と人は思うでしょうが、そんなにデキた人ばかりではありません。
私は元銀行員である程度お金に通じているにもかかわらず浪費体質で、長年家計のやりくりに苦労してきました。
けれども子どもの大学進学で貯蓄額が大幅ダウンしたのをきっかけに「家計の見える化」を実行。
おかげで毎月の赤字を黒字に転換、住宅ローンも繰り上げ完済できました。
そんな元銀行員主婦の失敗談から学んだことをお話しします。
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目次
家計を「収入」、「支出」、「貯蓄」の3つに仕訳する
我が家の赤字家計がなかなか改善されない理由は、家計を預かる私が毎月の収入と支出の内容をしっかりと把握していないことにありました。
大きな出費はせず地道に生活しているつもりでも毎月の収支は赤字となり、結婚以来ずっと手を付けずにとっておいた自分の貯蓄を切り崩す羽目になりました。
今思えば「たまには自分へのご褒美で」といった小さな浪費が蓄積した結果でしたが、当時はそのことに気づきませんでした。
そこで赤字の原因を知るために、家計の収支と現在の貯蓄金額を目に全て見える形にする必要があると思いました。
そこで、夫婦の貯蓄はもちろん、家計の収支もできる限り紙に書きだした上で、次の3つの項目に仕訳してみました。
● 支出
● 貯蓄(銀行預金の合計)
なお、支出については「現金払い」と「銀行引き落とし」の2種類に分け、光熱費など毎月必ず出るお金を把握しやすくしました。
年間支出額と月間支出額を出してみる
次は、通帳を見ながら計算を行い、およその年間支出金額を出してみました。
2. 現在の貯蓄の合計額を出す
3. 1から2を引く
この計算で出た金額が、およその年間支出額となります。今度はそれを12で割ってみました。
すると毎月平均いくら使っているかがだいたいわかり、思わぬ支出の多さに驚きました。
支出が多い原因を探り、むだづかいをあぶりだす
今度は支出が多い原因を探るため、夫婦が相互で「これはむだづかいなのでは?」と思う部分について指摘し合うことにしました。
話し合いの当初は当然けんかになりました。
けれどもその一方で他者の目を通して客観的に自分がむだづかいしがちな部分が見えてきたことも確かです。
そして素直に指摘された部分を改善すれば、家計が黒字に転じることもわかりました。
ここで夫婦の意見が物別れに終わらず、お互いに改善すべき点を自覚できたことが、黒字転換への大きな転機となりました。
どこでむだづかいしているかを明確にすると、
という当たり前のことがわかり、家計の引き締めや貯蓄への意識も高まります。
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現在の貯蓄が年間収入の2割以上あるかチェック
いよいよここから「黒字家計」への挑戦です。
ここで改めて「貯蓄」をチェックしました。一般的に言われている年間収入の2割程度貯蓄があるかどうかの確認です。
まずは年間収入の2割がいくらか算出し、現在の貯蓄(銀行残高の合計)と比較します。我が家は幸いセーフでした。
銀行員時代の習慣で長年継続的に先取り貯蓄を行っていたからです。正直言ってこれに救われた部分は大きいです。
「ちりもつもれば山となる」のことわざ通り、先取り貯蓄は、たとえ少額でも知らず知らずのうちに貯蓄額は増えます。
理想としては毎月の収入の2割以上を先取り貯蓄で確保し、残ったお金を家計費とすることがおすすめですが、お金が湯水のごとく出ていく時期はそうもいきません。
その場合は1,000円でもいいので毎月先取り貯蓄でお金を積み立てていきましょう。そうすれば、確実にお金はたまっていきます。
家計の見える化と収支の仕訳で赤字家計を改善しよう
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最後に、失敗から学んだ毎月の家計のやりくりのコツについてお話しします。
家計費のうち銀行引き落としされるものについてはその合計金額を出し、現金として使える金額もはっきりさせておきましょう。
そうすれば、今月使える金額が分かり、精神的に楽です。
それでも心配な場合は冒頭でお話しした「銀行支払い」と「現金支払い」を別口座に分けて管理するとよいかもしれません。
以上のように、家計を3つに仕訳して見える化しすると、家計の見直しがしやすくなり、予想以上に早く赤字が改善されていきます。
赤字家計に悩む人はぜひお試しください。(執筆者:大岩 楓)