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最低時給

生活水準を左右する基準でもあり、労働者の権利を守るボーダーにもなります。
イギリスの最低時給はいくらでしょうか。
日本の最低時給とイギリスの最低時給を比較して検討してみたいと思います。
日本の最低時給
日本の最低時給は政府も水準の引き上げる方向で進めており、3年連続で20円以上の値上げとなっています。
厚生労働省からも発表されているように、東京が1番高い958円で東北や九州地方が比較的低い水準となっており最低の地域では737円となっています。
年々最低時給が上がりうれしく思う人も多いと思いますが、この水準は世界的に見ると低い方です。
イギリスの最低時給
イギリスの最低時給は実は年齢によって異なります。
イギリス政府の発表では、年齢とその時給は以下の通りです。
・ 16歳から17歳:4.2ポンド(616円)
・ 18歳から20歳:5.9ポンド(866円)
・ 21歳から24歳:7.38ポンド(1,083円)
・ 25歳以上:7.83ポンド(1,149円)
*2018年10月15日現在 1ポンド 146.86円
イギリスで21歳以上の人が働くと、東京で働くよりも高い時給です。
さらに25歳以上であれば、能力に関わらず最低時給は1,149円まで引き上げられます。
イギリスの最低時給と生活
最低時給の金額だけをみると、イギリスをうらやましいと思う人も多いと思います。
しかしイギリスは場所によって物価の差が激しく、生活が苦しくなることが多々あります。
イギリス内でも1番物価の高いロンドン

1か月あたりの家賃が狭いシェアハウスでも月800ポンド(日本円に換算すると118,000円)で、さらに食費や交際費なども高く設定されています。
少し田舎に行けば生活費は抑えられますが、その分仕事を探すのが困難です。
法をかいくぐる悪徳雇用主
イギリスのもう1つの問題は最低時給以下で働く人も多いという点です。
最低時給は法で守られているのですが、それにも関わらず手取りで給料を支給して税金や人件費を削減しようとする雇用主も多いです。
そのため新しい仕事に就く際は、しっかりと労働基準を記載した雇用契約書類に目を通しておく必要があります。
英語能力が低いとさらに厳しい
移民に対しては比較的風当りが強く、最低時給以下で働かされていることがよくあります。
イギリスには南アフリカや中東、ヨーロッパからの移民が多く、英語能力が最低限のコミュニケーションレベルの人も多いです。
言語の壁によって複雑なことが理解できず、ネイティブと比較して立場的に弱者であることが理由で最低時給以下で過労させれらることが少なくありません。
ワーホリの日本人も例外ではない
実際にワーキングホリディで来ている日本人もその対象になりやすいです。
仕事を与えてもらう代わりに時給が平均よりも1ポンド以上低く設定されていたり、現場のスタッフで山分けとなるはずのお客さんからのチップが会社側に吸収されてしまいスタッフに届かないということもよくある話です。
私がロンドンで初めてネイルサロンに就職したときは、研修と言う名目の元時給4ポンド、日本円に換算すると時給588円から働いていました。
東京並みの物価となるロンドンでフルタイムで働いても月に10万円程度と考えると、生活はなかなか厳しいものがありますね。
日本でも違法に働かされている人はたくさんいますが、イギリスではより注意が必要です。
少し聞きにくいお金の話ですが、働く上で大切なポイントなので仕事を始める前にしっかりと納得いくまで確認しておきましょう。(執筆者:森 亜美)