高値圏のもみ合いとなる一週間でした。
2月2日から5日にかけて空けた窓の入り口兼、2万3000円という節目を上値抵抗線とした切り上げ型の三角保ち合いを形成しているように見受けられます。
3月26日の反発を開始してから3度目の三角保ち合いとなります。
今回も前回同様、上放れできるのか見極めとなりますが、普通に想定すれば上放れという展開が考えられますが、素直に動いてくれるかは、少々不安が残ります。
現状、週明けの寄り付きは、CMEから100円少々押して寄り付くことが想定されます。
状況によっては5日線を割り込んでくることになります。
さらには寄り付き段階では、週末のローソク足から窓を空けてくるということも想定されます。
そのまま陰線形成となると深い押しないし、調整という可能性も出てくるところです。
したがって切り上げ型の三角保ち合いだから上という楽観はできないと考えます。
3月26日の底入れから間もなく2か月が経過しますが、大した押し目も作ることなく切り上げてきているので、いつ利確による押しが出てもおかしくない状況下といえるので、油断しないで見極めていきたいと思います。
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株価を取り巻く環境も、世界的な地政学的リスク後退により、上値追いを示しているものの、すべてが好状況というわけではないので、いつほころびが出てもおかしくないと考えます。
順調に問題が出なければ、6月12日の米国と北朝鮮の対談まではジリ上げと考えますが、今週も北朝鮮サイドが含む発言が出ました。
そのような発言一つで相場が動くという現状です。したがって、常に緊張感が必要だと言えます。
さらには別件ですが、米国の利上げ観測からくる円安が順調に進んでいるように見受けられます。
110円台に突入し111円の声も聞こえていますが、株価はそれほど押し上げられていないという不思議な状況になっています。
為替への反応が薄いことで、為替が一時的なものなのか? 株価の連動性が遅れて動くのか? 週明けの動きで答えが出るのかなと考えます。
そして6月末のヘッジファンドの換金売りもそろそろ終焉で売り圧力の軽減が期待されます。
その流れから上値追いが加速するのか? 期待されます。
ということで、様々な影響で動く株価ですが、現状のトレンドは上昇に入っていると考えられます。
1月から下げに対して3月26日に底入れし、反発率も61.8%を超えてきており、1月の高値を目指す可能性を上げてきています。
各種テクニカル指標も上昇示唆という判断がわかりやすくなっている状況ですが、このような状況になったときに落とし穴が出現するので注意したいものです。
とりあえず短期的にはまだ上値追いの可能性が高いという判断は変わらずですが、いやな予感もぬぐえない事実といったところです。
そしてすぐにという話ではありませんが、世間をにぎわせているスルガ銀行及び「かぼちゃの馬車」を含む不動産貸付のサブリース問題は、後々に尾を引く問題となってきそうな予感です。
不動産業界の好況に対する風穴になる雰囲気が出ており、この風穴が、1年2年の歳月をかけずに、大きなほころびになるかもしれないという雰囲気を感じているのは私だけでしょうか?
いろいろと世間を取り巻く環境が良く、ニュースでも内定率が98%越で過去最高みたいな記事がありました。
このようなニュースの裏にはピークだよねという声が聞こえてくる私は、ひねくれものなのかもしれませんが、この後にどのような悪材料が出てくるのか? という事に対して敏感になってしまう今日この頃です。
目次
現状分析
5日線
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上向きを維持したままの1週間で位置としては上を推移し週初めに乖離を広げた後、水曜日に乖離を詰めて終値で1日だけ割り込み翌日から再度上に飛び出し、週末は上への乖離という状況で週末入りとなりました。
週明けは再度5日線に触れるか割れてくるので、その後の動きに注目です。
25日線
変わらず上向きで上への乖離を維持したままの一週間となっています。
乖離率も大きく広げることも縮めることもなく推移しており、程よい上げ幅で切り上げていると考えます。
75日線
変わらず下向きで、位置は上を推移という状況です。
この75日線の向きが上となると、安心感や買いの力が加速してくるのではと考えるのですが、もう少し時間がかかりそうな感じです。
トレンドライン
変わらずですが、横軸の上値抵抗線として意識してきた1月31日の安値(窓の出口)よりも手前に、窓の入り口として2月5日の高値が、現状上値抵抗線として今週機能しました。
週明けここを上抜けて、窓埋めを実行できれば、さらなる上値追い期待ですが、この窓が結構強い抵抗体となりそうな気配も感じます。
窓を抜けると2万3700円辺りの横軸が抵抗線となりそうです。
1月半ばのもみ合いの下限と上限の間の帯が抵抗体となると考えます。
下に関しては、2万2500円近辺のもみ合いどころと25日線、さらには2万2000円処と200日線という段階で意識したいと思います。
テクニカル指標
一目均衡表
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ほぼ上昇トレンド示唆の位置取りとなっています。
このあと29日に来る雲のねじれをどのように迎えるかに注目と、基本数値と対等数値で3月26日からの43営業日目の5月28日前後も併せて気にしていきたいと思います。
ボリンジャーバンド
変わらずバンドウォーク中と考えます。
月曜日、再度+1σに近づくと考えます。維持できるかに注目で、割り込むとこの勢いに陰りと考えます。
スローストキャスト
いまだ買われすぎゾーンで波うち推移し、強さをイメージつける動きです。
このままゴールデンクロスできるか注目し、この波打ちしている下減を割り込んだときは、この上昇に陰り示唆という判断をしたいと思います。
総合判断
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表面上は上昇示唆 上値追いと考えますが、いつ来るかわからない調整への備えの意識を高めていく時期に差し掛かると考えます。
前半にも記載していますが、上だとわかりやすくなってきているので、こういう時こそ油断しないで、急激な変化が起きるかもという備えをすべきと考えます。
備えすぎて損することはないので、しっかり緊張感をもって向き合ってまいりましょう(執筆者:城 晶子)