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生命保険と葬式代の関係

保険の販売員とお付き合いのある方は1度はそうやって生命保険を案内された事があるかもしれません。
「なぜ保険でお葬式代を準備するのかはよくわからない」、「聞いたけど昔の話だから覚えていない」という方の話をよく聞きます。
今回はお葬式代を生命保険で準備するといいと言われる理由や注意点などをお伝えしていきたいと思います。
終身保険が有利な理由
自分のお葬式代として口座に十分なお金を用意していても、金融機関が名義人の死亡を確認すると、口座を凍結させます。
配偶者や子供であってもそのお金は遺産分割協議が終了するまでは自由に引き出せません。
終身保険に故人が加入していた場合、受け取る死亡保険金は受取人の「固有の財産」となり契約者が死亡後に請求すれば保険会社よりすぐ支払われます。
遺産分割協議を待たずして故人のお金を遺族に渡すことができるため生命保険が活用されています。
先ごろ改正された民法の「預貯金の仮払い制度」で、これまでよりも心配の種は減るかもしれません。
しかし、支払いに上限があったり、仮払いされた預貯金は遺産分割された財産だとみなされ、相続税がかかります。
その他のメリット
お葬式代を生命保険で準備するメリットは他にもあります。
・いつ亡くなっても設定した保険金額が支払われる
・支払った保険料よりも保険金で多くのお金が残せる
・相続税の非課税枠がある
お葬式代を生命保険で準備する際の注意点
保険料を一生涯払うタイプ(終身払い)で契約した場合、想定よりも長生きした場合には受け取る保険金額(お葬式代)が支払った保険料を上回ってしまう事もあります。
一昔前であれば今よりも利率が良く運用されていたので、お葬式代としてだけでなく、何かあったら将来解約し自分で受け取るという使い方ができました。
しかし低金利時代ではほとんど増えることはなく、インフレや保険会社の倒産リスクもあります。
自分たちがうまくいっていても、今の時代では「お葬式代や運用商品として生命保険がいい」とは断言できません。
トラブルのない相続のために

生命保険は亡くなった時の為の保険ですので、その本質を見失わないようにすれば、今の時代でもお葬式代の準備として有効な活用法のひとつです。
というわけではありません。
保険も大切ですが、生前にきちんと家族と相続について話し合っておくことを忘れてはいけません。(執筆者:西田 凌)