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チャート分析とは何なのでしょう?
初心者におすすめの投資方法なのでしょうか?
チャートとは、図・表・グラフのことです。
投資の世界のチャートは、株式やFX・仮想通貨などの値動きを表したグラフ(縦長の棒や曲線がたくさん載っているグラフなど)を指すことが一般的です。
そして、そのチャート(値動きグラフの図)を分析する行為をチャート分析と呼びます。
チャートとは値動きを表したグラフのこと

チャート分析で、株式・FX・仮想通貨をやっているけどうまくいかないという声をよく聞きます。
チャート分析は何のための行うのでしょうか?
おそらく、多くの人は株式投資・FX・仮想通貨などの「未来の値動きを予測するため」に行っていると思われます。
それは一般的に
あるいは
と思われている、期待してしまう、からではないでしょうか。
(一般的に)チャート分析は未来の値動きを予想できると思われています。
しかし、多くの人はチャート分析を行っても、必ずしもうまくはいきません。
初心者の人にとっては不思議な現象
チャート分析が当たるのなら、誰でも短期間にお金持ちになれるはずです。
小学校や中学校でチャート分析の方法を授業で教えて、確定拠出年金制度(DCやiDeCo)でもNISAでもチャート分析をメインにした資産形成を行えば良いはずです。
でも、そうなりませんし(たぶん永遠になりません)、そうしにくい仕組みになっています。
チャート分析の無料ソフト・本・ガイドを見ても、うまく行きません。
なぜでしょうか。
結論は、
もう少しいうと「当たる時もあるけど、当たらない時もある」というものです。
短期投資(投機的)は「上か下か(丁か半か)の世界なので「当たる時もあるけど、当たらない時もある」というレベルのものでしかありません。
チャート分析では未来は分からないのが現実

確率の問題ですから、中にはチャート分析で短期間に大金持ちになる人はいます。
例えばサイコロを投げても、ずっと次の目が「偶数か奇数か(丁か半か)」を当て続けられる人は、確率上、常に一定数、存在します。
「上か下か」がたくさん当たる人もいます。
それは私やあなたにも当てはまるかどうかは分かりませんが、たぶん当てはまりません。
確率上は五分五分だからです。
なぜ未来の値動きが分からないか
現実の金融商品の値動きは「ランダム・ウォーカー(千鳥足で歩く酔っ払いのようなフラフラした動き)」だと考えられているからです。
理論上、投資対象の値動きは法則がなく、フラフラしていると考えられます。
チャートを分析しても、買ったタイミングがそもそも違うので、同じ判断基準ではなく、みんなが同じ状況ではありません。
チャート分析をしていない投資家もいます
チャート分析は「(たまたま)当たる時もあるし、当たらない時もある」という程度です。
チャート分析に法則があり、必ず当たるなら次のようになります。
2. 必ずみんなが「それ」を買う(「当たる=儲かる」から、買います)
3. その瞬間にチャートの形はさっきと違うものになる(違う分析結果になる・違う未来になる)
4. 結果として、さっきのチャート分析は「あてにならない」
つまり、チャート分析は未来の値動きがランダム・ウォーカーですから当たらないし、仮に「絶対に当たります」としても「あてにならない」ということです。
また、現在のところ、世界中の過去の株価などの動きに対して「必ずこうなる」という法則は発見されていません。
おそらく発見されたとしても、上記1から4の流れで「あてにならない」になります。
後知恵バイアスにかかっているかもしれない
それでも多くの人は「未来がわかって欲しい」と願います。

私だって、できればそんな方法が知りたいです。
しかし、今のところそのような方法は知りません。
また、人は過去のことに対しては大変に「賢い・優秀」です。
あなたの人生を思い返してください
人生の岐路で
「あの時はこうするのが正解だった。」
と誰でもカンタンに正解を理解・選択できます。
過去のことに対しては、誰でも「よく分かっている」、「気になる」という歪み(バイアス)がかかりやすいです。
いまのあなたが「何をすべきなのか」、「何を選択するのがベストなのか」は良く分かりません。
その選択は正解かもしれないし、そうでもないかもしれません。
・過去の正解がいくらわかっても、未来は分からない
これを行動経済学という分野では「後知恵バイアス」と呼びます。
ちょっとわかりにくい方は、スポーツ観戦などを想像してください
テレビを見ている側としては、
「なぜ、あそこであの選手はこうしなかったんだ。こうしたら勝っていたのに!」
と天才監督や天才プレーヤーに、誰でもなれますよね。
実際に自分でやってみたら、彼らより、うまく次の行動を選択できないと思います。
結局、チャート分析は当たるのか
チャート分析に対するアドバイスをまとめます。
「チャート分析」で未来の値動きが分かるような気がするけど、それは「後知恵バイアス」が大きくかかっている可能性があるということを、一度考えてみてください。
筆者個人の意見としては、チャート分析は
どうしてもやるなら趣味として、余裕資金の範囲内で行う。」
というところです。(執筆者:佐々木 裕平)