共働きで忙しくしていると、子どもが空気を読んで自分の気持ちを押し込め、甘えたくても我慢してしまうことがあります。
親は「子どもを育てるために」と必死に働いているのですが、子どもは親に向き合ってもらえない寂しさから心のバランスを崩し、思春期に差しかかる頃になってさまざまな問題を抱えてしまうことも。
余裕のない毎日の中で、どのようにして子どもと向き合う時間を捻出すれば良いのでしょうか?
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家事は子どもも巻き込んで楽しく終わらせる
「自宅に帰ってからも忙しくて、とてもじゃないけど子どもとじっくり話をする時間がとれない」という人は、もしかしたら家事を全部1人でこなそうとしているのでは?
優秀な人や、責任感の強い人ほど「自分がやらなきゃ」と抱え込んでしまいがちですが、毎日きちんと全ての家事をこなすなんて、はっきり言って無理!
中には睡眠時間を削ってでも掃除や食事作りの下準備をするという人もいますが、子どもと向き合うどころか、自分が倒れてしまいかねないので、あまり無理はしないようにしましょう。
家事をするのが大変なら、子どもも巻き込んで、みんなで一斉に終わらせてしまうというのはいかがでしょうか。
慣れないうちは子供が失敗してばかりで、かえって手間がかかるかもしれません。
しかし、しょっちゅうお手伝いをしているうちにだんだん手際が良くなってくるし、一緒に家事をすることで親子の会話も増えて一石二鳥。
我が家でも実践してみましたが、ゲーム感覚で楽しい雰囲気にすると喜んで参加してくれています。
悩みを相談したい時も、あらたまって向かい合うよりキッチンに並んで野菜の皮を剥いている時のほうが話しやすかったようで、親子の関係がぐっと良くなりました。
また、毎月のお小遣い日に「今月はよくお手伝いをしてくれたから、特別ボーナスがあります!」と少し多めの金額を渡しました。
そうすることで、労働をすると対価がもらえて、さらに人の役にも立つということを、少しは肌で感じてくれたのではないかと思います。
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月に数回、2人っきりで外食する日を作る
私が他に実践してみたのが、子どもと2人っきりで外食をする機会を作ることです。
我が家には子どもが2人いるのですが、どうしても手のかかる下の子が優先になってしまい、上の子にかなり不満がたまっていました。
おとなしい娘は我慢に我慢を重ね、ある日突然感情が爆発し「ママは私のことなんかどうでもいいんだ!」と大泣き。
情けないことですが、私はその時になって初めて娘の寂しさに気が付いたのです。
「これではいけない」と危機感を覚えた私は、夫に相談して、月に数回上の子と2人っきりでおいしいものを食べに行く日を作ることにしました。
お店を決めるのは、もちろん娘。
思いっきり好きなものを食べられるのはもちろん、下の子のいないところで母親をひとり占めできるのがとてもうれしかったようで、回数を重ねるたびに、目に見えて情緒が安定していきました。
高校生になった今でも、娘が何か悩みを抱えていそうな時には、2人だけで外食をしたり、買い物に行ったりします。
小さかった頃に比べれば親に話を聞いてもらいたがることは減りましたが、ただ黙って隣にいるだけでも、子どもというのは安心するようです。
まとめ
共働きをしながら子どもを育ててみてつくづく感じたのは、家事を完璧にこなす母親よりも、多少ズボラなところがあっても、子どもと真剣に向き合う母親でいるほうが子どもはうれしいということです。
平日は特に時間を捻出するのが難しいですが、一緒にワイワイと夕食の支度をしたり、遊びながら布団を敷いたりするだけでも十分。
大切なのは「ちゃんと、あなたのことを見ているよ」という気持ちが伝わることだと思います。(執筆者:畠山 まりこ)