数年前証券会社の投資信託の回転売買が問題になりました。
回転売買とは顧客が保有している投信を売却させ新しい投信を購入させる手法です。
この回転売買は顧客が別の投信を購入する度に手数料が入ってくるので金融機関にとっては非常にありがたい取引になります。
金融庁から指導が入り一時期よりは回転売買は少なくなってきていますがいまだに残っているのが現状です。
今回はそんな投資信託の回転売買について説明していきます。

目次
回転売買が推奨された背景
回転売買はここ5年前ほどまではほとんどの金融機関で実施されていたと思います。
証券会社や銀行によっては一年に3回転ほどさせていた金融機関もあります。
回転売買を一年に3回行うと1回あたり3%の手数料が入ってくるので一年間で9%の手数料を稼ぐことができます。
もし投資信託を買っている原資が1億円だとすると、手数料は一年間で約9百万円入ってきます。
証券会社や銀行はこの手数料目当てに回転売買を推奨したのです。
特にこの時代は銀行や証券会社の担当者や支店は手数料ですべてが評価される評価形態だったので手っ取り早く手数料が稼げる回転売買に走ったのです。
投信は長期で保有しないと儲からない
手数料で年間10%近くもとられてしまったらまず利益を出すのは難しいです。
投資信託は購入時の手数料等のコストが高いため長期で保有する必要があります。
日本の投資信託の保有率は平均2~3年であるのに対しアメリカの投信の保有率は、5年以上になっています。
投資信託は、コストは高いですが長期で持てば良い商品です。
しかし日本のシステムが長期で保有することを許しません。
最近は以前ほど露骨な回転売買は減ってきましたがそれでもまだまだ回転売買はあります。
回転売買を勧められたときは

銀行や証券会社から回転売買を勧められたときは、毅然と断ることが何より大切です。
営業担当者がかわいそうという感情が生まれてしまうと銀行や証券会社は容赦なく回転売買を仕掛けてきます。
もし高齢の両親などが投資信託を保有していたら必ず家族で相談するように事前に決めておくことが重要です。
証券会社や銀行も家族と相談するといわれればそれに従わざるを得ないので家族間で銀行や証券会社の提案に即日乘らずに必ず家族に相談することを決めておくことが非常に重要になります。
回転売買は金融機関が儲かる取引で顧客が儲かる取引ではないことをよく覚えておいてください。(執筆者:渡辺 たけし)