目次
福祉は高齢者から子供へ
これからの日本では高齢者が増え、若者が減っていきます。
このとき、国の社会保障配分の流れは、今までとは逆に高齢者には薄く、若者には手厚くなっていきます。
若者は将来の税金や社会保険料の担い手となるわけですから、当然のお話です。
特に、若者の中でも小さなお子さん、および、その家族には特別の配慮がなされています。
子供の医療費

ここで取り上げたいのは
医療費です。
ひところ、高齢者に手厚かった国の医療費支援は激変しています。
高齢者の保護や甘やかしは終わり、他の世代同様に応分の負担が求められるようになりました。
一方、小さなお子さんの医療費負担は、他の世代からは考えられないほど優遇されています。
ここで言う、「小さなお子さん」とは中学卒業までを想定しています。
この年齢層の子供に、どの程度の自己負担を求めるかは住んでいる自治体(具体的には、市)によって変わります。
まさかの「医療費負担ゼロ」都市
自宅のある近隣に、子育て支援に手厚いことで有名な「市」があります。
その市に住んでいる中学卒業までの子供(0歳から15歳まで)は、医療費が原則、「無料」となっています。
病院に行っても、原則1円も必要ありません。

「やり過ぎ」の事例もありますが
全国的に見てどうかはともかく、少なくとも近隣に住む子育て中の世代にとっては、羨むほどの環境であることは間違いありません。
ただし、弊害もあるようです。
この市にある総合病院関係者の話では、市内に住む母親・父親は子供の具合が悪いとなれば、いかなる軽傷や病状であっても、まず、病院に向かうとのことです。
薬局でクスリを買い求めるなどという考えは全くありません。
さらに、時間帯を問わず、救急車を呼ぶことに、何のためらいもない親たちも少なくないと聞きました。
民間の保険なら、ありえないことですが
とはいえ、こういう環境で子育てできるのは、やはり親たちにとって、安心この上ないことです。
実際に軽減されるコスト以上に、精神的な安堵感が違います。
もし仮に、お子さんが病弱であり、近隣に事例のような「子育てしやすい市」があれば、引越を検討する余地はありそうです。
民間の医療保険に、何らかの病状が見つかった後には加入出来ません。
が、公的保険なら可能です。
この場合に、「引越しする」ことは同じ意味です。

新築マンションのチラシにも
最近、この市に新築マンションが完成しました。
なんと、その販売チラシには、上記のお話と同じ趣旨のことがアピールポイントとして、具体的な金額シミュレーションとともに記載されていました。(執筆者:金子 幸嗣)