熟年離婚の主な原因は、たいていの場合、妻が夫に長年の恨みを蓄積していることに起因しています。
特に、夫が家事育児に無関心な場合は非常に危険です。
そのような夫は突然妻に三行半を突き付けられる恐れがあります。
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そのような事態に直面してから慌てないためにも、世の夫は女性の心理を理解して適切な対応を取ることが重要です。
今回は結婚生活のベテランである筆者が、女性目線で夫が留意すべき妻の心理状態についてお話しします。
目次
女性は過去のことをよく覚えている生き物である
誤解を恐れずに言いますが、女性は過去のことをよく覚えている生き物です。
また、一度恨みを持ったらなかなかそれを払拭できないところもあります。
ある有名人が「女の怒りはポイントカード」と言っていましたが、まさにその通りです。
妻が家事育児で大変だった時に夫に助けてもらえない場合、妻は長い時間をかけて怒りを累積させ、夫がそのことをすっかり忘れたころに過去の怒りをぶちまけます。
男性からすればそれほど長く女性が怒りを持続させていること自体が理解できないでしょうが、女性にとってはごく当然のこと。
男性は、まずその「事実」を認識しておく必要があります。
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家事育児への夫の無関心は、熟年離婚の最大の原因となりうる
熟年離婚の最大の原因となりうるのが、夫の家事育児への無関心です。
そのような夫は妻の気持ちの変化にも無関心であることが多く、ある日突然妻から別れを告げられてから慌てるケースが多いのです。
女性の多くは忍耐強い性質を持っており、夫が勤務先などで置かれた厳しい状況を理解しようとする気持ちもあります。
だからこそ、夫が全面的に家事育児に協力できない状況にあることも許容して、家事育児の重い負担を受け入れているのです。
しかし、夫の中には仕事を理由に家事育児に全く無関心で、自分が親である自覚すらないのでは? と思われる人もたくさんいます。
そのような夫だと、妻の堪忍袋の緒も切れて当然です。
夫にとっては寝耳に水の三行半でも、妻にとってはごく自然の流れでそうなったにすぎないのです。
そのような事態を避けたい夫は、妻がわけもなく不機嫌そうに見えるときに自分が家事育児を妻任せにしていないかを振り返る必要があります。
そして、可能な限り妻と家事育児を分担し、常に妻をねぎらう言葉を忘れないようにしましょう。
妻の体調の変化に無関心だと熟年離婚につながりやすい
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熟年離婚となる原因はもうひとつあります。更年期における妻の体調の変化です。
女性は更年期に入ると心身のバランスを崩しやすくなり、これまでできていたことができなくなる場合もあります。
にもかかわらず、夫が妻の体調の変化に理解がなく、妻の家事の「怠慢」を責めた場合、妻は夫に失望し、今後の人生を共に生きる気持ちが失せてしまう可能性が極めて高くなります。
しかし、まだ希望はあります。その時点で夫が妻の心身の状態を理解し、無理をさせないことです。
特に、妻が更年期による体調不良を訴えたのを機に夫が家事を積極的に分担するようになった場合、熟年離婚までいかないケースが多いです。
夫婦は長年一緒に暮らすと情が生まれるので、そのような変化でも夫婦の仲を修復しやすいのです。
男性が家事育児に関わると将来にわたり大きなメリットがある
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男性が家事育児に積極的に関わるメリットは、熟年離婚が防げることだけではありません。
たとえば夫婦のどちらかが先に亡くなった時、残った方に家事能力があれば、1人暮らしでも全く生活に困らないというメリットがあります。
また、家事は意外と頭と体を使う作業が多く、生活習慣病や認知症の予防にもなります。
さらに、夫が自ら子どもに密に関わっていると、おのずと子どもとの接し方が上手になります。
その結果将来授かるかもしれない孫にも上手に接するので、孫に慕われるようになります。
現に、元祖イクメンの私の父は、孫に囲まれて忙しくも幸せな毎日を過ごしています。
男性が激務の合間を縫って家事育児を分担するのは難しいことを重々承知の上で言いますが、妻に家事育児を任せきりにすれば、今ここで挙げたようなメリットが得られず大損です。
これまで家事育児に無関心だった人もまだ間に合います。
今日から少しずつでも妻の家事育児に関心を持ち、穏やかで幸せな将来を手に入れましょう。(執筆者:大岩 楓)