11/6に米中間選挙がありますが、世界は同時株安に見舞われています。
株価が急落しているのには、いろいろな理由があると思います。
いくつか考えられる要素をあげてみましょう。
目次
要素1:FRBの利上げが続いている

アメリカは0.25%ずつ4回の利上げを行っていて、1年間で1%金利が上昇するペースです。
FRBによる出口戦略で、かつてほど株価を支えるような姿勢は薄れています。
現在のNY市場の下げも金利の先高感によるものが主な要因だといえるでしょう。
要素2:米中間選挙が近づいている
中間選挙が近づいてリスクオフの流れが加速しています。
下馬評では共和党優位のようですが、下院では民主党の力も強く分裂が予想されます。
選挙結果を確かめようと、様子見気分が市場にも広がっています。
要素3:激化する中国との貿易摩擦

トランプ大統領は対中貿易赤字を解消するために、執拗に関税を引き上げる政策を発動しています。
貿易摩擦は解消の糸口が見えません。
このままだと自由貿易の存続にもかかわるという懸念が生じています。
関税引き上げは3月から続いていて、一時は市場に織り込んだようでしたが、ここにきて本格的に株式市場が下げ始めています。
要素4:リーマンショックから10年目の節目
今年で2008年のリーマンショックから、ちょうど10年がたちます。
この10年間は3度の金融政策が発動されたこともあり、アメリカの歴史上、最も株価が上昇した10年になりました。
リーマンショックとその後に起きたギリシャ危機を乗り切るために、何が何でも株式市場を安定させて、株価を上昇させようという試みがなされました。
しかし、最近では方向性が変わっています。
サイクル理論を持ち出すまでもなく、一定期間株高のトレンドが続けば、その次は調整の期間がやって来ます。
今年がちょうその時期にあたっている可能性があります。
要素5:トランプ相場の上昇トレンドついに崩れる
【日経平均 日足】

2016年後半から続いていた、いわゆる「トランプ相場」の上昇トレンドがついに崩れました。
節目となる2万2,000円を下回ってサポートラインを下放れて来ました。
11/2現在、反発していますが、ライン上に復活するのか、それとも再び反落するのか目が離せません。
ここ1週間が勝負だと思います。
もし下げ始めれば2万円割れも覚悟しなければならないでしょう。
その時はアベノミクス相場の終焉ということになり、政府は、新たな経済政策を考えて対応しなければなりません。(執筆者:岡 隼人)