習い事を選ぶときには月謝以外の費用を考慮し、やめ時を決めてから。
費用の総額をきちんと把握することで最終的な教育費まで見通すことが大切なんです。
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目次
買い物で何となく購入しないように、習い事も何となく始めない
子どもの習い事を決める時には、小さければ小さいほど親の思惑が多々入るものです。
長所を伸ばす、短所をなくす、可能性を探る、いろいろあると思いますが、周りに習い事をしている子がいるから「なんとなく始める」のが実は一番もったいないと思います。
もちろん、どんな習い事でも良かれと思って始めることが多いでしょうが、何がいいのかをきちんと把握して始めましょう。
そうでなければ、習い事ジプシーとなって、結局お金だけがかかったなんてことにもなりかねません。
習い事には初期投資がかかる
習い事にかかる費用は月謝だけでありません。
入会金はもちろん、始める際の保険料や用具の準備代もかかってきます。
例えば、メジャーな水泳教室は、入会金に水着やキャップといった服装代に加えて、バスタオルやバッグといった用品代がかかります。
スポーツ全般がそうですが保険料もかかることが多いですし、必要に応じてバス代や施設使用料もかかるかもしれません。
スポーツ系では道具だけでなく頭の先から足の先までの衣料品をそろえる必要があることも多いです。
最近では、入会金無料という習い事もありますが、そういった習い事こそ、後で追加費用がかからないかよく確認しなければなりません。
小学校に入ったときに少年団系の習い事を始める方も多いかと思いますが、月謝はとても安いものの、ユニホームや道具代、遠征費などで高額になってしまうこともあるようです。
中学以降の部活でも同様です。
ピアノなどの習い事では、初めは、自宅にピアノなどの道具はなくてもよいと言われることも多いですが、しばらくするとやはりあった方が良いと勧められることもあります。
私が経験した中で、割高に感じたのは、小学校の体育館で行う空手(武道)で、入会金なし、月謝3,000円とお手頃に見えたものの、名前と流派入りの道着が2万に加え、防具数千円が必要で、その上毎月の昇級試験代(数千円)や毎月のように参加する大会費用がかかるということでした。
きちんと実態を把握してから始めないと、思わぬ費用がかかるものの、道具までそろえてしまったからとやめるにやめられなくなって困る場合もあります。
月謝以外にかかる費用がないかを確かめる
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先に述べたように月謝以外にかかり続ける費用がある習い事もあります。
学習教室などのお勉強系の習い事では教材費、そろばんなどであれば進級試験の費用、習字教室では墨汁などの消耗品代、水泳教室では進級時のワッペンなど、小さいながらもほそぼそと追加料金が発生する場合は意外と多いものです。
もちろん、道具やユニホームが傷んだり小さくなったりすれば買い替えが必要ですし、発表会で衣装や参加料、チケット代などがかかったりすることもあります。
高額な衣装や発表会の費用で思い浮かぶのはバレエですが、お値段も手ごろなそろばん教室や水泳、武道などでも、進級試験を受けるたびに費用がかかるということもあります。
また、スポーツ系に多いですが、遠征費や大会費用などもあります。
例えば、月謝の安い子ども向けのフラダンス教室といったカルチャー系の習い事では、大きな会場での発表の参加費や衣装代、またその発表のための練習用CDの代金など毎月のようにほそぼそとお金がかかり、結局月にかかる費用は月謝の倍というようなこともありました。
加えて盲点になりやすいのが交通費です。
歩いて通える近場であればよいですが、バスや電車などの公共交通の料金、自家用車で送迎する場合はガソリン代や駐車場代などがかかる場合もあります。
これらのコストを踏まえて、習い事の費用は比較したいものです。
何年通うか決めて、年間平均を出し、月額の費用を計算してみる
子どもの習い事において、一生習い続けるというようなことはないと思いますし、ある程度習ったら辞めることを考えると思います。
そのため、あらかじめゴールを決めてから習い事を始めるのがコストの上でもおすすめです。
何歳まで、何年間といった決め方はもちろん、バタフライができるようになるまで、書道や水泳などは何級になるまで、1回の発表が終わるまで、といった決め方があるでしょう。
見通しが立たない場合は、ほかの習い事に興味を示すまで、といったかたちでも構いません。
どういう状態になったらやめるということを決め、その状態になる期間を漠然とでも見積もり、その習い事にかかる総額を計算したうえで、年平均を出し、そこから月額の費用を出してみましょう。
そうすることで、その習い事の費用対効果を客観的に見ることができます。
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費用の総額をきちんと把握し、最終的な教育費まで見通すことが大切
この金額を投資するくらいなら、違う習い事をさせたいということもあるかもしれませんし、高いと思っていた習い事が安いことも、その逆もあるかもしれません。
また、この総額を出してみることで、複数の習い事をするときの家計への影響がわかるのはもちろん、将来的な教育費の把握にもつながります。
ひいては余裕をもって教育にどの程度までお金をかけていけるかを見通すこともできます。
小さなころから子どもの才能を開花させるのも大事ですが、生活やその後の教育費がうまく捻出できなくなるのは考えものです。
上手に費用対効果の高い習い事をしていくためにも、あらかじめきちんとかかる費用を把握し、大まかにでもゴールを決めて総額まで把握することも大切ですよ。(執筆者:小柳 結生)