以前から注目していた銘柄の1つ、アルベルト〈3906〉の株価がぐんぐん上昇しています。
今年の初めからみると約5倍でしょうか(この記事が世に出るころには変化している可能性がかなりあります)。
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買ってりゃよかったアルベルト。と後悔してももう遅い。
だって急激に上がったり下がったりしています。手を出しても火傷する気しかしません。
しかし保有していた人にとっては、テンバガーまでもう一息、というところなのかもしれませんね。
ということでテンバガー。それは個人投資家たちの夢でしょう。
もともとは野球で1日合計 十 塁打(例:二塁打 + 二塁打 + 二塁打 + ホームラン)を表す言葉だそうで、ともかく「めったにない大活躍」ということです。
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投資の世界では株価が10倍に跳ね上がることを指します。
私も夢見ていますよ、めざせテンバガー。
目次
テンバガーに立ちふさがる、制限値幅という大きな壁
しかしというかやはりというか、このテンバガーは難しい。
なぜ難しいのかと考えると、本来の意味からそれて、それが短期間では達成不可能なところでしょう。
それというのも、取引には「制限値幅」というものがあるから。
「ストップ高」、「ストップ安」なんて言葉でも知られていますね。
相場が荒れるのを防ぐため、証券取引所が1日の売買価格の幅を定めているのです。
日本取引所の場合、次のように制限値幅(日本取引所グループ)が設けられています。
ですから、1日のうちにある銘柄が10倍はおろか、2倍になることすらありません。
ということでテンバガーは一日にして成らず。
それではいったい、どのくらいの期間が必要なのでしょうか?
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テンバガーの最短は13営業日!
実際にシミュレーションしてみましょう。
かなりおおざっぱなものになってしまいますが、目的はテンバガーの最短日数を算出することですからご容赦を。
1日目の始値が500円、1,000円、1,500円、2,000円という4パターンで、連日制限値幅いっぱいまでの値上がり、すなわちストップ高更新が起こったとします。
なお先ほどの制限値幅表からも分かるように、金額の桁が上がっても値幅の割合は変わりません。
ですから1万円からスタートしたときのテンバガー最短日数は、1,000円からスタートしたときと同じになります。
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おお。みごと全4パターンにおいて、13営業日目にしてテンバガーを達成しました。
土日は営業日ではありませんから、13営業日は2週間と3日を意味します。
…いやこれは長い。
この間、
「上がったうちに売っておきなよ」
などという相場の神様からのささやきに耐え続けなけりゃあならないんですから。
そしてほとんどの場合は2倍にまで上昇すれば御の字で、その時点で売ってしまった方が良いのです。
なのに手放さずに2週間以上も保有し続けるなんて、そんなのおかしくなってしまいそうですよ。
テンバガーは一日にして成らず。しかし数年ではハンドレッドバガーも
しかしです。
キリスト教だってイスラム教だって新興宗教の時期があったわけで、現在の超一流企業にだって日の目をみられない時期はあったわけですよ。
長い目で見ると、10倍なんて目じゃない上昇を達成した銘柄だってあります。
ヤフー〈4689〉: 約144倍
ニトリ〈9843〉: 約93倍
いずれも日本を代表する大企業ですよね。
こんな企業を見つけることができれば、そして長期保有できればハンドレッドバガー(?)だったわけです。
ただもちろん、言うは易く行うは難し。
その長期の間には株価が上昇するばかりでなく大きく下落することだってあるわけです。
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テンバガー銘柄の候補としてよく言われるのは、
・ 低位株(500円以下)
・ 創業から間もない(10年以内)
などなどですが(数字は一説)、ハンドレッドバガーを見ると、商品や業態の良さは外せないと感じます。
やはり、良いものを作る、良いことをする企業の株式を狙いたいですね。(執筆者:徳田 仁美)