長らく続く超低金利でこの機会に住宅の購入をご検討の方も多いと思います。
住宅を購入にあたって欠かせないのが住宅ローンです。
各銀行がさまざまな商品を取り扱っており、どのように借りたら良いのか迷われている方のために、今回は住宅ローンについて考えてみたいと思います。
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目次
1. 住宅ローン審査でNG、借りれない場合も
銀行に住宅ローンの申し込みをする場合、必ず融資にあたって長期にわたって返済してくれそうな人かどうかを審査します。
借りたくても借りられない場合もあります。
銀行によってさまざまな審査基準があり一概には言えませんが、審査の一般的な例は以下の通りです。
a. クレジットカード会社・自動車ローン・消費者金融等の支払いに延滞があり信用情報機関に記載がある場合。
銀行の基準によっては難しくなる場合
b. 年収が少ない・勤続年数が短い・雇用形態が派遣社員やパートなど。
c. 自営業や親の経営する会社に勤務している。
d. 借入時や完済時の年齢が基準外。
e. 自動車ローンなど住宅ローン以外の借入残高がある。
f. 返済負担率(利息を含めた返済金額が年収の何%になるか)や融資率(ローンが物件価格の何%か)に無理がある。
これらのように銀行は営利企業ですので、長期安定的に返済できそうな人に融資をします。
勤続年数が長い
年収も多い
などが理想ですが、一つの条件が基準を満たしていなくても総合的に判断しますので、諦める必要はありません。
以上の基準は銀行が融資する場合ですが、銀行が窓口になって提供している住宅金融支援機構のフラット35は銀行が融資する場合に比べて別の審査基準になっており、基準は銀行が融資する場合に比べてやや緩やかになっています。
2. お勧めの住宅ローンは?
住宅ローンは大きく分けて銀行が直接融資する場合と、銀行が窓口になっている政府系金融機関である独立行政法人 住宅金融支援機構のフラット35に分かれます。
ズバリお勧めは「住宅金融支援機構のフラット35」です。
お勧めの最大の理由は史上最低金利である現在のような状況では、銀行は35年などの長期の固定金利はリスクを伴うため基本的には扱いません。
しかし、住宅金融支援機構のフラット35は
がお勧めする最大の理由です。
ハウスメーカーなどで住宅を建てた場合は住宅ローンなどの話も出ると思いますが、銀行の変動金利型を勧められる場合が多いようです。
理由は現在は変動金利のほうが安く、目先の返済金額を抑えることができ住宅を購入(ハウメーカーは販売)しやすくなるためです。
しかし、変動金利は長期的に金利がどうなるか分からないため、お勧めはできません。
3. 借入金額や借りた後の繰り上げ返済など注意点
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住宅ローンを住宅金融支援機構のフラット35で検討する場合の注意点をあげます。
a. 借入金額・金利など
住宅ローンを借りる場合は頭金が物件価格の2割必要などと言われた時もありましたが、現在では物件価格の全額を借りることもできます。
しかしながら頭金を10%用意して借入額を物件価格の90%以内にすれば金利が約0.4%程度安くすることができますので、10%の頭金をためてから申し込みをするのが理想といえます。
省エネルギー性、耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する場合や地域と提携した子育て支援型・地域活性化型などを利用できれば金利などで優遇を受けられる制度もあります。
b. 借入期間
借入期間は15年~35年の範囲で選択可能です。
サラリーマンであれば完済時に定年前が理想ですが、定年時に退職金で繰り上げ返済が可能な場合はなるべく返済期間を長くして月々の返済額を抑え、手元に余裕資金を蓄えておく事が重要です。
余裕資金は不意の出費にも繰り上げ返済にも使うことができるためです。
C. 繰り上げ返済
借入期間中はbで書いたように余裕資金を蓄えることが重要です。
余裕資金ができるとつい繰り上げ返済をしたくなりますが、当初10年間は住宅ローン控除制度を利用できれば、支払った所得税や住民税が軽減されるため急いで繰り上げ返済をすることもありません。
不意の出費のために余裕資金を少なくとも200万円程度は手元に残しておいて、それを超えた場合に初めて検討するようにして、繰り上げ返済で手元に現金が全くないということは避けたいですね。(執筆者:後藤 誠道)