NISA(少額投資非課税口座)で株式等を取引すれば、売却益も配当も非課税です。
この非課税がNISAの特徴であり最大のメリットでしょう。
でも、NISAのメリットである非課税が終わってしまうことがあります。
非課税が突然終了して慌てることが無いように、事前にどのようなケースで非課税が終わってしまうのか把握しておくといいでしょう。
NISAの非課税が終了する3つのケースをご紹介します。

目次
ケース1:海外に出国する場合
NISAを利用して非課税を享受できるのは、日本国内に居住する人に限られています。
仕事の都合などで突然、長期間の海外勤務が命じられることもあるでしょう。
海外勤務などの理由で出国し、非居住者に該当することとなった場合、NISA口座は出国の時に廃止されることになっています。
出国以前にNISAで保有していた株式や投資信託は課税口座(一般口座など)に払い出されます。
出国後に受け取る配当や売却した場合の利益はすべて課税の対象となります。
なお、出国の際には、金融機関に「出国届出書」を提出しなければなりません。

ケース2:NISAの開設者が亡くなった場合
NISAの開設者が亡くなった場合は、相続人が「非課税口座開設者死亡届出書」を金融機関に提出しなければいけません。
NISAで保有していた株式等は、亡くなったその日の値段で取得したものとして、相続人の課税口座に引き継がれることになります。
また、亡くなった日以降に配当金が支払われる場合は、課税の対象となります。
つまり、NISAの開設者が亡くなった場合は、それまでの配当や譲渡益等は非課税ですが、亡くなったその日からは非課税ではなくなるのです。
ケース3:5年の非課税期間が終了した場合
NISAに非課税で株式等を保有できるのは非課税期間の間だけです。
非課税期間が終わると、当然ながら非課税も終了します。
注意したいのは、一般に非課税期間は「5年」と言われますが、厳密には「最長5年」であるということです。
例えば、NISA制度の開始年である2014年初から2014年末の1年の間にNISAで購入した株式等は、2018年末にすべて非課税期間が終了してしまいます。
非課税が終了する翌年の非課税枠にロールオーバー(移管)して、非課税期間を延長することもできますが、何も手続きをしない場合は、課税口座に自動的に払い出され非課税は終了することになります。

ロールオーバーするなら手続きを忘れずに
NISAの非課税が不意に終了してしまうかもしれないケースを3つ取り上げました。
特に、「最長5年」という非課税期間の終了は株式等を長期で保有している投資家すべてが避けられないものです。
非課税期間を延長するためロールオーバー(移管)するのであれば、金融機関での手続きが必要となります。
金融機関ごとに申込期限が異なりますので、2014年からNISAを利用している投資家は早めに確認したほうがいいでしょう。(執筆者:潮見 孝幸)