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知っておきたい「お金の戻る」制度
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あまり知られていませんが「お金を取り戻せる」制度があります。
「もらえるお金」
全額とはいかなくても、少しでもお金が返ってくるのはうれしいことですよね。
実際に申請できるのかどうかは別として、国や自治体がどんな助成や支援をしているのかを知ることは非常に重要です。
出産育児金や乳幼児・子ども医療費助成、児童手当などは良く知られていますが、
・ 職業訓練
・ 医療費
なども、サポートしてくれる制度もあります。
「受験生チャレンジ支援貸付事業」(東京都)
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学習塾や各種受験対策講座、通信講座、補助教室の受講料や、高校や大学の受験料の捻出が困難な一定所得以下の世帯に必要な資金を無利子で貸付を行う制度です。
注目すべき点は
ということ。また何らかの事情で中途退学した人の再チャレンジにも利用できます。
貸付資金の内容
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「塾代助成事業」(大阪市)
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大阪市では「塾代助成事業」を実施。
子ども達の学力や学習意欲、個性や才能を伸ばす機会を提供するため、一定の所得要件のもと市内在住中学生の約5割を対象に、
・ 家庭教師
・ 文化・スポーツ教室
などの学校外教育にかかる費用を、月額1万円を上限に助成する事業です。
東京都の事業と異なるのは
・ 対象者が中学生を養育している人に限られる
・ 学習だけでなく文化・スポーツといった習い事も助成の対象になる
ということです。
高等学校等就学支援金
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私立高校に入学した場合に知っておきたい助成制度です。
公立・私立どちらの高校へ入学しても申請できる「高等学校等就学支援金」。
親権者の市町村民税所得割額が30万4,200円未満の世帯であれば支給されます。
私立高校などに通う子どもがいる場合には、その市町村民税所得割額によって基本額の1.5倍から2.5倍の加算額が支給されます。
高校生等奨学給付金
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さらに授業料軽減助成金制度(自治体によって名称が異なる)や奨学給付金といった学費負担を軽減する制度もあります。
毎年申請は必要ですが、併用が可能なので所得要件などが当てはまる場合はぜひ申請してみることをオススメします。
家庭の経済状況に関わらず幅広い進路選択が可能になってきていると言っていいでしょう。
学びながら給付金も受給できる求職者支援制度
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雇用保険を受給できない求職者で早期の就職を希望する人に対し、ハローワークが中心となって職業訓練や給付金などの支援が受けられる制度です。
あくまでも早期の就職に繋げるのが目的のため、適正な訓練設定と厳しい出席要件、ハローワークへの来所なども義務付けられています。
対象者
・ 雇用保険の受給終了者、受給資格要件を満たさなかった者
・ 雇用保険の適用がなかった者
・ 学卒未就職者、自営廃業者等
要件
給付金は訓練受講中、一定の要件を満たす場合に月10万円(交通費や寄宿する際の費用も)支給されますが、いくつかの要件があります。
・ 収入が8万円以下であること
・ 世帯の収入が25万円以下であること
・ 世帯の金融資産が300万円であること
・ 現に居住する土地、建物以外に土地、建物を所有していないこと
・ 訓練のすべての実施日に訓練を受講していること
止むを得ない理由により受講しなかった実施日がある場合にあっては8割以上
・ 世帯の中で他に当該給付金を受給し、訓練を受講している者がいないこと
・ 過去3年以内に失業等給付等の不正受給をしていないこと
訓練は厚生労働大臣が認定したもので、その内容は
・ WEBプログラミング
・ アプリ開発
・ 介護福祉士
・ 医療事務
・ ネイリスト
