ってよく聞きませんか?
「消費電力のことを考えたら、それくらいで買い替えたほうがお得だよ」と。
けど実際のところはどうなんでしょうか?

気になったので同じサイズのテレビの電気消費量の変遷を調べてみました。
すると、意外にも10年前のテレビのほうが電気代が安い場合もあることも!
テレビの買い替えを迷っている人はこの記事を参考に、検討してみてくださいね。
目次
(1) 自宅のテレビの電気使用量の調べ方
まずは、自宅のテレビがどれくらい電気を消費しているか調べてみましょう。
型式がわからなくても、テレビの裏に書いてありますのでチェックしてみてください。
我が家のテレビで、書いてある場所を説明しますね。
テレビの裏側の

ここに書いてあります。
消費電力というのがテレビを見ている時に消費する電力量です。
「100W」と書いてあれば1時間に100W電気を使う、ということです。
実際には、全ての機能を最大限に使った場合の消費量なので、普通の使い方ではこの表示ほどは消費しませんが、比較のためにこの数字を使わせていただきます。
電気代の計算方法は「○○W × 1Wあたりの電気の単価 × 使用時間」で計算できます。
例えば、東京電力の従量電灯Bの場合1KW = 1,000Wが26円なので、「○○W×0.026 × 〇〇時間」で電気料金がわかるのです。
例えば、消費量が100Wのテレビを1日に8時間見た場合は「100 × 0.026 × 8 = 20.8円」になります。
1年分の電気料金を知りたければ、「1日分の電気料金 × 365」でおおまかなテレビの電気代がわかりますよね。
けど、これがわかったところで「で、これは高いの? 安いの?」と判断がつかないと思います。
そこで、Panasonicや日立のテレビを過去10年以上さかのぼり消費電力を調査してみました。
(2) 年代、パネルの種類、大きさ別、テレビの消費電力量の推移
まずはこの表をご覧ください。

※私が、各メーカーの公式サイトから過去のテレビの消費電力量を抜粋したものなので、メーカーやシリーズによってばらつきがあります。
大型プラズマテレビの破壊力がすごいです。
2001年販売の50型プラズマテレビの場合
2001年販売の50型プラズマテレビの場合、1時間当たりの電気使用量は582W、1日に10時間見る家庭の場合は1か月でテレビの電気代だけで約4,500円になります。
それに対して、液晶テレビは、当初から消費電力が少なかったうえに年々消費電力が減少しているのが分かります。
2014年の液晶50型テレビの消費電力は97Wと、2001年のものと比べると1/5以下です。
「やっぱり、技術が進化して電気料金も安くなるのね」と納得できます。
先ほどの表だけでは年間の電気料金がわかりづらいと思いますので、テレビの視聴時間ごとに年間の電気代をまとめてみました。
1日8時間テレビを見る場合の1年分の電気料金

1日4時間テレビを見る場合の1年分の電気料金

50型のプラズマテレビの場合、数年前に購入したものでも、すぐに買い替えたくなるほどの、電気料金ですね。
それでは、新しいテレビにした場合と古いテレビの電気代の差をはっきりさせるため、現在発売されている各メーカーのテレビの消費電力や電気代を抜粋しました。
32型テレビ

43型テレビ

49型、50型テレビ

55型以上

最近発売されたテレビの一部を抜粋したのですが、意外と消費電力が多くて驚きませんでしたか?
私は「新しいもの = 省エネ」と思い込んでいたので、ひととおり調べてみて意外と最近のテレビの消費電力が多いことにびっくりしました。
これまでのテレビと同じ液晶パネル & HDのテレビの消費電力量は非常に少ないです。
ところが、4Kのテレビはどれも10年前の液晶テレビよりも若干消費量が減っているくらいで、「半減」とは言えません。
年間電気代を比較

10年前に購入した37型液晶テレビから、今年発売された4Kの43型液晶テレビに買い替えた場合を比べてみましょう。
「何で大きくするの?」と思うかもしれませんが、当時の主流サイズは30前後でしたが、今は40以上が主流になっていて、実際に買い替えを検討する場合は、同サイズではなくほとんどがサイズアップすると考えられるからです。
2007年発売 37型液晶テレビ
184W … 1日8時間見た場合の1年間の電気料金約1万3,969円
2017年発売 43型4K液晶テレビの平均
132W … 1日8時間見た場合の1年間の電気料金約1万21円
サイズが大きくなっているにも関わらず、消費電力が下がっているため電気代も安くなります。
ただ、まだまだ元気なテレビを「電気料金が安くなるから」とわざわざ手放して、買い替えるほどではありませんね。
もし、今のテレビが10年前の32型液晶テレビの場合、8時間視聴した場合の年間電気料金は9,566円なので、43型に買い替えると、若干ですが電気代が高くなる可能性もあります。
有機ELに至っては、サイズが大きいこともあり消費電気量はかつてのプラズマと変わらないレベルです。
・ 2017年発売 55型有機ELテレビの平均:387W … 年間電気代2万9,381円
10年前に買った小さ目の液晶テレビから、有機ELに買い替えたらそれだけで1か月の電気代がプラス5,000円になることもあり得ます。
もちろん、ほとんどの人がテレビを選ぶポイントは「消費電力」よりも、画面の美しさや音、インターネットとの親和性、などだと思うので「もう古くて買い替えたいな」と思った時が、買い替え時です。
しかし、「古くて電気代がもったいないから買い替えよう」と思うのであれば、自宅のテレビの消費電力と、新しく買おうと思っているテレビの消費電力を比較してから検討しましょう。
10年前のテレビだからと言って、今よりも電気代が安くなるとは限りません。
非常にざっくりとまとめるとこんな感じです。
・ 今の液晶FHDテレビ → 電気代安い
・ 今の液晶4Kテレビ → 10年前の30型前後の液晶テレビと変わらない。サイズによっては電気代高くなる。
・ 有機EL大型テレビ → 電気代高い
ただし、大型プラズマテレビの消費電力はかなり大きく、ドライヤーの弱運転と同レベルなので、買いたいテレビがある方は、前向きに検討したほうが良いと思います。
1日8時間テレビを見る場合は、液晶4Kの同サイズのテレビに買い替えるだけで年間の電気料金が2万円近く安くなります。
ちなみに、我が家にも46型プラズマテレビがあります。
知人からいただいて、「大きいセレブテレビだ!」と家族全員大喜びで使っていたのですが1か月の電気料金が5,000円もアップしたので、しょんぼりしながら古い32型液晶テレビに戻しました(笑)
今は物置部屋のオブジェになっています。

我が家はもらったテレビなので、がっかりしながら設置しなおすだけですみましたが、買ってしまったら取り返しがつかないので、購入前の「消費電力チェック」は忘れずに。(執筆者:平林 亮子)