最近、ドライブレコーダーが人気を集めています。
この人気に注目した自動車保険会社の中には、ドライブレコーダー特約を提供しているところもあります。
今回は、東京海上日動が提供するドライブレコーダー特約「ドライブエージェントパーソナル」(DAP)の特徴はもちろん、デメリットや注意点なども解説します。
目次
DAPの特徴
2017年より、東京海上日動火災保険では、「ドライブエージェントパーソナル」と呼ばれるドライブレコーダー特約を提供しています。
月額650円の追加保険料で、ドライブレコーダーが貸与されます。
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貸与されるドライブレコーダーは、以下のようなスペックです。
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フルHDですので、画像はきれいで滑らかです。
また、15.5コマ/秒ですので、信号の点滅などもしっかりと記録できます。
カー用品店で販売されているドライブレコーダーの中でも、比較的上位機種ではないでしょうか。
DAPのメリット3つ
1. 高度な事故対応が可能
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DAP最大のメリットは、高度な事故対応が可能な点です。
2. スピーディーな初期対応
例えば、携帯も通じないような山奥で自損事故を起こしたとしましょう。
電話は使えませんし、事故の衝撃で気を失ってしまったら連絡すらできませんね。
DAP契約者の場合、以下のような流れで迅速かつ高度な事故対応をしてもらえます。
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2. 音声メッセージにより衝撃検知をドライバーに通知
3. 自動の事故連絡、事故映像の自動送信
4. ドライブレコーダーを通した通話
5. 状況に応じて消防などへ連絡
示談交渉にも役立つ
示談交渉が必要な際は、ドライブレコーダーから送信された映像を使い、示談交渉を行ないます。
事故瞬間の映像は、何よりも雄弁な証拠です。
3. 事故防止のサポート
事故後のサポートも重要ですが、事故が起きないようにするのが一番です。
DAP契約者は、事故を未然に防ぐための支援を受けられます。
危険地点接近警告
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天候や時間帯、利用者の過去の運転状況をもとに、危険地点を予測しリアルタイムに知らせてくれます。
片寄り走行警告・前方車両接近警告
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ドライブレコーダーの画像などから、片寄り走行、前方車両の接近、急ハンドル・急アクセル・急ブレーキが認められると、警告が発せられます。
安全運転の診断
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利用者の運転特性をもとにして、専用の「安全運転診断レポート」を、更新時に作成してくれます。
DAPのデメリット・注意点6つ
1. 利用条件がある
保険期間3年以内の「トータルアシスト自動車保険」「トータルアシスト超保険」を契約している、自家用乗用車(普通・小型・軽四輪)のみが、DAPの対象者です。
2. 前方画像しか記録できない
対象のドライブレコーダーは、前方しか記録されません。
最近増えている後方からのあおり運転、車外横からの運転手への暴力などは記録されません。
3. 軽い衝撃では自動送信されない
事故映像などが自動送信されるのは、一定以上の強い衝撃の事故のみです。
軽い衝撃では自動送信されませんが、通信をしたい場合はドライブレコーダーのボタンを押してやり取りをする必要があります。
4. 自分で取り付ける必要あり
貸与されたドライブレコーダーは、自分で取り付ける必要があります。
取り付け方法は説明書のほか、動画でも解説されおり、40分~60分程度で取り付けられます。
しかし、慣れないと難しいかもしれません。
また、シガーソケット、アクセサリーソケットのない車には、原則として取り付けられません。
5. 長期契約では損をするかも
カー用品店では、より高解像度のドライブレコーダーが取付費用込で、3万円台で販売されています。
特約は月額650円ですので、4年以上同じ車に乗る人は、損をするかもしれません。
6. 情報漏えいが心配
ドライブレコーダーから取得される以下の情報を提供します。
・走行距離
・走行時間
・速度
・位置情報
・加速度センサーによる計測値
特に位置情報を提供すると、どこにいたのかがばれてしまいます。
また、提供先は東京海上日動だけでなく、パイオニア、自動車技術開発に携わる提携企業なども含まれます。
個人が特定されない形で情報提供されますが、それでも心配ですね。
事故対応に不安の方は検討の価値あり
月額650円は安くないし、後方画像は記録されないし、自分で取り付けしないといけないしなど、デメリットや注意点も確かにあります。
しかし、安全運転に資するデータや警告などを提供してくれます。
そして何より、事故対応がより手厚くなるのが、DAPのメリットです。
「ネット自動車保険では事故対応が心配」という方は、検討の価値があると思いますよ。(執筆者:角野 達仁)