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確定拠出年金(iDeCo)の全体像 調べてもわかりにくかった「メリット・デメリット」を解説

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確定拠出年金(iDeCo)の全体像 調べてもわかりにくかった「メリット・デメリット」を解説

はじめに

「確定拠出年金」とか「イデコ」とか「iDeCo」とか「401K」とか、聞いたことはあるけどよくわからない…

そういう方も多いと思います。ネットで調べてみたけどよくわからなかったという方も多いと思います。


そんなあなたのために、簡単でわかりやすく全体像と注意点を解説します。

見てみればわかりますが、複雑です。

個人型とか企業型とか、まずは仕組みとあなたがどう活用するのか? を解説していきたいと思います。

ここでは、「個人型」のことを書いていきますが、簡単に確定拠出年金の種類についてだけ、ここで書いておきますね。

【個人型】あなたが掛け金を払う

【企業型】企業が掛け金を払う

【選択型】企業がお金を準備して、あなたが確定拠出年金の掛金に当てるか? 現金でもらうか? 決めることができる。
(付随するメリットも有るのですが、それは別の機会で)

簡単に言うとこれです。仕組みは一緒ですが、この違いがあるってだけです。

確定拠出年金の事が書いてあるブログやHPを見ると、この漢字の多さにやられてしまう方は多いので、ここではこの程度にしたいと思います。

〇〇年金っていう言葉、たくさんあってよくわからないんだよね

というご意見をいただくことが多いのですが、あなたはいかがですか? まずはそこからお話していきます。

いろいろあるけど、違いは?

ところで、こんなことで「頭が混乱してします…」ということが多いのではないでしょうか?(整理ができている方は飛ばして次へどうぞ)

〇〇年金という言葉をひととおり上げてみると

・確定拠出年金
・個人年金
・老齢年金
・障害年金
・遺族年金
・じぶん年金

などなど制度の名前からそうでないものまで、いろいろあります。

老齢年金・障がい年金・遺族年金は国が担当

国があなたが支払う掛け金を責任を持って管理し、活用し、老後や障がいや死亡した時にお届けしますよ、というのが、この年金です。

老齢年金は、今で言うと、65歳から受け取れる、いわゆるみんなが心配している「年金」のことです。

障がい年金や遺族年金は、病気やケガで障がいをおってしまったり、なくなってしまった場合に、当人やご遺族に対して給付するものです。

この掛け金は、自営業の方は「国民年金保険料」、会社員は、「厚生年金保険料」から出ています

実はこれらの掛け金(毎月支払ったり、給与から天引きされている)は、社会保険料控除と言って、払った掛け金分は所得税がお得になる仕組みになっています。

確定申告をしている自営業者の方々は、お忘れなく(忘れないと思いますが)会社員の方は会社でやってくれるので、心配しないでくださいね。

ただ、転職等で、期間が空いていて、一時国民年金を支払った…などという方は確定申告すればその分所得税が還付される場合もあるかもしれません

個人年金(保険)は、生命保険会社が担当

個人年金と言いますが、正しくは「個人年金保険」です。

生命保険会社が販売している、老齢年金の補完的な役割としてどうですか? というもので、保険会社が責任を持って管理・運用し、決められた時に決められた金額をあなたにお届けしますよ、と言うものです。

個人年金保険に加入すると、個人年金保険料控除、という(生命保険料控除の一種)所得控除を受けることができ、所得税や住民税を軽減してもらうことができます。

じぶん年金はあなたが担当

よく使うこともありますが、「じぶん年金」という言葉。

これは、どこかの誰かが作った言葉で、じぶん年金っていうのはこれです、と言うものは存在しません。

あなたが、あなたの力で、(誰かの力を借りて)将来の年金を準備しましょうね、というものです。

資産を形成するということになるので、「預貯金」、「保険」、「個人年金保険」をはじめ、「投資信託」などを始めとする「投資」なども通常はこの仲間となります。

確定拠出年金も、この仲間と考えられますが、年金づくりのための手段も多く、税的なメリットもあります。

昨今では、大変注目を集めているものですので、これから「確定拠出年金ってなあに?」という話から、メリットとデメリットなどわかりやすく解説していきたいと思います。

確定拠出年金って?

