プロパンガス利用者からの相談によると、
ことが明らかになってきました。
少なくとも関東・東海地方の大手20社ほどが10月から来年の1月の検針分より、1立方メートルあたり20円~80円値上げする見込みです。
この動きは、すぐに全国に波及すると思われます。
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目次
値上げは「適切なタイミング」なのか検証
従来、プロパンガスの値上げに関する情報は、値上げ直前にならないと入ってきませんでした。
しかし6月1日にプロパンガスの法律である「液石法」が改正され、
となったため、以前と比較すると大幅に前倒しで通知が届くようになりました。
さて、プロパンガスの値上げそのものですが、本当に今が値上げの適切なタイミングなのか検証してみたいと思います。
原油下落時には下げずに、上昇傾向になると即値上げ
グラフ1
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注1.プロパンガスの平均販売価格は10立方メートルあたりの全国平均価格(石油情報センター/2017年8月調べ)
注2. CP(プロパンガスの原料価格)は1トンあたりの現地船積み価格
このグラフが雄弁に事実を語っています。
プロパンガスの業界は非常に不可解です。
販売価格は、(1) のタイミングで、原料価格が急騰したのを受けて平均価格が上昇しています。
ようやく販売価格が下がり始めるのは(2) の時点です。これは原価の急落が始まってから実に1年も後です。
また(3) で再び原価が上昇を始めると、販売価格は間髪を入れずに反応し再上昇しています。
何とも都合の良い話です。
このグラフからわかること
・ 値上げは迅速に行う。
・ 値下げは行わないか、長時間経ってから僅かに行う。
・ 値下げを遅らせるほどガス会社の儲けが大きくなる。
なぜこんなにギャップが出るのか?
グラフ2
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グラフ2は、グラフ1の要素から2014年と2016年の原料価格の平均と、販売価格の平均を単純に比較したものです。
プロパンガスの輸入価格が2年間で59%も下がったのに対し、販売価格は5.1%しか下がっていません。
どうしてこのようなギャップが生まれるのでしょうか?
当協会では次のように推測しています。
理由1
「一度値上げした販売価格を下げると売上高が下がってしまい、決算書上見栄えが悪くなるのでできれば下げずに済ませたい」という経営者心理が値下げの妨げとなっている。
理由2
プロパンガスの輸入価格は、サウジアラビアなど「産ガス国」の都合で上下します。
将来の見通しが立たたず、少し原価が下がったからといって販売価格を下げてしまうと、再度原価が値上がりした時にまた販売価格を値上げすることになり面倒である。
理由3
一度値下げをすると、次に値上げせざるを得なくなった際にお客様が値上げを嫌って、他社へ乗り換えてしまうのではないかというリスクがあるので、値下げしないでおいたほうがリスクが少ない。
理由はいくつか考えられますが、すべては消費者のためではなく販売店側の都合によるものです。
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勝手な値上げから家計を守る
このような値上げに対して、私たち消費者側も対策を講じておく必要があると思います。
プロパンガス会社都合の勝手な値上げから家計を守る方法は、実は以外と簡単です。プロパンガス会社は、昔と違って今は比較的自由に変更することが可能です。
プロパンガス会社変更 手順1
検索サイトで
「プロパンガス 適正料金 〇〇市(自宅の所在地)」
などと入れて検索し、適正価格がわかるサイトを調べる。
プロパンガス会社変更 手順2
検索すると、料金自動診断サイトや、プロパンガス会社を変更する際に無料でサポートしてくれるサイトなどがヒットするので、それらを活用して、自宅のプロパンガス代が高いのか適正なのか判断します。
プロパンガス会社変更 手順3
もし現状が高いようであれば、現在のプロパンガス会社の変更・切替を検討すべきです。
電気の場合は支払っている金額の5%程度しか安くなりませんが、プロパンガスは平均で30%ほど安くなるのが一般的です。
プロパンガス会社変更の注意点
ネット上の情報サイトやプロパンガス会社は玉石混交です。
変更当初は安くても、時間とともに徐々に値上がりすることは本文の通りです。
「保証制度」の有無などが重要なポイントになりますので、ご注意の上自己責任でお願いいたします。(執筆者:鈴木 秀男)