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公的年金の支給は死んだ月まで続きます
公的年金は、ひとたび支給が始まると例外的なケースを除いて死ぬまでもらえます。
年金は基本的に月単位で支給されますから正確に言えば、「死んだ月まで支給される」ことになります。

最後の年金は支給されても本人は使えません
もちろん、死んだ人が自分自身で最後の年金を使うことはできません。
最後に支給された年金は、死亡した人の配偶者や子供などの親族が引き継ぐことになります。
これを未支給年金と言います。
知っておきたい未支給年金のポイント
最近では葬儀屋さんが、もらい忘れのないように親族に教えてあげるケースなども多くなってきましたので、未支給年金という正式な名前は知らなくても、「そういうおカネがもらえる」ということはウワサで聞いたことがあるかもしれません。
未支給年金にまつわる注意点を3つ、ご紹介します。
未支給年金額は死亡月で異なります
まず、未支給年金額そのものが、死亡月が偶数月か奇数月かによって変わります。
公的年金は、偶数月に過去2か月分支給されます。
たとえば、ある年の4月に支給されるのは2月分と3月分の合計額です。
従って、受給者が奇数月に亡くなると2か月分が未支給年金となり、偶数月に亡くなると1か月分が未支給年金となります。
年金と未支給年金の合計支給額は変わりませんが、未支給年金額は1か月分か2か月分かという差ができるのです。
条件を満たす親族に請求権があります
公的年金が受け取れるのは、もちろん本人のみです。
しかし、未支給年金の場合、一定条件を満たした受給者の親族全員に権利があります。
優先される順位付けはあります。が、「子」の場合に長男、次男に差はありません。
このとき、2人の仲が悪く各自が別々に未支給年金を請求して大いにモメるということがあります。
事前に、話し合いをしておきたいものです。

死亡者名義の銀行口座から現金を引き出すのは至難のワザ
未支給年金の手続きが遅れると、受給者がまだ生きている前提で年金が支給されてしまうことがあります。
場合によっては、返金が必要となります。
年金機構にも受給者の死亡情報が届きますので、かつてニュースになったように何か月も継続して支給されることはありません。
が、故人となった受給者名義の銀行口座に振り込まれてしまったおカネを、遺族が引き出すには大変な手間が必要になります。
銀行から、多種多様の証明書類の提出を求められます。
くれぐれも、早目の手続きをオススメしておきます。(執筆者:金子 幸嗣)