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人生の緊急事態!
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病気や事故で長期入院となり、働けなくなってしまった!
これはまさに人生のリスク、緊急事態です。
年齢に関係なく、突然、何かが起こるかもしれません。
そんなときへの備えとしてまず思いつく保険といえば「医療保険」です。
今どきの医療保険は、一度加入したら一生涯保障が続くという頼もしい補償内容。
若くして契約すれば、保険料も一生涯あがりません。
医療保険の給付を受けるときとは?
医療保険の給付が受けられるのはどんなときでしょうか?
病気やケガで入院したときです。
もし手術をうけていたら、合わせて手術給付金受け取ることができます。
ただ現在の医療制度の元では、入院期間が短くなっています。
病院側としてはどんどん患者さんを回転させないと採算が取れないという、何とも世知辛い事情があるようです。
ということは通院による治療が増えるということです。
医療保険ではカバーできない可能性が高い、ということになります。
社会保障制度を知っておこう
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ここで頼りになるのが社会保障制度です。
まず、知っておきたいのが「高額療養費制度」。
1か月間に掛かった医療費が一定額を超える部分は健康保険組合から給付を受けることができます。
この「一定額」は、所得によって異なりますが、一般的なサラリーマン家庭であれば、8~10万円程度の負担です。
もちろん、国民健康保険に加入している方も利用できる制度です。
「傷病手当金」
会社員の方は「傷病手当金」を受け取ることができます。
病気やケガで就業できない状態になった場合、最長1年6か月間、およそ給料の3分の2程度の金額を受け取ることができる制度です。
健康保険組合から給付されるので、自営業の方は受け取れません。
就業不能状態に備えるのは「所得保障保険」
自営業の方にぜひお勧めしたいのが、「所得保障保険」です。
この商品はなんと、損害保険会社で販売されています。
就業不能状態になったときに、月々例えば20万円とか30万円とか、契約した金額を1年、2年など契約時に定めた期間受け取れます。
また、受取開始時期を指定できます。
例えば自営業の方は、働けない状況になったら待機期間数日はあるものの、すぐに給付をスタートできます。
一方、会社員であれば、傷病手当期間が終了する1年6か月後から受け取ることにすれば、保険料を抑えながら長期療養に備えることが可能です。
更新型の保険なので、年齢を重ねると保険料は高くなってしまいます。
子供が独立するまでのリスクが高い期間に備える、といった使い方が良さそうですが、そのときどきの収入、資産、預貯金の状況を考えた上で、必要な保障を再確認しましょう。
そういった意味では、更新型であることがメリットです。
保険会社からは提案しない
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保険ショップにしても、損害保険会社にしても、おそらくこの保険を提案することはあまりないと思います。
彼らに取ってはあまり営業成績が上がる商品ではありませんから。
医療保険の特約として「就業不能特約」を勧められるかも知れませんが、これは全く別物なので気をつけてください。
所得保障保険に比べると、保証内容に対して割高になっています。
「働けない状態が長く続く」ことは、人生において大きなリスクです。
毎月2~3千円の出費で最悪のケースに備えることができる「所得保障保険」をぜひ検討してください。(執筆者:夏目 翠)