証券会社や銀行に、資産運用の相談に行くとかなりの確率で債券での投資をおすすめされます。
債券とは、満期と金利が決まっている金融商品です。
株や投資信託と違って満期と金利が決まっているので、なんとなく安心する人が多いのが特徴です。
一見、良さそうに見える債券投資ですが注意点はないのでしょうか。
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目次
債券は証券会社、銀行の収益源
刺激的な見出しになってしまいましたが、債券は証券会社や銀行にとって手数料の取れる商品です。
私も銀行員だった時良く販売していました。
債券には円建ての債券と外貨建ての債券があります。
円建ての債券は昨今のマイナス金利の影響で、ほとんど金利が付きません。
投資家にとっても魅力のある商品では現状ありません。
一方の外貨建て商品ですが、新興国の債券だと年率10%も超えるものも珍しくありません。
今、話題のトルコリラの債券だと20%を越えます。
米ドル債券でも2~3%金利は付きます。
日本人は金利が大好きなので、高い金利に飛びつく人はたくさんいます。
一見良さそうに見える商品ですが、なぜ証券会社や銀行にとって、収益源になるのでしょうか。
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債券の手数料は、証券会社、銀行で自由に変えることが出来る
外貨建ての債券の場合、手数料は2つに分かれています。
1. 外貨に換える時の手数料
1つ目は外貨に換える時の手数料です。
これは、ほとんどの証券会社、銀行は一般の外貨預金よりも手数料は安くしています。
米ドル建ての債券の場合、米ドルの外貨預金にすると、通常円から米ドルにするときに1円手数料がかかります。
しかし債券を購入する場合は半額の0.5円にしているところが多いです。(会社によってはもっと安くしています。)
2. 債券自体にかかる手数料
2つ目の手数料は債券自体にかかる手数料です。
これが証券会社、銀行にとっておいしいのです。
債券は新規に発行する債券を新発債、すでに出回っている債券を既発債といいます。
この既発債は、証券会社、銀行の担当者のさじ加減で手数料をいじることが出来るのです。
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つまり、金利にあまりこだわりのない顧客であれば、顧客の債券の条件を悪くして、証券会社や銀行に入る手数料を多くするようにカスタマイズ出来るのです。
顧客の条件を悪くすれば、5%程度の手数料が入ってくることも珍しくありません。
まとめ
「金利と満期が決まっているので安心ですよ」というセールストークに惑わされず、債券を購入しようと思ったときは、いろいろな証券会社や銀行を回ることをおすすめします。
債券自体は決して悪い商品ではありませんが、このような販売方式は今現在もありますので
注意が必要なのです。(執筆者:渡辺 たけし)