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中古マンションの「管理費」と「修繕積立金」
マンションを所有すると、管理費と修繕積立金が毎月引き落とされます。
特に中古マンションでは、築年数が経過しているため、管理費と修繕積立金が高くなっており、毎月の住宅ローン返済額と逆転することもあります。
今回は、中古マンション購入で失敗しないために、管理費と修繕積立金の仕組みを理解し、安全な返済基準を解説します。
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古くて広い中古マンションほど管理費と修繕積立金は高くなる
マンションでは管理会社に支払う管理費、将来の大規模修繕に備える修繕積立金を毎月支払います。
管理費と修繕積立金は築年数が浅いほど安く、その後管理組合で一定期間ごとに試算を算出し、改定された管理費と修繕積立金を支払います。
最近こそ国土交通省主導で、管理費と修繕積立金の計画的な試算が定められていますが、昔は管理組合まかせだったため、管理費と修繕積立金を試算した結果大幅な積立不足がわかり、管理費と修繕積立金が急上昇しているマンションも多数あります。
また、管理費と修繕積立金は専有面積に比例して案分されるため、古くて広い中古マンションほど、管理費と修繕積立金が高くなります。
例:バブル期に分譲された高級マンション
物件価格自体は2,000万円程度なのですが、管理費と修繕積立金だけで16万円近くかかります。
この場合、いくら豪華で広くても、住宅ローンの返済以外に毎月16万円の支払いが必要になるため、資金計画を立てる時には、毎月トータルでいくらかかるのか慎重に試算する必要があります。
中古マンション購入時の安全な返済基準はどの程度なのか
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中古マンションを住宅ローンを組んで購入した場合、毎月のトータル返済額はどの程度が安全基準となるのでしょうか。
ここで活用したいのが、住宅ローン審査で用いられている、「返済負担率」の考え方です。
この返済負担率は、
で求めることができますが、安全基準は30%前後です。
この年間返済額に住宅ローンと管理費と修繕積立金の合計額を当てはめ、それを年収で割った値が30%前後であれば、ほぼ安全と言えるでしょう。
例:年収600万円の方の場合
返済負担率が30%とすると、年間返済額は180万円です。
その結果、毎月返済額は15万円ですが、中古マンションの管理費と修繕積立金を毎月5万円と考えると、住宅ローン返済額は毎月10万円が限度です。
全期間固定金利1%、35年返済で試算すると、最大3,542万円の借入が可能です。
ムリのない住宅ローン
中古マンション購入時の、安全な返済基準などを解説してきました。
上記の計算式を活用すると、
となるため、住宅ローン返済額がほぼ自動的に定まります。
中古マンション購入は今後も増えます。
管理費と修繕積立金は必ず確認し、無理のない住宅ローンを組んでいただきたいと思います。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)