異常干支とはなにか…
干支(えと)」というのは、「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせた60種類の事です。
「十干」は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十種類を言い、四季や方位を表すのに使われてきました。「十二支」は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二種類で、時刻や月、季節、方角を表すのに使われてきました。
それぞれを年、月、日、時にあてはめ、占いに使ったりしています。
異常干支は上記の60種類中13種類(甲戌・乙亥・戊戌・庚子・辛亥・丁巳・辛巳・壬午・丙戌・丁亥・戊子・癸巳・己亥)あり、それに当てはまると、精神面や性格に偏りがあったり、生き方に特異性が現れたりすると言われています。
目次
2018年は「戊戌(つちのえいぬ)」

戊(つちのえ)は「土」の性質、戌(いぬ)も土の性質で、同じ性質の組み合わせになることを「比和」と言います。
比和は「勢いが増す」と言われています。今回は土の性質が組み合わさって、土の勢いを増していると言えますよね。
土の性質とは、「万物を育成し保護する性質」とあります。さらに、「四季の移り変わりの象徴」になります。
「土」はそれぞれの季節の変わり目を表すことになっています。つまり、2018年は、今までの流れが変わる変化の年になりやすいということです。
だから、ここまで上昇相場を作ってきた株やビットコインは大きく反転するのではないかということもありえるかもしれません。あくまでも干支からの話ですけどね。
60年前の「戊戌(つちのえいぬ)」を振り返る
さて「変化」のヒントを得るために、60年前の「戊戌(つちのえいぬ)」の年を見てみましょう。
1958年、この年に今回取り壊した国立競技場ができました。今の天皇が婚約したのもこの年です。いまはお孫さんの眞子様がちょうど婚約の時期であり、天皇の生前退位の話もあります。何かの因縁でしょうかね。
60年前と今との共通点を探してみましたが、異常干支ということで、大きな変化が生まれる年と考えれば、天皇家にはじめて民間から選ばれた皇太子妃がやってくるというのは、これは大きな変化といえるでしょう。
当時の世界一の高さ(333メートル)の東京タワーができたのも60年前の出来事です。これも時代の変化の象徴でしたね。
テレビ受信契約数は100万台を突破したのがこの年でラジオに代わって、テレビの時代の幕開けでした。熊本と鹿児島にテレビ局ができて、日本縦断テレビ網が完成したのもこの年です。
インフレが懸念されていた1万円札がついにこの年に発行されました。聖徳太子像の1万円札です。いまは暗号通貨(仮想通貨)が誕生しました。どちらも大きな変化の象徴は言えないでしょうか。
自民党と社会党の二大政党になってから、はじめての選挙が行われ自民党が大勝、投票率は戦後最高の77%でした。60年前の政権は、今の安倍政権の祖父にあたる岸信介政権でした。
1958年の下期から1961年の下期にかけてを、岩戸景気と言います。好景気に入っていった年が1958年です。
さらに60年さかのぼる1898年
時は明治31年、この年も政治的には大きな出来事がありました。
6月に大隈重信内閣が成立しました。大隈内閣は、それまでの藩閥政治から、日本で最初の政党内閣(隈板内閣)への大きな変化と言えますね。
60年前を振り返り、さらにその前の120年前を振り返っても、「戊戌(つちのえいぬ)」の年は、政治的な大きな節目であり、社会面でも大きな変化が見られました。
今年は、この「変化」という着目点から何が想像されるかを検証してみましょう。その変化の象徴として「AIが変える社会」、「雇用のあり方が変わる」テーマを上げてみました。
AIが変える価値観
AI(artificial intelligence)が社会を変える、これは間違いのないことで、AIが社会構造そのものを変えることは容易に想像されます。
かつてAI導入により将来なくなる職業があるということが話題になりました。2014年の雑誌記事に、オックスフォード大学調査によるが10年後になくなる職業が掲載されています。

身近な話題で、スポーツの審判がいなくなります。
東京オリンピックから、体操競技の採点をAIが行うようになるようです。カナダで開催された「第47回世界体操競技選手権大会」(2017年10月2日~8日)でデータを集め、実際の競技採点にAIを活用することで誤審を防ぐようにする取り組みがあります。
体操の採点競技以外にも、他のスポーツにおいても、人間が行う審判にとってかわってAIがジャッジする場面が見られるかもしれません。
AIにより職業が淘汰されるということではブルーカラーの業種をイメージするでしょうが、ホワイトカラーの職業もなくなると言われています。
例えば、AI税理士を使いこなせない会計士、AIパラリーガルを使いこなせない弁護士は消えていくと言われています。そもそも会計士や税理士そのものがAIに取って代わられるかもしれません。
AIは記憶力に優れています。当たり前ですけどね。過去の膨大な判例を記憶させれば、過去の判例に基づいた判断が瞬時に下せるようになるのではないでしょうか。
事務的処理やルーティーン作業は、断然AIのほうに分があります。
シンギュラリティを超える

