今年も早いもので9月。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋。そして学びの秋。
資格試験は春と秋がシーズンです。
秋の試験に向けて資格のお勉強をしている方もいるかと思います。
さまざまな資格がありますが、その中でも今回はFP(ファイナンシャルプランナー)資格についてお伝えします。
計算は苦手、投資は興味ない、という方も必見です!
実はこのFP資格はキャリアップの為や仕事に使えるだけではありません。
FPの知識はご自身の身の回りのお金に関することに、とても役立つのです。
今回は実生活に役立つFPの知識や活用法についてご紹介させていただきます。
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目次
FPとは
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。
ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。
これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。(日本FP協会ホームページより)
FPと言えば投資や資産運用のイメージも強いのですが、それを決める基本(ベース)となるのはご自身やご家庭の家計収支や所有する資産です。
投資商品が偏らないように分散投資をしたり、その後のライフプランを考慮して投資金額を決めたりしていきます。
また、家計の見直しや家の購入など目的が1つであってもさまざまな角度からお金を見ていく必要があります。
その為、FPの学習科目やご相談範囲は多岐に渡ります。
・ ライフプランニングと資金計画
・ リスク管理
・ 金融資産運用
・ タックスプランニング
・ 不動産
・ 相続・事業承継
簡単にそれぞれの科目の内容についてお伝えします。
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ライフプランニングと資金計画
人生(ライフ)におけるさまざまなイベントに必要なお金について試算をしていきます。
進学、就職、結婚、出産、退職後のリタイアメントまで長い人生においてお金が特に必要なイベントについて資金計画を立てていきます。
リスク管理
主に保険について学びます。
病気やケガの備え、火災や地震の備えだけでなく事業承継や相続対策など保険を活用してリスクを軽減するようプランニングしていきます。
金融資産運用
まさに投資! 株や投資信託の仕組みから、それぞれの金融商品について詳しく学びます。
おそらくFPと聞いてイメージが強いのはこの投資についてかと思います。
高額な投資だけでなく、少額投資もさまざま。
それぞれのメリット・デメリットなど、資産運用に必要な知識を身につけます。
タックスプランニング
一番FPを悩ませる科目です。
タックス = 税金については、年々税制が変わる度に計算方法も変わってくるからです。
一度、覚えたからOKというわけにはいきません。
最新の税制をキャッチアップする必要があります。
節税や税金対策などに役立てるような知識が必要です。
不動産
不動産の評価や活用方法について学びます。
相続にも密接に関わってきますし、日本人が所有する資産の多くは不動産です。とても重要な科目となります。
相続・事業承継
いわゆる争続にならないよう事前対策をたて、相続がスムーズに行われるよう知識を身につけます。
大切な資産を引き継ぐ為に必要な知識を身につけ資産承継に役立てていきます。
このように、身の回りのお金について、それぞれが単独ではなく関連している科目を学んでいきます。
具体的にはどのように活用できるのでしょうか?
私のところにご相談に来られた方の実例でご紹介します。
ご相談事例
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1. 大学進学の費用について
学資保険で進学費用をためていたが、1~2年分の学費分しかたまっておらず3~4年分の学費が足りないとご相談。
解決案
再度、家計の見直し、今後のご家族のライフプランを確認。
ご相談者とご家族と一緒に学費について話し合い、家計から捻出できない不足分を補う為に奨学金や教育ローンについてご紹介。
お子様にも奨学金の仕組みや卒業後の返済についても分りやすくご説明。
結果、3~4年分の学費は奨学金と教育ローンを活用することになりました。
該当科目:ライフプランニングと資金計画、リスク管理
2. フレッシャーズの年金運用
入社が決まった会社から確定拠出年金の運用先を入社前に決めるよう言われた。
これまで投資や資産運用の経験がなく、知識もない為、運用先が選べないとご相談。
解決案
確定拠出年金の仕組み、会社から指定されている運用先の商品について説明し選び方のポイントをお伝えしました。
ご相談者が分散を考えながら商品を選択することができました。
該当科目:ライフプランニングと資金計画、金融資産運用
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3. 家購入の頭金準備について
月々の住宅ローン支払いを考えると頭金を500万円出したいが、300万円しか準備できないとご相談。
解決案
所有資産の確認。
これまで会社で積立や財形貯蓄などしていないか、満期になる保険などはないか、ご両親からの生前贈与は可能か等。
結果、満期保険から100万円、ご両親からの資金援助100万円で支払うことになりました。(*)
(*)贈与や相続を考え、兄弟姉妹との資金援助の差がないかを確認。
該当科目:ライフプランニングと資金計画、不動産、相続・事業承継
このように、1つのご相談に対して解決案を考えるにはさまざまな科目の知識が必要となります。
上記の事例は私がご相談に来られた方にアドバイスした内容ですが、FPの知識があれば、自分自身でもさまざまな角度から資金計画を立てていくことができます。
このように実生活の様々な場面で役立てることができるのです。
おわりに
身近なお金に関することや将来の為の資産運用まで、幅広く相談できるのがFPの特徴です。
今後、消費税も増税し、保険料も物価も上昇することが予測されます。
6分野の知識があると、問題を包括的に解決する案を検討することができます。
ご自身でも生活に役立てたいとFPの勉強をされる方もいらっしゃいます。
身の回りのお金に関する知識の一つとしてFP資格を学んでみてはいかがでしょうか。(執筆者:藤井 亜也)