合して誕生した企業であり、1年以上株式を保有した株主に対し、自社で扱う商品を贈呈しています。
その選択ジャンルの一つに、文庫・新書・コミックや単行本などの書籍があり、数十冊のラインナップのなかから2冊ないしは3冊を選べるそうなのですが、あまり詳細が公になっておらず、一部の方のブログより状況を知るのみです。
企業のIRページを確認しても、株主優待についての記載はなく、一体どんなラインナップから選べるのだろう(もしくは過去の実績)というのがわかりかねて、株主優待に対する企業の姿勢(力の入らなさ)が印象に残ってしまいました。
以上本にまつわる株主優待でした。株価その他の情報は変更される可能性があります。ご確認のうえ、投資は自己責任でお願いします。(執筆者:吉井 裕子)