今年7月の日銀政策決定会合でも再度注目された、ETF(上場投資信託)をご存じだろうか?
世界的にAIが進歩する中、アクティブ運用が優位になる時代が終わり、情報格差に頼らないパッシブ運用、特にETFを採り入れた運用残高が増加しています。
ここではETFの魅力をおさらいし、海外市場への投資を可能にしてくれる便利なETFをご紹介します。
銀行で勧められるままに購入する投資信託より、手間がかかっても納得できる、投資上級者へのステップを踏むお勧め運用術を見ていきましょう。
目次
ETFの特徴と魅力
ETF(Exchange Traded Fund)とは
ETFの特徴と魅力
(2) 少額から始められる手軽さを低コストで、
(3) 個別銘柄の株式と同じように売買できる自由度
を兼ね備えている点です。
日経225連動のETFなら、同じ日経225を指標とする一般的なノーロード投資信託(購入時手数料無料)より、低コストで取引時間中の売買が可能である点が優れている運用術となります。
経済成長を続けている先進国の米国、人口増加に伴う新興国への投資など、ダイナミックな動きが見られない国内相場から海外へ目を向けて分散投資すると、あらためてテンションも上がります。
証券会社なら国内上場ETFはもちろん、NY取引所上場のETFなど世界の成長市場に投資する窓口を用意しています。
ETFの種類と運用術(海外編)
日本時間で取引可能な世界の株価指数に連動するETF
国内上場のETFで各国の株式指数に連動する商品、
【1385】ユーロ圏大型株50(欧州)
【1678】Nifty50(インド)
は先ず押さえましょう。
他にも中国A株、韓国KOSPI指数へ投資するETFが国内にもありますが、実は世界のETFのうち7割は米国上場ETFで、国内から世界の株式指数へ投資するのはマイナーな手法となります。
特にアジアや新興国の株価指数に連動するETFは時価総額が小さく、買うにも売るにも売買量に問題があります。
よって海外の株式指数に連動するETFは、米国やユーロなど先進国なら国内ETF、それ以外の株式指数連動ETFなら米国上場ETFを検討した方が良いと思います。

米国のETF
米国を窓口とすることで、世界へ投資する窓口が大きく開きます。
時差があるため主に売買はネット経由となりますが、朝起きた時の楽しみが増えます。
指値等を利用すればつきっきりで値動きを見ておく必要はありませんが、心配で眠れなくなる方はお勧めしません。
米国への投資で代表的なETFに【SDY】S&P高配当株式があります。
これは20年以上連続増配を続けている企業のみへ投資するETFで、S&P指数を上回る実績を残していることで有名です。
また成長著しいハイテク銘柄が集中しているナスダック100指数に連動する【QQQ】パワーシェアーズQQQトラストは、ハイリスクハイリターンながらお勧めのETFです。
他にも【2800】トラッカーファンド・オブ香港は、ハンセン指数連動。
【EWZ】MSCIブラジルは、ブラジル25/50インデックスに連動するETFと、新興国向け投資には米国ETFが適しています。
さいごに
海外ETFでの運用はメインの手法になりませんが、先ずは全体の10%から徐々に増やすと、投資効率の良さが実感いただけるでしょう。
また海外投資には為替リスクも伴います。
しかし国内企業の当期利益が減少傾向となったいま、国内株式市場だけでは利益を上げることが難しくなりつつあり、海外の成長を資産運用に取り入れることは必須となってきました。
無理のない金額で、海外ETFを使った運用術が皆様の投資アイデアに役立てたら幸いです。(執筆者:中野 徹)