・ ハーブアロマ販売スタッフ育成
など多岐に渡っています。
受講料の自己負担額も少なく、職場見学などの機会が設けられている講座もあるので、経済的に困難な状況で早期の就職を実現したいという方にはオススメです。
医療に関するサポート制度
がん治療の場合、病気そのものだけでなく治療によって頭髪が抜けたり、乳がんの場合は乳房自体を摘出したりと、見た目の変化に悩みを抱えている人が少なくありません。
そんな切実な思いをサポートしている制度がこちら。
「がん治療中の方へウィッグ等購入費用助成制度」(東京都港区)
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ここでは東京都港区の例をご紹介します。
対象:区内在住で、がんと診断され現在治療を行っている方
助成対象品:ウィッグ(かつら)、胸部補整具(ノンワイヤーソフトブラなどの補整下着、補整用シリコンパッド、人工ニップルなど)
助成金額:3万円 または購入経費の7割のうち、いずれか低い額
申請期限:助成対象品を購入した日(領収書等に記載の日付け)の翌日から1年
申請に必要な書類
・ 港区がん患者ウィッグ等購入費助成金交付申請書
・ がんの治療を受けていることを証する書類(お薬手帳、診療明細書、治療方針計画書など)
・ 購入した金額の明細が分かる書類(領収書等の原本)
・ 申請者の本人確認書類(運転免許証、健康保険証のコピーなど)
・ 振込先口座が確認できる書類(通帳などのコピーなど)
このように医療ウィッグ等の購入費を助成する制度は、少しずつ全国に広がりつつあります。
まずはお住いの地域の自治体に問い合わせてみてください。
「総合健康診査(人間ドック)助成制度」~東京都多摩市
「受けておいた方がいいけど」
と思いながらも、時間や費用の問題でなかなか足が向かない人間ドック。
東京都多摩市ではこんな助成制度が実施されています。
対象者:受診日現在、満30歳以上の多摩市国民健康保険の被保険者の方で、助成金申請時に納期限の到来した分までの国民健康保険税を完納している方
対象となる検査:人間ドック、脳ドック、婦人科ドック(子宮がん検診、乳がん検診が含まれているもの)
助成金額:受診日基準で年度(4月~翌年3月)に1回、受診料の半額を助成、上限は2万円
申請に必要なもの
・ 国民健康保険被保険者証
・ 受診料の領収書(保険適用されていないもの)
・ 受診結果表(保険医療機関が発行したもの)
・ 印鑑
・ 振込口座が分かるもの
人間ドックは国民健康保険の場合は各自治体、社会保険ではそれぞれの協会や組合の補助金申請、また生命保険であれば提携している医療機関の割引サービスを利用するという方法があります。
まずは補助金や割引の金額や検査内容、対象者に当てはまるかどうかなどを事前に確認してみましょう。
運動療法も医療費控除の対象に
医師から運動療法を勧められた場合(運動処方箋が必要)、厚生労働省が認定しているスポーツジムで運動を行うと、その費用が医療費控除の対象となる制度があります。
運動療法とは障害や疾患の治療や予防のために運動を活用すること。
医療費控除の対象になるのは高血圧や脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患といった運動不足が要因とも言われる生活習慣病が多くなっています。
ただし行きたい時に行けばいいのではなく、週1回8週以上継続させる必要があります。
・ 確定申告までの流れ
1. 医療機関から運動処方箋の交付
2. 指定運動療法施設での運動療法実施
3. 実施証明書や領収書の交付
4. 医療機関で運動療法実施の確認
5. 領収書や実施証明書等を税務署へ提出
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医療費控除を受けるには、積極的にそして継続的に通う必要があります。
「運動は面倒くさい」
と躊躇しがちな人も、こういう制度があれば通いやすくなるのではないでしょうか。
チェックすると意外とある
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「こんな制度があるの?」と驚いてしまうようなものから、「何となく耳にしたことがあるけど詳しくは知らない」というものまで、あまり知られていない制度がたくさんあります。
最近は区報や市報もインターネット上に公開している自治体が多くなっているので、隙間時間などにチェックしてみてはいかがでしょうか。(執筆者:藤 なつき)