すごく簡単に言えば、

老齢年金(老後の年金)の保管的な役割、という観点でいうと、「個人年金保険」のようなものです。

「個人年金保険」は保険会社が運用するのですが、「確定拠出年金」は自分で用意された商品の中から選んで運用して、老齢年金(老後の年金)の上乗せ、として活用できる、と言うものです。

ただ、これはほんとうの意味で、老齢年金などの上乗せという特徴があり、給付には、老齢給付、障害給付金、死亡一時金もあります。

細かく知りたい場合は、「確定拠出年金」と検索すれば、たくさんの情報が出てきます。

私にとって何がお得なの? というところから勧めていきたいと思います。


確定拠出年金 (iDeCo)のメリット

メリットは大きく分けて4つあります。

(1) 掛け金は、全額「所得控除」の対象

支払った掛け金が全額所得控除の対象となります。

例えば月々1万円であれば年間12万円分の所得税が軽減されることとなります。

12万円所得が減る、ということになりますので、税率が10%ならば、1万2,000円が軽減されるということになります。

例えば40歳~60歳までと考えれば、24万円の税金が軽減されることになりますね。

月々2万円なら48万円
月々3万円なら72万円
月々5万円なら120万円

です。

もちろん、選択によってはリスクも有るのですが、元本確保型商品を選ぶだけであれば、そこからの増加分は見込めなくても、税の軽減だけでかなりお得ですね。

なにせ預金金利は0.001%の時代ですからね。

※事業主・会社員・公務員など現在のお立場で、掛金の上限が決まっています(後ほど出てきます)

経済効果を試算してみると

確定拠出年金月額2万3,000円

東京都在住40歳、会社員、年収600万円(賞与なし)

※所得控除:社会保険料控除(東京都の料率で試算)・生命保険料控除(12万)

経済効果は、年間5万5,200円となります。

月額2万3,000円(年間合計27万6,000円)積み立てて、経済効果(所得税・住民税の削減効果)が5万5,200円。

これを「利益」と捉えるなら、27万6,000円積み立てて、5万5,200円の利益。すごいですよね。(運用状況や受取時期によってこのようにうまくいかないケースもあります)

≪参考:東京都平成29年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

所得税・住民税簡易計算機から試算。状況によって変化しますので、詳しくはご自身でご確認ください。※参考までの目安としてご確認ください。

(2) 運用益が非課税

運用商品で利益(増加)が発生した場合、通常、その増加分に対して税金がかかります。

源泉分離課税という言葉を聞いたことがあればおわかりかもしれませんが、2割ちょっと(20.315%)かってに差し引かれるのですが、この仕組の中では非課税となります。

※ちなみに、定期預金や普通預金では少ない利息から税金が引かれていますからね。

(3) 受け取る時にもメリットがあります

お金を受け取るときというのは「課税される」ものです。

例えば、個人年金保険で年金形式で受け取るときは「雑所得」として課税されますし、保険の満期金を受け取る場合は「一時所得」として課税されます。

確定拠出年金の場合も、もちろん課税されますが、その課税額を軽減してくれる制度があります。

老齢年金を受け取るときや退職金を受け取ったときはそれぞれ税的メリットが有るのですが、それをこの確定拠出年金にも導入してくれる制度です。

年金で受け取ったり、一時金で受け取る事もできるのですが、それぞれ、公的年金等控除や退職所得控除が適用されます。

どれくらい得するんですか?

