2018年に入ってからも堅調な株式市場ですが、今年はアメリカでは中間選挙が行われます。
11月6日の米国議会選では、435の下院全議席と上院33議席(総議席は100)が改選され、トランプ政権の政策の是非が国民に審判されるのです。
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大統領任期の真ん中で行われるために、大統領への信任投票の意味もあります。
もし負ければ民主党の巻き返しは必至で、その後の政策も変わらざるを得ないでしょう。
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評価が激しく分かれるトランプ大統領
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ところで、あなたはトランプ大統領が好きですか?
トランプ大統領くらい評価が分かれる人もいません。
品のないジョークを飛ばしたかと思えば、意外と行動力があったり、側近をやめさせたりと、話題にはとにかく事欠かない人です。
中国や北朝に圧力をかけて核開発を諦めさせたと思えば、関税をかけて貿易戦争を始める。
トランプ大統領への支持や評価も、真っ二つに割れているといっていいでしょう。
このような状況の中での中間選挙は、不透明で予想が極めて困難だと言えます。
「トランプ相場」で世界同時株高に
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最初は、「トランプ大統領が誕生すれば、世界の株式市場は暴落する」と言われていました。
選挙中掲げていた政策が、あまりに無謀なものだったからですが、実際に当選の時には、NYダウは千ドル近い下げを記録しています。
しかし、その後は一転して暴騰、記録的な上昇相場を作り出しました。
いわゆる「トランプ相場」の始まりです。
なぜ株式市場が上昇したのかといえば、当初、トランプ大統領が選挙前に宣伝していた政策とは違い、はるかに現実的な路線を取ることが明らかになったからです。
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このように大統領選挙が終わった直後から、日経平均も暴騰しています。
1万6,000円前半だった日経平均も1万9,000円まで上昇し、その後も右肩上がりのトレンドが続きました。
最高値は、今年の1月に2万4,000円台があります。
なんと、トランプ大統領が就任してから、8,000円も上昇したことになります。
最近では「円高だ、貿易摩擦だ」という側面が強調されていますが、間違いなくトランプ大統領は、歴代で最も世界の株価を押し上げた大統領だということに間違いありません。
中間選挙の前に、大きな調整が来る可能性
このように「トランプ相場」で好調な世界の株式市場ですが、もう2年近く上昇を続けてきたことになります。
11月の中間選挙の結果を見極めようと、これからは様子見気分が広がるでしょう。
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NYダウなどは既に歴史的な高値に達しているので、リスクオフの流れから、高値で売りが出てくる可能性もあります。
新たな「トランプ相場」がスタートする前には、一度今のトレンドに大きな変化が起きるはずです。
日本市場でもこれから、夏相場で大きな調整が来る可能性があると予想しています。(執筆者:岡 隼人)