「名もなき家事」という言葉が昨年より、話題のようです。
それは例えば「食べ残しを冷蔵庫に片付ける」、「無くなったティッシュを買いに行く」など、はっきりと名前がつけにくい、それでも省けない雑務のこと。
物凄く大変ではないけれど、塵も積もればしんどくなるものがその正体のようです。
実は教育費にもあるんですよ、一つ一つは大きな負担ではなくても、積もり積もって家計を圧迫していく「名もなき教育費」が。
息子二人を育てた筆者が実感した見逃せない支出、その実態について解説します。
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目次
名もなき教育費 (1)
塾での飲食費、交通費
振り返れば、「ん? ちょっと支出が増えてきた…」と思い始めるのは、中学生からでした。
まず、塾の費用がUPし始めます。
学年を重ねるごとに通常授業はもとより、休みごとの春期講習、夏講、冬講とグングン値上がりした請求書がやってきます。
とはいえ、塾の授業料が「名もなき教育費」というわけではありません。
それは、塾に通うがために必要となる費用です。馬鹿になりません。
学年が進めば当然のように、塾の終わる時間は遅くなります。喉もかわけば、おなかもすきます。
お弁当を持たせるのは誰もが考える節約ではありますが、朝登校時に昼夜二つのお弁当を持たせる手間、持っていく労力、夏場の衛生面を考えると、お弁当だけというわけにもいかないでしょう。
1日500円としても15日行けばそれだけで月7,500円、お小遣い以外に必要になってしまいます。
また、通学以外の地域に通塾する場合には、通学定期は購入できません。
Q:学生ですが、塾・アルバイトに通うための定期券は買えますか。
A:通学定期乗車券はご自宅の最寄駅と学校の最寄駅の区間に限って発売します。塾やアルバイト先が前述の区間の外にある場合は、その区間の通学定期券は発売できません。アルバイトや塾等でご利用の場合は、通勤定期乗車券をお買い求めください。(引用元:九州旅客鉄道株式会社)
では自宅近くの塾なら…
食事の心配も交通費も、気にならなくなります。
しかし塾にとって、テスト対策や進路情報の把握するのは、地元の教育機関が先決となるため、遠方に通学している場合には注意が必要です。
名もなき教育費 (2)
就寝時間が遅くなる…光熱費がかさむ
学年が進めば、深夜まで起きているのは珍しくありません。
テスト勉強や受験勉強に頑張っているのに、早く寝なさいとは言えません。
でも寝ているのに、部屋の電気やエアコンがつけっぱなしということも「あるある」です。電気代は上がります。
名もなき教育費 (3)
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部活費用
さらに、中学高校では部活費用も頭に入れておく必要があります。
筆者の息子は高校時代、硬式テニス部でしたが、最低限必要なものだけでもラケット、靴、ユニフォーム、練習着、テニスラケットケース、部指定ののウインドブレーカーなどなど。
初期費用だけでも数万円かかりました。しかも頑張れば頑張るほどに、ガットは切れ、靴は敗れる。
また強豪校になればなるほど、遠征や合宿が組み込まれます。
全て個人負担とはならないかもしれませんが、親も駆り出され揃いのTシャツを購入しての応援ということもあるようです。
名もなき教育費 (4)
通学費用
大学になると、下宿生の費用負担が大きいことはは言うまでもありませんが、自宅生でも油断大敵です。
特に地方に住んでいる場合、最寄り駅までの通学手段はしっかり検討する必要があります。
バイクや自動車を選択するなら、まずは購入代金が大きな負担となるでしょう。
加えて、もしもの時に備えての保険、ガソリン代や車検代、税金なども必要経費となります。
親と子、どこまで誰が負担するのか、初めにしっかり話し合っておきましょう。
名もなき教育費 (5)
パソコン
さらに、現代の学生にとってPCは必須アイテムといっても過言ではありません。
専門の学科に進む場合は、学校指定の数種類からの選択とようなこともあります。
大学にPC完備しているところは多く存在するため、購入が絶対条件とはならないかもしれませんが、授業で必要となる場面は少なくないようです。
さいごに
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子どもが成長すれば、かかる費用が増えるのは致し方ありません。
しかし無限ではないお金、家族が一生懸命働いて得たお金です。
人生の三大出費と言われる教育費には、あまり表に出てこない「名もなき教育費」まで実在しています。
家族で十分に話し合って、実りある使い方をしてくださいね。(執筆者:吉田 りょう)