またAIには自己学習能力があり、ある程度の基礎データを入れるだけで、応用力を身につけるようになり、さまざまなケースを自己想定して解決する能力を養うことができます。
ディープラーニング(deep learning)と呼ばれるもので、いまやAIがチェスや囲碁名人に勝つ時代になっているのです。
シンギュラリティ(Singularity:技術的特異点)を超えることが注目されています。
それは人間の能力を超えることを意味しますが、すでにAIはこのシンギュラリティを超えているのではないでしょうか。
職業という観点から考えると、もう人間でなければならない職業は限られてきます。今までの働き方の考えを大きく変える必要があります。
AIは人間の職業を奪うことは当然と言えるでしょう。新しい職業の分野が生まれることもありますが、雇用は奪われるということは確かのことだと思います。
AIは効率化を図り、生産コストを削減します。生産コストに人件費も入ってくるのです。
流通にも革命

AIは流通革命を起こすといわれています。
3Dプリンターで安価で簡単に物を作ることができるようになり、生活に使うだけのものなら、材料やブランドにこだわらなければすぐに調達することができます。
ポータブル3Dプリンターがあれば、わざわざ買いに行かなくてもその場で必要なものを手にすることができます。
お花見をしていてフォークが足りなければ、わざわざ買いに行かなくても、ポータブル3Dプリンターでその場で作ってしまうことができます。
まさに流通革命です。製造過程から販売に乗せるというプロセスがいらなくなるのです。
さらに自分だけのオリジナルのものを安く作ることができます。
例えば靴、自分の足にぴったりなものができます。足そのものをプリントすれば、自分だけにぴったりの靴を瞬時に作ることができます。
25cmの次が25.5cmである必要はないのです。私達が靴に合わせるのではなく、靴が私達の足に合わせるのが普通になってきます。
服も同じです。ZOZOSUITがそうですね。
ZOZOTOWNが無料で配布、それを着るだけで体のサイズが細部まで測定でき、自分にぴったりの服を注文することができます。
ネットで服を買う際に心配になる「サイズが合わない」ということがなくなります。安い通販で、自分にぴったりの物が買えるのです。
靴にしても服にしても、サイズという概念が大きく変わります。サイズという概念がなくなると言っても過言ではないでしょう。
これは一言で言えば、オンリーワン商品が安価で大量生産できるようになるのです。オンリーワン商品は高いという概念が吹っ飛ぶわけです。
このZOZOTOWNの戦略は見事ですね。
ZOZOSUITで体のサイズを測ることで、ZOZOTOWN基準を作ることができます。他社もZOZOTOWNのサイジングを活用することになるわけですから、相当優位性を保つことができますね。
この流通革命と呼ばれる現象一つをとっても、社会が大きく変わることは想像できると思います。
AIが見せる社会はどんなものなのでしょう。
金融機関の現場も大きく様変わりするでしょう。カウンター業務はどうなっているのでしょうね。
記憶力の良いAIは、過去のデータから未来を予想し、最適な資産運用ポートフォリオを提供してくれることでしょう。
すでにマーケットの世界では、AIがプレイヤーの中心になっています。
裁量トレーダーと呼ばれる、自動売買システムに頼らない手法では、AIが何を思っているか、AIならどう動くかということを読むことが重要になってきています。マーケット心理はAIの行動を読むことになっているのです。
医療現場においてもにも、基礎データ(バイタル)を機械が読み取り、ビッグデータに保管。さらにいくつかの治療オプションを提供、医者は患者のコンサルタントとなります。
定期的バイタルチェックにより、AIが予防措置を提案してくれます。
いろんな業界で例を出したらたくさん出てきますね。さまざまな業界がAIで大きく変わることが想像されますね。
AIは物事の効率化を図るものだと言えます。効率化によって価値を生む、あるいは価値を最大化すると言えます。
AIを語る上で重要なのは、物理的になくなるものもそうですが、その根底にある価値観が変わるということです。
では価値とは何か…
これを語る上では、お金に換算できる性質の価値と、精神的なよりどころとなる価値が対比されることが多いです。
AIを語る場面で必ず登場する筑波大学の落合陽一氏や実業家の堀江貴文氏によれば、AIはこの両方の価値を変えると、対談番組で語っていました。
価値が変わるということは、いままで常識としていたことが否定されることもあります。そういう意味では社会のあり方が根本から変わっていくことになります。
この価値の話は哲学の分野も巻き込み、話が広がってきますので、ここではAIがもたらす働き方の変化にフォーカスしたいと思います。
間違いなくAIは今までの仕事を奪うことになります。職業が淘汰されればお金の稼ぎ方も変わってきます。
賃金を得るということが、それは労働を提供することで賃金を得るという概念から、付加価値を提供することで対価を得るという概念に変わると思われます。
おそらく単純労働と付加価値提供では、賃金の格差が大きく出てくることでしょう。
単純労働は時間を売ること、時間を提供することで対価を得るのですが、時間そのものに価値を見出すのでなく、質、知恵を売る、付加価値を生み出すアイデアを提供することで対価を得るという概念に変わってくると思います。
ブラック企業を語る上でどうしても労働時間にこだわっていますが、おそらくこれからは働く時間の長さではなく、提供できる成果物の質が問われるのだと思います。
ちょっと複雑ですが、これは教育にもかかわることでしょう。
今までの道徳中心の教育から発想の転換のできる教育を行うことが求められそうです。もちろん道徳も大事で、AI社会にこそ、哲学は重要なものになってくると思われます。
その社会業態変化の元年が、2018年ではないでしょうか。
労働基準法が変わります…

