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喪服の購入
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女性のみなさん、洋装の喪服はお持ちですか?
若いうちはそれほど葬儀に参列する機会はありませんが、40代以上になると急にその機会が多くなります。
突然の訃報でも慌てないよう、まだ持っていない人はぜひ喪服の購入を検討してください。
今回は、先日喪服を新調したばかりの筆者が、購入前に4か所のフォーマル売り場に赴き、店員に教えていただいたことをもとに、「10年以上着られる喪服の選び方」についてお話しします。
「喪服」は葬儀の正式礼装
葬儀に参列する場合にふさわしい女性の「礼装」は、以下の3種類です。
1. 正式礼装:黒のアンサンブル(ワンピース&ジャケット)・黒ワンピース
2. 準礼装:礼服(ボトムがスカートの黒スーツ)
3. 略礼装:パンツスーツ・グレーのスーツなど
上記のうち、正式礼装の「黒のアンサンブル(以下アンサンブル)」や「黒ワンピース」が「喪服」と呼ばれ、最も格が高い喪の装いとなっています。
最初に買うならアンサンブル。夏用の喪服もほしい。
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現時点で喪服を1着も持っていない場合は、まずはオールシーズンに対応しているアンサンブルを買いましょう。
それならすべての喪の行事に1着で対応できます。
しかしながら、アンサンブルは布地が厚く織目も詰まっているため、夏場はジャケットを脱いでも非常に暑いのが大きな欠点です。
そのため、個人的にはアンサンブル喪服と夏用の黒ワンピースの両方を用意することをおすすめします。
長く着られる喪服の選び方
長く着られる喪服の選ぶことも大切です。
筆者がお店で店員に聞いたことをもとに説明します。
1. 価格
喪服の価格帯は、1万円未満~10万円以上。
かなり幅があります。
しかし、10年以上着るつもりなら、少々お高めの価格帯である、定価7~8万円台の喪服がおすすめです。
筆者がつい最近まで使っていた喪服は、20年以上前に定価8万円台(フォーマルバーゲン価格5万円台)で買ったものですが、長年の使用にもかかわらず、色落ちや型崩れはほとんどありません。
サイズがきつくなったことを除けば、今も全く問題なく着られます。
つまり、その価格帯の喪服なら、長年の使用に耐えうる品質であり、購入金額の元は十分取れるということです。
そのことから、今回も同じ価格帯から選びました。
デパートで買うなら「デパート積立」
デパートで喪服を買う場合は、満期ボーナスが出るデパート積立の利用がお得です。
その積立金を使い、フォーマルバーゲンセールで喪服を買えば、高い喪服でもかなり割安です。
2. サイズ
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実寸よりワンサイズ大きなものを選びましょう。
それには2つの理由があります。
理由1:近年の喪服が「細身」の傾向にある
実際、筆者が喪服を選ぶ際の試着でも、実寸通りだと少々きつめで、ワンサイズ大きい方がほどよいゆとりがあり、体にフィットしました。
理由2:少し大きめなサイズなら多少自分の体がサイズアップしても着られる
長く着る喪服は、10年後、20年後の体型の変化まで考えて選ぶ必要があります。
そう考えると、体型が変わっても着られる喪服を選ぶのが妥当です。
3. デザイン
マナー上、喪服はシンプルで肌の露出が少ないデザインを選ぶのが鉄則ですが、年齢を問わず着られるデザインであることも重要なポイントです。
たとえば40代以上なら、おなか周りに余裕があり体型が目立たないデザイン、あるいはツーピース風で、おなか周りをカムフラージュするデザインがおすすめです。
また、着脱が楽な、前開きのデザインであれば理想的です。
年をとるほど後ろファスナーの開閉が難しくなり、自分で着脱することが大変になりますが、前開きならその心配もなくラクに着脱できます。
10年以上着ることを前提とするなら、その点もぜひチェックしましょう。
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4. 生地の色や材質
生地の色や材質も確認しましょう。
喪服の表地はしわになりにくいポリエステル地が主流となっていますが、礼装の格を考えれば、黒のトーンまで見る必要があります。
より深いトーンの黒なら、格調高い葬儀でも通用します。
また、裏地の材質の確認も重要です。
喪服の裏地はナイロンとキュプラの2種類ですが、ナイロンの裏地は静電気が発生して体にまとわりつきやすいという欠点があります。
しかし、キュプラは天然素材(綿の実)由来の合成繊維で静電気が発生しにくいため、着心地の面では裏地がキュプラの喪服がおすすめなのです。
10年間を考えた買い物

葬儀に欠かせない喪服を買うなら、少々お値段が張っても長く着られるよいものを選びましょう。
また、喪服を選ぶ際には、価格だけでなく、
・ デザイン
・ 生地の素材
・ 色
まで確認した上で、慎重に選ぶ必要があります。
記事でご紹介したことを参考に、吟味して自分にとってベストな喪服を選んでください。(執筆者:大岩 楓)