ということを聞きたくなるかもしれませんが、それは金額や受け取り方・退職金や老齢年金の額にもによります。

税率等も変わるでしょうから今のところはっきりはわからないのですが、個人が自分で投資信託を買ったり、保険に加入したり等の場合はこの制度はないですからね。オトクな制度です。

(4) 自分で掛け金を預ける場所を選択できる

掛け金を拠出する対象はたくさんあります。その中から自分で選ぶことができます。

預貯金、投資信託、株式、公社債、信託、保険商品などがあり、その中から、選ぶことができ、例えば公社債で言えば、国内だけではないですからね。

いろんなメリットを享受しながら「グローバル」に運用を開始できる、ようになります。

他にも運用コストが安いとか、何度でも売買や割合の入れ替えができたりと、いろんな事がありますが、享受できるものはこういったところになりますね。

確定拠出年金の4つのメリット、コレを話すとこんな感想を言われるケースが多いです。

・ そんなうまくいくのかな?
・ 何かデメリットはないんですか?
・ 自分で選べるって、アドバイスはもらえるんですか?
・ みんなどうしてるんですか?
・ 減ることもあるんですよね…

あなたはどう思いましたか? さて、皆さんのお感じのとおり、デメリットも知っておきましょう。

確定拠出年金のデメリット

それではいよいよデメリットです。

デメリットの話の前に、そもそもメリットもデメリットも話す人、書く人がそう思っている、ということで、全員に該当するわけじゃないです。

メリットも考え方によってはデメリットになるケースもあれば、デメリットもメリットになることもあります。

なんてことを頭に入れてもらった上で、続けていきます。

(1) 60歳になるまでお金を受け取れない


よくご相談をいただく方のほとんどが意外とここを軽視しています。

税的メリットを強く意識しすぎた結果、本当に必要な時にひきだすことができないということになります。

これが60歳まで一切、手を付けられないからこそ、将来のお金としてとっておくことができる、というメリット感を感じられる人は良いですが、そう感じることがどうしても難しい方にとってはデメリットと言わざるを得ませんね。

投資信託だったらやめれば現金化されるわけですし、年金保険や生命保険であれば、解約だけでなく、「減額」や「契約者貸付」で一時的に現金化することも可能です。

選択の幅を持っていることは結構重要です。

※預ける期間は一応決まっていて、60歳からと言っていますが、年齢が60歳に近い人には一定の条件を設けているんです。


(2) 運用対象を選択する事が難しい

確定拠出年金の運用難民がたくさんいる、という記事を見たことがありますが、たくさんいるどころか、ほとんどかも…と思う場合もあります。

と言うくらい何に、どう運用していけばいいのかわからないという方が多いです。

アドバイスを受けると言ってもただじゃないですし、そもそもその運用で確実に増えるという確証もないです。

よくわからないけど、とりあえずコレで。という感覚でしたら、それはデメリットとなるでしょう。

かたや、コレを機に、日本や世界の情勢・経済などを勉強し、運用手段の勉強をしながら始めよう、という方や、今現在優秀なファイナンシャルアドバイザーなどアドバイスを求めることができるひとが右腕としている、という場合ならデメリットとはならないかもしれませんが…。

ただ、よくわからないけど、税金のメリットだけ得たい、そのうち運用対象を考える、そんな方は、「定期預金」も選ぶことができたりしますので、そういう方法もありかもしれません。

(3) 受取額が受け取るときまで確定しない

老後の受け取れる年金額が確定していない、はっきりしないということもあります

すべて「預金として運用」ならばそういうことにはならずデメリットではないですが、メリットを受け取りにくいです。

税金のメリットという話で、「預金だったとしても」という話をしましたが、税金をきちんと取っておけばプラスになるかもしれませんが、使ってしまったのであればそもそも銀行に預けておくのと何ら代わりはありませんからね。

(4) 手数料がかかる

・ 加入時・移換時手数料
・ 口座管理手数料
・ 給付事務手数料
・ 還付事務手数料
・ 信託報酬

などの手数料もかかります。

テレビCMや雑誌の広告等でメリットが優先されて書かれているため、こういうことをあとで知った…という方も少なくないです。

しかしながら、コレを知っていて、コレを承知で始めるのであれば、デメリットではないですからね。

投資というのは手数料がつきものだ、そう考えておくことが重要かもしれませんね。

(5) 元本確保型商品の勘違いのケース

自由に割合を変えたり、入れ替えができるわけですが、手数料もかかるしメリットばかりではないです。

そのデメリットの一つにこれ、「元本確保型商品」というものがあります。

元本確保型と聞いたら、「損しないんでしょ?ならば…」という考えになるのは当然かもしれませんが、ここは少し知識を得ておいたほうがいいです。

元本保証と元本確保の違い

元本確保というのは、いつでもという意味ではないです。

元本が確保されているときがある、ということです。

通常投資信託は元本はいつでも確保または保証されていませんが、債券で言うと、満期時は確保されていますが、その前は、預けた額より増えることもあれば、減ることもあります。

