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インパクトのある「ケチ」
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筆者がこれまでの人生で出会ったケチはそれほど多くはありません。
しかし、ケチな人はその行動が非常に目立つため、強く印象に残ります。
中でも特にインパクトが強かったのが、
・ 周囲への被害が大きな「搾取型のケチ」
・ 周囲に多大な心労を与える「命知らずなケチ」
それらのケチは、筆者がつねひごろから「問題あり」と感じているケチなのです。
搾取型のケチ
筆者がもっとも警戒している人物は、「搾取型のケチ」です。
そのような人は社会的地位が高くても人望がなく、肩書やお金がなくなると人が離れていきます。
ここで言う「搾取型のケチ」とは、次のような人物を指します。
・ おごってもらうばかりでおごることがない
・ 人に何かをやってもらうことを当たり前だと思っている
・ 商品やサービスを無料で受け取ろうとする
・ 人の好意にあぐらをかき、さらに図々しい要求をする
そのような人はたいてい「お金に汚い人」などと周囲に思われ、敬遠されています。
しかし筆者がもっとも怖いと思うのは、お金に汚いことではありません。
そのような人物の多くが相手を思いやる気持ちに欠け、相手から搾取することに長けているという点です。
悪化すると「モンスター〇〇」や「DV」になる可能性も
私たち人間は、身内や友人、仕事関係などで直接関わる人はもちろん、見知らぬ他人からも何らかのサポートを受けています。
つまり、他者による有償無償のサポートがあるからこそ、私たちの生活は成り立っていると言ってさしつかえないでしょう。
そう考えれば、陰にひなたに自分をサポートしてくれる身近な人、あるいは知らない誰かに感謝の気持ちを持ち、こちらも相手が必要とするサポートを行うのは当然のことです。
しかし、「搾取系のケチ」はそのように考えません。
お金でも気持ちでも相手が与えてくれるのが当たり前、自分から与えることは大損だと考えるようです。
それが悪化した結果生まれるのが、なにかにつけていいがかりをつけ、時に暴力も振るう「モンスター〇〇」や「DV」でしょう。
そのような人に一度でも関わったら大変です。
心身ともに疲弊し、ボロボロにされかねません。
へたをすると命すら危ぶまれます。
そのようなことにならないためにも、搾取系のケチには極力関わらないのが一番。
身近にそのような人物がいる場合は、一刻も早く離れることを強くおすすめします。
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命知らずなケチ
以前から筆者が反面教師にしているのは「命知らずなケチ」。
節約のために体に悪いことを行い、自らの命を縮めてしまう残念なケチです。
光熱費の節約のはずが多額の医療費を支払うはめに
ここでは、「命知らずなケチ」を地で行くようなAさん(高齢者)のエピソードをご紹介します。
プライバシーの問題もあるため、少し詳細を変えて説明することをお許しください。
Aさんは、「光熱費が高くなるから」という理由で冷房、暖房を一切使いません。
夏はフラフラになりながら猛暑を我慢、冬は家の中でコートやマフラーを着用して過ごす生活を何年も続けてきたのです。
体力がある若いうちは、それで健康に問題が生じたことがなかったようです。
しかし年を取れば体力も衰え、暑さや寒さはときに命取りになります。
Aさんも例にもれず、ある猛暑の日に熱中症でダウン。
大事には至りませんでしたが、一歩間違えれば命まで失うところでした。
それまでは軽い熱中症にかかってもすぐ回復していたAさんでしたが、そのときは比較的症状が重くなったため、主治医に紹介された大きな病院に入院して精密検査を受けることに。
その結果、
のです。
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お金は命あってこそ役に立つことを理解すべき
ムダ遣いをせずコツコツとお金をためるのは、とてもすばらしいことです。
しかしあの世までお金を持っていくことはできません。
残った財産は相続などで人の手に渡ります。
また、数百円~数千円程度の光熱費を節約した結果体を壊せば、それこそ本末転倒です。
Aさんのようにかえって散財する結果となるだけでなく、家族や友人にも心労をかけてしまうことがどうしてわからないのでしょうか。
そのような形でお金をためることに腐心する人は、自らの命を担保に節約しているようなもの。
そのような人を反面教師とした方がよいことは言うまでもありません。
問題のあるケチにならないために気をつけたいこと
今回は筆者の独断と偏見にもとづき、これまで出会ったなかでもっともインパクトが強かったケチのタイプを2つご紹介しました。
ケチという言葉からはお金を連想する人も多いでしょう。
しかし、誰かのために費やす労力や時間、相手を思いやる気持ちなど、自らの懐が痛まないものすら出し渋るケチや、自分の健康管理もできないケチは、単にお金に汚いケチよりも問題だと思います。
できればそのようなケチにはなりたくないものですが、うっかりすると無意識にそのような行動をとってしまう場合もあるでしょう。
それを防ぐ意味でも、時折自らのお金の使い方や行動パターンについて振り返り、必要に応じて修正していくことも必要だと感じています。(執筆者:大岩 楓)