これは実際に法律自体が変わることが決定したという話ではありません。
2018年、大きくサラリーパーソンの副業を認められることになります。その流れが加速しそうです。
実際に、本業を持ちながら異業種などで働く副業を認める企業が増えています。人材育成の一環として、コニカミノルタやソフトバンク、ディー・エヌ・エー(DeNA)が相次ぎ容認し始めました。
コニカミノルタは1日に人事制度を改め、副業を認めるようにしました。本業との相乗効果などを見極めて容認するかを判断するようです。
ソフトバンクは11月、全社員約1万7000人を対象に副業を認めました。すでに約100人がプログラミングやセミナー講師など専門技術を生かせる副業を持っています。
「副業解禁」をきっかけに働く環境が変わる
DeNAは10月から約30人の社員の副業を認めています。
中国レノボ・グループ日本法人は業務に支障を与えない条件で、約2000人の社員に副業を推奨しています。
各社は、社員が本業だけでは難しい経験や人脈を副業を通じて得ることで、技能を高めたり、士気向上につなげたりする効果を期待していると報じています。
人材の流動性が海外に比べて低い水準にとどまるなか、副業を通じて働く人の能力を十分に引き出すことが、日本経済や企業にとって人材の有効活用につながります。
賃金が伸び悩むなか、副業は働く人の収入増のメリットもあります。シニア層が定年後のライフプランを立てるうえで副業を活用する例も増えそうです。
欧米では副業が定着しています。米国では労働力人口の3割にあたる約4400万人が主な仕事とは別にフリーランスとしての収入源を持っています。
まだ多くの企業が長時間労働の助長や情報漏洩を懸念し、就業規則で副業を禁止しています。
現在の勤労管理のルールは、副業を前提にしていません。労働基準法では、複数の企業で働く場合にはすべての労働時間を合算するのが前提となっています。
複数の企業で法定時間を超えて働くと、副業先の企業が残業代を負担するとの解釈があるようです。
厚生労働省は2018年にも副業がしやすいように、勤労管理ルールの見直しに入るようです。
ただこの話、表向きのきれいな部分だけを理解してはいけないと思います。
私は常々サラリーパーソンにこそ投資は必要だと訴えてきました。それは社会保障制度の疲弊が前提にあります。
サラリーパーソンは、投資やネットワーク以外に、自分達の能力でお金を得る手段を手にすることができるようになります。サラリーパーソンの知識・知恵の価値化です。これはすばらしいことです。
これでサラリーパーソンの確定申告も増えそうです。
あくまでも私見ですが、これは裏を返せば、国や社会、会社に頼るなということで、自分の老後は自分で何とかしろというメッセージでもあると思います。
給与アップは望めないので自分達で何とかしてというメッセージともとれます。社会保障はこれから縮小するから自分達で何とかしてという解釈もできます。
そのために会社だけの収入に縛らないという事ではないでしょうか。これも一種の「働き方改革」ですよね。
私はそれでいいと思います。国に民間企業の給料アップをさせること自体が無理なのです。
真の意味での自助努力時代、ここから大きく国民間に、将来設計の意識が高いか低いかで格差が生まれてきます。自分の価値を高めるという意識の違いもあるでしょう。
副業でより自分の培ったノウハウを生かそうとするかどうかと考えるかどうかです。
今まで国や会社の恩恵を待津だけの制度依存体質からの脱却が求められているような気がします。まさに異常干支の年において意識の変化を迫られているのではないでしょうか。
ただ自分の力ではどうすることもできない弱者となっている人は救うべきです。手を差し伸べるべきです。セーフティーネットは拡充すべきです。
それは今に始まったことではなく永遠のテーマであり、そこには税金を投じてしかるべきだと思います。
労働環境の変化は、副業の話だけでなく、労働特区では試行されていますが、金銭により解雇ができる解雇規制の緩和がすすめられてくると思います。
海外企業にとっての日本進出の弊害は、高い法人税率と雇用問題です。
雇用問題とは、一旦従業員を雇い入れたら会社都合で解雇できないこと、さらに一旦決めた給与は、従業員の不都合になるようであれば下げられないということです。
株価が大きく上昇しているにも拘らず、従業員の給料が上がらないのはこのためだと考えられます。
日本が広く海外企業を受け入れ、世界のビジネス拠点になるためには、従来の雇用形態を変えなければなりません。ここでも労働基準法の改正が必要になってきます。
2018年は大きな労働環境変化の最初の一歩となる年に
労働のあり方が大きく変わります。それは賃金を得る考え方や、雇用のあり方など、2018年は、大きな労働環境変化の最初の一歩となる年になりそうな気がします。
そういえば2018年は、明治維新からちょうど150年目に当たる年になりますね…。(執筆者:原 彰宏)