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底値模索中のトルコリラに暗雲立ち込める
ご存知のとおりトルコリラは、アメリカの経済制裁によって暴落しました。
しかし元はといえば、インフレが続いてトルコ安が続いていた所へ、追い討ちをかけた形になったという見方が正しいです。
一番痛かったのは、トルコが大幅な利上げをして、まさに相場が底入れをしようかという時期に、経済制裁が直撃したことでした。
トルコリラは対円で、1トルコリラ=22円~24円だったのが、一気に15円まで下落しました。
その後はカタールの1兆円規模の融資によって持ち直し、現在に至っています。
決して気が抜けるような状況ではありません。
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トルコリラをチャートで予測する
トルコリラ/円 日足チャート
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過去の動きを見れば、ある程度将来の動きも予想できるというのがテクニカル分析の考えです。
トルコリラの動きをチャートを使って見てみましょう。
5月の底練りの時期は、22円のサポートラインに何度か接近する動きをしています。
最初の安値から20日間下押ししていますが、この時は途中で反発しています。
今回は8/13から同じ日数が経過しています。
いかにも見た目危なそうな形にも見えますが、15円付近には下値の買いエネルギーがあるので、まだしばらくは買い支えられる可能性はあります。
実際に底割れの危険性が出てくるのは、7月後半のように直にサポートラインまで降りてきた時でしょう。
何度か底値を試して反発が弱くなってくれば要注意です。
結論から言えば、状況が改善する材料がないので、再び底値を割ってくる可能性は高いと思います。
タイミングは10月後半くらいになると予想しています。
それまで劇的な変化がなければ、トルコリラのさらなる安値は現実のものとなるはずです。
攻勢を強めるトランプ大統領
注目すべきなのがトランプ大統領の動向です。
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中間選挙を前にトルコだけでなく、イラン、北朝鮮、カナダ、中国と矢継ぎ早に制裁や圧力を強めています。
傍から見ると不必要なリスクを生み出しているようにも思えますが、この強気の姿勢こそ中間選挙に勝つための真髄だと、トランプ大統領は思っているのかもしれません。
11月の中間選挙直前にも、大きな制裁が発動される可能性もあります。
アメリカは通貨安の国に対して追加関税を課す方針でいるので、もしトルコリラが暴落すると新たな関税がかけられ、それがさらに大きな通貨安を生むという負の連鎖に陥る危険があります。
これから11月までトルコリラから目が離せません。(執筆者:岡 隼人)