今回は実際にイギリス人が1か月の収入を何につかっているのか街頭インタビューをおこなってみました。
今回インタビューしたのはマンチェスターシティで出会った20代後半の男性。
まだ結婚はしておらず、シェアハウスで住んでいます。

社交的な彼の1か月の収支をさっそくチェックしてみましょう。
インタビューした内容を「税金」「家賃」「生活費」などに分けてまとめてみました。
目次
税金
イギリスの税金は収入により変化しますが、最低賃金で働いていても収入の20パーセントは税金として引かれてしまいます。
日本でも国民年金や市民税、国民保険として収入から引かれていきますが、イギリスは年金、国民保険とは別に税金の率がかなり高く設定されています。
最低賃金で働いていても差し引かれる税率は20パーセントなので、収入が上がればその分税率も上がっていきます。
IT会社で働いているこの男性は、収入の40パーセントが税金として引かれています。
1か月40万円稼ぐ場合、16万円も税金として引かれてしまうのでなかなか辛いところですね。
それに加えて国民年金や健康保険料も差し引かれるので、40万円稼いでも手取りは30万近くになってしまいます。
家賃
イギリスは住む場所によって家賃がかなり左右します。
ロンドンやマンチェスターなどの大都市に住む場合、家賃は東京並みの高さに設定されています。
シティ周辺では特に家賃を抑えるためにシェアハウスが一般的で、キッチンやバスルームのみ共有で個室に住んでいるという人が多いです。
ちなみにこの方も3人でシェアハウスを共有していて、家賃や光熱費も含めて1か月10万円ほど支払っているそうです。
比較的寒い日が多いイギリスでは、セントラルヒーティングシステムという暖房システムが備わっている家庭が多いです。
しかしセントラルヒーティングシステムを常にオンで使用していると、高熱費が跳ね上がってしまうのでハウスメイトに使いすぎないように喚起しているそうです。
生活費

イギリスでは外食が高く、スーパーで売られている食材が安く設定されています
。
日本のように気軽に手に取ることのできる外食がマクドナルドやドミノピザになります。
それでも日本ほど安い外食産業が普及していないので、節約する場合は自宅で料理をするのが一番です。
それでもついつい外食してしまいますねと笑って話すこの方は、3万円から4万円ほど月々の生活費として出費しているようです。
交際費
未婚男性であれば交際費は必然的に高くなっています。
同僚と飲みに行ったり、趣味活動で出費がかさむという人も少なくないです。
食事会などが開催される場合、イギリスではたくさん飲む人が非常に多いのでついつい飲みすぎてしまうようです。
予算を抑えてホームパーティとなる場合も、アルコールを持ち寄って飲む文化があります。
子どもがいても楽しむ程度までならアルコールを飲むことに抵抗感がないのもイギリスならではですね。
この方の場合、1度のパーティでおおよそ5杯程度のビールを飲むとのことでした。
1杯700円で計算して、3,500円はビール代として飛んで行ってしまうことになりますね。
さらに食事の料金も高く、量もやはり日本と比べると多いです。
ディナーを外食で食べると2,000円から3,000円程度が平均の料金になります。
そうなると1回の交際で5,000円近く支払っていますねと言うと、そんなに払ってますかねと笑っていました。

趣味活動
この方はスイミングが趣味のようで、毎朝仕事前にスイミングに通ってから出勤しているようです。
イギリスでは食事で健康になることを意識する人よりも、運動で健康を意識する人が多いように感じます。
スイミング併設のジムの利用料は、1か月で3万円ほどだそうです。
通勤費
以前はサイクルスキームと呼ばれる仕組みを利用してサイクリングで職場まで通っていたそうです。
サイクルスキームは通勤にかかる排気ガスを減らす取り組みで、会社側から自転車購入費などが普及される仕組みです。
今は車を購入したことでついつい楽な車での通勤方法に流れてしまっているようです。
貯金
残りの給料は旅行などホリディに向けて貯金されます。
イギリスではホリディ休暇が日本よりもしっかりと保証されていて、周囲も協力的にホリディを取らせてくれる雰囲気が成り立っています。
長期的に働いていれば1か月丸々休暇を取ることも可能です。
そのためホリディに向けて少しづつ貯金をためていくという人も少なくありません。
この方の場合、月に5万円くらいは貯金に回すようにしているそうです。
気づくとなくなっているときもありますが、なるべく貯金も作るようにしていますとリラックスした貯金方法のように感じました。
インタビューを振り返って
この方と話している中で気づいたことは、お金に対してすごく固執する印象がないことです。
もちろん貯金をする気持ちもあると思いますが、この方の場合はたばこも吸う習慣があり意外とたばこの出費も多いと言っていました。
日本では1箱20本入りのたばこが500円程度ですが、イギリスでは手巻きのたばこが1パック1,500円程度とかなり高価になっています。
それでも日本と同じくらいたばこを吸う人が多く、生活に密着しているからなかなか手放せないそうです。
お金の価値観や貯金の文化は、国や人によってもかなり差があるように感じました。
皆さんも一度自分の収入を何に使っているのかこの機会に振り返ってみてくださいね。(執筆者:森 亜美)