インターネット経由で証券口座は簡単に作成することができます。
また作成時に入金をしなくても登録だけ(=無料)で開設することができます。
ここまでは大半の方が問題なくできるのですが、口座種類に馴染みのない言葉があり、迷ってしまいます。
証券会社にも同様の説明がありますが、少し固い表現もありますので、分かりやすく簡単に説明したいと思います。
「口座開設時に最低これだけは覚えておけば大丈夫」というポイントをまとめていますので、参考にしてみてください。
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目次
証券口座の開設時の基礎知識
まず証券口座の種類は3種類です。
(2) 特定口座の源泉徴収なし
(3) 一般口座
言葉の定義
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次に言葉の定義を説明しましょう。
源泉徴収の「あり・なし」とは、所得税を控除するか否かです。所得税額は20.32%です。
原則、株式投資を行って利益が出た場合には確定申告をする必要があり、その際に必要な資料が「年間取引報告書」です。
この年間取引報告書を証券会社が作成してくれる口座のことを特定口座と呼びます。
対して、一般口座は「年間取引報告書」を自分で作成する必要があります。
株式の譲渡益は20万円以下であれば、確定申告不要で所得税の納税義務はありません。(但し住民税の納税義務はあります。)
20万円以上の利益が出た場合、源泉徴収「なし」であれば確定申告が必要です。
確定申告をすることにより所得額が増加し、国民健康保険料のアップや、主婦の方であれば扶養から外れるということになります。
一方で、源泉徴収「あり」を選べば確定申告が不要であり、所得額は増加しないので、国民健康保険料のアップや主婦の方が扶養から外れるということはなくなります。
証券口座のメリット・デメリット
これをふまえた上で(1)、(2)、(3)のメリットデメリットを説明します。
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(1) 特定口座の源泉徴収あり
メリット
・年間取引報告書が作成される。
・利益に対して源泉徴収があるために、確定申告が不要。
・確定申告しないために譲渡所得が所得額に反映されない為、国保保険料や扶養から外れることはない。
・株式の配当も株式の譲渡損があれば自動的に損益通算される。(=上場株式配当等受領委任契約といいます。)
デメリット
・株式の譲渡益が年間20万以下であっても所得税額20.32%が控除されてしまう。(=払わなくても良い税金を払うことになります。還付はありません。)
納得いきませんが、控除されてしまうルールとなっています。
少額運用や配当金メインでの取引を想定されている方は要注意です。
(2) 特定口座の源泉徴収なし
メリット
・年間取引報告書が作成される。
・利益に対して源泉徴収はないので、株式の譲渡益が年間20万以下であれば所得税額20.32%は控除されない。
・源泉徴収が都度なければ、納税に回るお金もトレードに回すことができる。
デメリット
・年間取引報告書作成されるが、利益に対して源泉徴収はないために、確定申告が必要。
・確定申告すると、利益があった場合には所得金額が増える為、国保保険料増加や扶養から外れることがある。
・株式の配当は株式の譲渡損があっても自動的に損益通算はなされず、確定申告により損益通算される。(=上場株式配当等受領委任契約ができない。)
(3) 一般口座(一般口座は源泉徴収なし)
メリット
・源泉徴収はないために、株式の譲渡益が年間20万以下であれば所得税額20.32%は控除されない。
・源泉徴収が都度なければ、納税に回るお金もトレードに回すことができる。
デメリット
・年間取引報告書作成されず、自分で作成する。
・利益に対して源泉徴収はないために、確定申告が必要。
・確定申告すると、利益があった場合には所得金額が増える為、国保保険料増加や扶養から外れることがある。
・株式の配当は株式の譲渡損があっても自動的に損益通算はなされず、確定申告により損益通算される。
まとめ
以上より3種類のメリットデメリットを比較し、新規口座開設をされる方の85%は、(1) 特定口座の源泉徴収ありと選んでいるそうです。
個人的にも、まずは利益額20万円の節目を超える目標を設定するためにも(1) 特定口座の源泉徴収あり、を選ぶということをオススメします。(執筆者:相川 隆)