以前新聞に出ていたのですが、銀行で一時払い生命保険に加入して解約時減っていた、元本保証されていると説明を受けた、なんて言う記事がありましたが、そういうことがあるというのを知っているか知らないか? は大きな鍵となります。

が、保険の場合は時間がたてば元本が確保されるものが多いですし(ときというのは商品によりますが)債券であれば、5年債であれば5年後は確実に元本が確保されています

「思ったのと違った」とならないように注意しましょう。

メリットとデメリットをまとめると


こういうもの、と断定すると誰かに怒られそうですが、やはり現状、国としても老齢年金を今の水準で行けるかどうか? は不安なところです。

「貯蓄から投資へ」のキャッチフレーズの元、「1億総活躍社会」とか言って一生頑張れという投げかけもしながら、でも税金等のメリットを上げるので、自己責任で年金を準備してくださいというのがこの確定拠出年金の意図なのではないでしょうか?

とよく書かれています。

私もそう思う反面、使えるものは使ったほうがいい、という考えは当然ありますので、この制度自体はとてもおすすめですが、60歳まではちょっと…とか、運用面で不安…という方は別の方法を検討することもアリかもしれません。

私だったらどうすればいいんですか?

・ いくらやればいいですか?
・ みんなどれくらいやっていますか?
・ 適正値とか教えてください…

みたいな質問を受けることは多いです。

答えようがないのですが、言えることの一つ目は、「掛金には上限がある」ということです。

金額に上限が設けられています。冷静に考えればそうですよね。

確定拠出年金の掛金の上限

いろんな縛りを細かく話せば正確ですが、ほとんどの方が当てはまらないと思うので、シンプルにご理解ください。

個人事業主:月額6万8,000円(年間合計額81万6,000円)

会社員  :月額2万3,000円(年間合計額27万6,000円)
(選択型:月額5万5,000円または2万7,500円)

公務員  :月額1万2,000円(年間合計額14万4,000円)

専業主婦 :月額2万3,000円(年間合計額27万6,000円)

ややこしいことが実はありまして、国民年金基金・厚生年金基金・企業年金などなどがあなたと関わっていると、この金額とは少し違ってくることがありますが、詳しくはお問い合わせいただくか、「確定拠出年金の概要」を御覧ください。

おわりに

メリットやデメリットを簡潔にあげてみました。

税金のメリットの面で言えば最強の仕組みかと私は思います。

ライフプランに当てはめて、果たしてこれでいいのか? 

どんなところにお金を積み立て、あるいは運用していけばいいのか?

 

をご検討して、豊かな人生を築くきっかけになってくれたらうれしいです。

ライフプラン → 家計や資産の状況の把握 → 解決策の検討

という流れですすめていくとあとで

「こんなはずじゃなかった」となる確率が一気に減るのではないでしょうか?(執筆者: 阿久津 和宏)

《阿久津 和宏》
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阿久津 和宏

大学卒業後、セブン−イレブン・ジャパンに就職。1年目よりスタッフの育成・管理の業務を行い、2年目より店舗経営相談員として8~9店舗の加盟店の「ヒト・モノ・カネ」のアドバイス業務を行う。担当する加盟店で資金繰り問題が発覚。適切なアドバイスを行うために、ファイナンシャルプランナーの勉強を開始したことをきっかけに、お金を扱う仕事の魅力を感じて大手金融機関に転職を経てその後独立。小冊子の発行・マネーセミナーを中心に活動中。 <保有資格>:2級ファイナンシャルプランニング技能士、トータルライフコンサルタント 寄稿者にメッセージを送る

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