高校卒業後、大学や専門学校などの高等教育への進学率は、8割(平成29年度学校基本調査:文部科学省)を超えました。
AIの進出や、グローバル化する社会の中で、より高度な知識を求めるのは必然のことのように私は思います。
一方、高騰する教育費に対する経済的負担は、奨学金の利用を不可欠にしました。
日本学生支援機構によりますと、平成28年度の高等教育進学者の2.7人に1人が奨学金を利用したそうです。
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目次
奨学金を返済できない人が増えている
また最近、奨学金の返済を滞納する人が多いということが話題になっています。
いいかえれば、大学を卒業したものの、予定より手取り収入が少なく、奨学金を返済できない人が増えているということですね。
しかし、返還期限猶予や減額返還の手続きをすれば前者は1年ごとの更新を最長10年まで、後者で最長15年まで延長してもらうことができます。
なのにそういった制度を知らなかったということが問題だったのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか?
また、手続きをしなかったために、返還期日から6か月たつと延滞している割賦金に対して年2.5%(第一種奨学金)か5%(第二種奨学金)の延滞利息がつき、よけいに負担が増えるという悪循環にもなっているということです。
収入を得ながら学ぶ方法
大学卒業は4年先、社会情勢がどのように変化しているかわかりません。
奨学金を借りるというリスクを背負ってまで大学に行く必要があるのかと考えてしまいますよね。
そこで、収入を得ながら学ぶ方法を私なりに考えてみました。
やはり、一番に思い浮かぶのは、多くの先輩を輩出している新聞配達奨学生ですね。
1. 新聞配達奨学生になる
東京地区で一番奨学生が多いといわれる日経育英会奨学金の告知を参考にしてみましょう。
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女子学生もたくさん在籍、学費は無利子で全額貸与、そのうえ免除額内(4年制で450万円)であれば全額返済は不要。
休日は4週6休制、全員に朝食・夕食付(自己負担あり)個室を無料で用意されます。
業務内容は、主にバイク(一部自転車)を利用し、受け持ち区域の朝・夕刊を配達します。
他に新聞配達に付随する業務、PR宣伝物の配布、 新聞チラシ広告の折込作業(最新鋭折込機全店導入)などで集金業務はありません。
給与は、月額12万6,500円以上、ボーナスも7月と12月の年2回支給されます。
ざっとこんな感じですが、なかなか、たいへんなことのように感じます。
先輩たちのインタビューによると、メリットとして貯金もできて就職にも有利になるということです。
デメリットは、クラブ活動や研究に没頭するのが難しいということ、学業途中でやめたら、奨学金を返済しないといけないということです。
2. 夜間・通信大学で勉強する
次に浮かぶのは、昼間は働いて、夜間の大学に通うか通信の大学で勉強することです。
これも、ずいぶん昔から多くの方々が経験された方法です。
夜間のメリットは、
2. 昼間よりも合格しやすい、
3. 成績証明書には、夜間と記入されない、
4. 大学や成績によっては、昼間にかわる転部や大学を変更できる転籍が可能である
などです。
一方、デメリットとしては、昼間ほどの大学数や学部の種類がないので、選択肢が少なくなることです。
卒業すれば同じ学位が取れるということもあり、勉強の質と時間管理が問われます。
通信も夜間と同じようなメリット・デメリットですが、特に、通学がスクーリング以外ほとんどないため、レポート提出での単位取得が多く、勉強する時間と理解力が問われます。
3. 大学校に進学する
最後は、大学校に進学するという方法です。
募集人数が少ないうえ、かなり合格するのが難関とあって、知る人ぞ知る方法です。
「大学」は文部科学省所管、「大学校」は文部科学省以外の省庁の所管の学校です。
卒業者、修了者には審査・試験を経て「学位が授与される大学校」は、
防衛医科大学校
海上保安大学校
気象大学校
国立看護大学校
水産大学校
職業能力開発総合大学校
8校です。
その中で、「入学金・授業料は無料」特別職国家公務員として「給料やボーナスがもらえる」、「福利厚生を受けることができる」、4つの大学校について見てみましょう。
防衛大学校
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将来陸上・海上・航空各自衛隊の幹部自衛官となるべき者の教育訓練をつかさどるとともにそれらに必要な研究を行う防衛省の施設等機関です。
【待 遇】防衛省職員 教育期間 4年
・ 「学生手当」月額11万4,300円(平成29年4月1日現在)
