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トルコリラの大暴落
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トルコリラは、アメリカがトルコに対する経済制裁を発動した直後に、大暴落しました。
エルドアン大統領が強気の姿勢を崩さないなど、いまだに通貨暴落に終息の兆しが見えません。
一方、トルコ政府がアメリカの追加関税を違法として、WTOに提訴する新しい動きもでてきました。
今回は暴落したトルコリラのその後の展開と、これからの予想についてお話します。
トルコリラの現在の動き~暴落から底固めへ
トルコリラ/円 日足
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トルコリラは今年に入って下げ続けていたのですが、5月に8%⇒17.75%という大幅な利上げによって、一度は底を打ちかけました。
しかし、その後も反発力は弱く、7月に入っても安値圏でのもみ合いが続いていました。
それが8/1にアメリカがトルコに経済制裁を課したことで事態は急転直下、トルコリラは下値のサポートラインを切って大暴落しました。
5月後半~7月のレンジが1トルコリラ22.5円~25円。
新しいボックスゾーン
それが今度は15円~19.5円の新しいボックスゾーンになってきています。
しばらくはこの15円~19.5円のレンジで動くような流れになると予想します。
15円付近で一度底打ち・上昇の形ができたのは、下げ過ぎの反動による、純粋にテクニカル的な買い戻しでしょう。
今度は1トルコリラ=20円を目前に再び値を下げています。
今後もまた数か月、ボックスゾーン内でもみ合って、どちらにブレイクするのかを試す動きになるはずです。
今回のレンジは前回よりも大きく値段もかなり切り下がっています。
このボックスを下抜けた場合は次の目標値は1トルコリラ=10円付近になり、その時は世界経済にさらに激震が走るでしょう。
トルコ政府が米をWTOに提訴
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そうした中、新しい動きも出てきました。
アメリカのトランプ政権がトルコから輸入する鉄鋼とアルミの関税を2倍にしたことについて、トルコ政府はWTO(=世界貿易機関)に提訴する手続きに入ったようです。
今後、アメリカとの協議が不調に終わった場合は、WTO紛争処理小委員会に付託できます。
しかし、WTOの調停や裁判で結果が出るのには時間がかかります。
それまでもトルコリラは刻々と動いてゆくでしょう。
エルドアン大統領が強気の姿勢を崩していないことから、トルコリラの将来を悲観視する見方もあります。
これからはチャートの安値を何度か試す展開になる可能性があります。
いずれにせよ、これからのトルコリラの動きからは目が離せません。(執筆者:岡 隼人)