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10月の値上げラッシュ
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・ 電気料金
・ 食料品
・ 宅配料金
・ ガソリン
など家計に直結する値上げラッシュ、長期の住宅ローンも緩やかに上昇傾向となってきました。
先日、住宅購入を検討されている30代のご夫婦からご相談をいただきました。
これから住宅購入を検討されている方にとって、
・ 現在の収入で返済できそうか
・ 住宅の取得時期や固定か変動か
などでお悩みの方も多いと思います。
あまり意識しない
という問題も含め、一般的な事例をご紹介します。
Aさんの相談 30代会社員(年収350万円)
数年前から住宅購入を検討されていましたが、住宅ローンの金利が上昇傾向というニュースも気になり、今回ご相談に至りました。
Aさん 30代 会社員(正規雇用)年収350万円
妻 30代 公務員(正規雇用)年収550万円
子供なし(将来2人ぐらい希望)
希望の住宅
希望住宅は見積もり段階で3,000万円弱
住宅用に自己資金500万円
土地は夫の親の名義の土地に建設予定
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2人の年収で返済可能か?
2人とも正規職員です。
特に奥さまは公務員で勤続年数も長く、年収も高く2人の年収合計が900万円あり、自己資金を500万円を用意されています。
子供ができたとしても親に預けて仕事を継続できるため、希望の住宅の金額からすれば返済に問題はないと思われます。
一般的に金融機関が審査する場合、比較的無理なく返済できる基準は、年収に占める返済の割合は25%以内(年収が多ければ30%・35%と比率は高くなる)とされています。
住宅ローンは変動金利か固定金利か?
住宅ローン金利は2018年10月現在で、短期の変動金利で低いところで手数料や団信(団体信用生命保険)などを除く表面金利では金融機関によって異なりますが0.45%~0.6%程度です。
35年など長期の固定金利は1.3%~1.5%程度(頭金10%ありの場合)です。
長引く超低金利で目先の金利は変動金利が圧倒的に有利ですが、長い返済期間の間には金利上昇のリスクがあるため、毎月の返済額が全期間一定で、超低金利の今こそ金利上昇を気にしなくて良い35年固定金利のフラット35をお勧めしました。
住宅の名義は誰にするか?
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「住宅の名義を誰にするか」については、あまり意識されていなかったようなのでアドバイスをさせていただきました。
一般的には夫の名義にされる例が多いと思われますが、今回のご相談のように
・ 妻のほうが年収が多い
・ 2人の年収を合算しないと住宅ローンの審査が通らない
というケースも考えられます。
その場合には夫婦が連帯債務者となって共有名義にする事をお勧めします。
夫婦共有名義のメリット
a. 住宅ローン控除が夫婦それぞれに使える。
b. 住宅を売却することになった場合は、譲渡益に所得税がかかりますが「3,000万円の特別控除」が夫婦それぞれ使えますので、高額物件の場合は大きなメリットです。
c. 将来相続が発生した場合に相続税を減らせる。
d. 夫婦2人分の収入で返済し、実際に負担した資金の割合に応じて持ち分の登記をした場合は贈与税がかからない。
注:税制上の優遇措置は夫婦の年収や物件の価格等でメリットが生じない場合もあります。
夫婦共有名義のデメリット
a. 離婚した場合に名義変更・増改築・売却などがしにくい。
b. 不動産登記や住宅ローンの手続きに費用が余分にかかる。
夫婦共有名義の最大のデメリットは「離婚」
夢のマイホームですが、購入後には住宅ローンが重くのしかかります。
夫婦の収入を合算しないと住宅ローンが組めない方は夫婦共有名義にすることで税務上のメリットも多いですが、デメリットで特に注意いただきたいのは離婚した場合です。
離婚後も同居することは考えられませんので、名義変更やどちらが住むかまたは売却するかなどで「元 配偶者」と円満な話し合いができないことも考えられます。
夫婦共有名義にする場合は、夫婦円満で安定した返済をすることが重要になりそうです。(執筆者:後藤 誠道)