・ 「期末手当」いわゆるボーナスが年2回、合計約37万7,190円支給。
・ 全寮制で、被服、寝具、食事などが貸与又は支給される
卒業後は自衛隊幹部候補生
【学位の種類】
・人文・社会科学専攻:学士(人文科学)、学士(社会科学)のいずれか
・理工学専攻:学士(理学)、学士(工学)のいずれか
【推薦】合計 約130名
人文・社会科学専攻:約25名(うち女子約5名)
理工学専攻:約105名(うち女子約15名)
【総合選抜】
人文・社会科学専攻及び理工学専攻合わせて約50名(うち女子約5名)
【一般】合計 約300名
人文・社会科学専攻:約65名(うち女子約15名)
理工学専攻:約235名(うち女子約20名)
【入試受付期間】 ※締切日必着
推薦: 平成30年9月5日(水)~ 9月7日(金)
総合選抜: 平成30年9月5日(水)~ 9月7日(金)
一般: 平成30年9月5日(水)~ 9月28日(金)
連絡先 〒239-8686 神奈川県横須賀市走水1丁目10番20号
TEL:046-841-3810(代表)
防衛医科大学校
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医師である幹部自衛官となるべき者を養成し、かつ、自衛隊医官に対して自衛隊の任務遂行に必要な医学についての高度の理論、応用についての知識と、これらに関する研究能力を修得させるほか、臨床についての教育訓練を行うことを目的として設立されました。
【待 遇】 防衛省職員 教育期間 医学科6年/看護科4年制
・「学生手当」月額11万4,300円(平成30年4月1日現在)
・「期末手当」いわゆるボーナスが年2回
・全寮制で、被服、寝具、食事などが貸与又は支給される
卒業後は、医師・保健師・看護師である幹部自衛官候補生
※ただし、やむを得ぬ理由により、医学科で卒業後勤務年限が9年、看護科で6年を満たないで離職する場合は、卒業までの経費を償還しなければなりません。
【学位の種類】
・医学科:学士(医学)
・看護科:学士(看護学)
医学科:80名
看護科:約75名(海空は若干名)
【入試受付期間】 ※締切日必着
平成30年9月5日(水)~28日(金)
連絡先 〒359-8513 埼玉県所沢市並木3-2
TEL: 04-2995-1211
気象大学校
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気象庁の職員(気象大学校学生を含む)に対して気象業務に従事するために必要な教育及び訓練を行う気象庁の施設等機関です。
【待 遇】気象庁職員 教育期間 4年
・「給与」月額約14万円 + 諸手当あり
・「期末勤勉手当」いわゆるボーナスが年2回
・原則全寮制で、被服、寝具、食事などが貸与又は支給される
卒業後は気象庁本庁等の幹部職員
【学位の種類】学士(理学)
約15名
【入試受付期間】 インターネット申込み
平成30年8月23日(木)~ 9月3日(月)
連絡先 〒277-0852 千葉県柏市旭町7丁目4番81号
TEL: 04-7144-7185 (代表)
海上保安大学校
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海上保安大学校は海上保安庁の幹部職員を養成することを目的として、採用した学生に対し海上保安業務に必要な高度な学術や技能を教授します。
待 遇 海上保安庁職員
教育期間 4年9か月(本科4年、専攻科6か月及び研修科国際業務課程3か月)
・「給与」月額約14万円+諸手当あり
・「期末勤勉手当」いわゆるボーナスが年2回
・全寮制で、被服、寝具、食事などが貸与又は支給される
卒業後は海上保安庁の幹部職員
【学位の種類】学士(海上保安)
約60名
【入試受付期間】インターネット申込み
平成30年8月23日(木)~ 9月3日(月)
連絡先 〒737-8512 広島県呉市若葉町5番1号
TEL: 0823-21-4961
適性や適学チェックができるサイトもあります
適職・適学チェック
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保護者と高校生用があり、性格と適性を診断できます。
適性診断(君に逢ったさんぽう進学ネット)
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104問の質問に「はい」か「いいえ」で答えていきます。
最後に
今回は、大学に進学して羽を伸ばしたいという方には、思いもよらないような選択肢を書きました。
しかし、勉強して学位や資格をとることは、経験を積むのと同じくらい重要な時代になってきていると私は思います。
しっかり自分自身の適性なども考えて、一度きりの人生を思う存分チャレンジしてみてください。(執筆者:京極 佐和野)